さて、「立ち歩きを科学する」第1回目は
「多動・衝動性が原因の立ち歩き」について。
立ち歩きの原因として、
よく知られているのは
ADHDが原因の立ち歩きです。
発達凸凹キッズの中で
特にADHDの特性を持つ小学生は
よく言えば元気で好奇心旺盛!!
だけど、集団生活の場で
自分のやりたい気持ちを抑えることができず
動き回ってしまうことがあります。
これは、ADHDでみられる
・不注意(集中できない・気をとられてしまう)
・多動性(じっとしていられない・落ち着きがない)
・衝動性(思いつくと行動してしまう)
の特性からくるもの。
だめとわかってはいるけれど
動かずにはいられない。
それがADHDの小学生なんです。
ADHDのお子さんの脳では
物事を論理的に・順序立てて
考えるために必要な前頭葉の働きが
弱くなっていると言われています。
その原因となっているのが
前頭葉が活性化するために必要な
「ドーパミン」という物質。
ADHDのお子さんの脳では
このドーパミンがうまく届かないことで、
前頭葉の働きが弱くなり、
不注意・多動性・衝動性が
みられると言うわけなんです。
ですので、ADHDが原因で
起こる立ち歩きについては
理論的にはADHDのお薬が効果的。
ADHDの治療薬は
脳内のドーパミンを増やす作用があるので、
脳のドーパミン不足が原因の立ち歩きには
お薬がすごく効くこともあります。
ですが、
この理由が先行して知られていることで
先生方の中には
「お薬を飲めば立ち歩きが良くなる」
と考えてしまっている場合があります。
個別相談でお会いする
ママたちの中にも
「立ち歩きが良くならないので
病院でお薬処方してもらった方がいいのでは?」
と、受診やお薬をすすめられたり
「今はいいお薬があるんですよ」
なんて先生に言われてしまうママも
いるみたいです。
立ち歩き=ADHDと安易に考えてしまうと
全然効果がない対応をされてしまうばかりか
不適切な対応で
より立ち歩きが悪化したり、
不適切な対応をされ続けた結果
攻撃性が増す「二次障害」を
起こしてくることもあります。
だからこそ、
「立ち歩き」には
まず原因を知ることが必須!!
明日からは、
「多動・衝動性」ではないことが原因で
起こる立ち歩きについて
解説していきますね。