「ママ決めて」と自分で決められない繊細な子、大丈夫?

監修: むらかみりりか
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー

「ママ決めて」と言う繊細な子に、どう関わればいいのか悩んでいませんか?実はその関わりが、子どもの「決める力」を止めているかもしれません。視点を変えたとき、子どもは自分で考え、選び、動き出しました。どう変わったのか。実体験をもとに、その理由と関わり方をお伝えします。

1.「ママ決めて」と言う息子に感じていた違和感と将来への不安

 

わが家には、不安が強く、とても繊細で、人の目に敏感な息子(通称:むーちゃん)がいます。

 

行き渋りが始まったのは、2023年5月、ゴールデンウィーク明け。むーちゃんが小学2年生の頃でした。

 

学校に行ける日もあれば行けない日もある、そんな毎日が続いていました。

 

むーちゃんは不安や心配があると、先生に自分で伝えることができませんでした。

 

「ママが言って」と頼んでくるため、代わりに私が動くことが当たり前になっていました。

 

そして、家でも

「ママが決めて」

「ママがやって」

これが、むーちゃんの口癖でした。

 

自分で決められず、伝える事も怖くて出来ないわが子。

 

学校に行き渋るときも、「どうしたらいい?行った方がいい?」と私に判断を委ねてくる。

 

その姿を見ながら、

 

“このままずっと変わらなかったらどうしよう”

“将来、私がいなくなったらこの子は生きていけるのだろうか”

 

そんな不安が、いつも頭から離れませんでした。

 

 

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2.守っているつもりが逆効果?決められない子をつくっていたママの関わり

 

今振り返ると、その状態をつくっていたのは私の関わり方でした。

 

小さい頃から、私がすべてを決めていました。

 

その日に着る服も、学校の持ち物の準備も、次に何するかの行動も、わが子が失敗しないように、困らないようにと、先回りして準備し、整えてきました。

 

上の子のときの経験もあり、むーちゃんには同じ思いをさせたくない、その気持ちが強くより慎重に関わっていたのだと思います。

 

また、学校で頑張っている分、家では甘えさせてあげたい、そう思うあまり言うことを何でも受け入れていました。

 

その結果、「ママやって」「ママがいい」が当たり前になり、むーちゃんはどんどん私に依存するようになっていきました。

 

私はただ守りたかっただけでした。失敗させたくない、困らせたくない、傷ついてほしくない、その一心でした。

 

けれどその関わりが、むーちゃんから「自分で決める経験」を奪っていたのです。

 

 

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3.関わりを見直すきっかけになった学び

 

3年生の1月。

 

行き渋りながらも何とか昼休みに登校する日々を送っていました。

 

校外学習の日、久しぶりに朝から登校すると、「なんで朝からいるの?」とクラスメイトからの何気ない一言に傷ついたり、ある日から担任の先生との信頼関係に溝が出来てしまい、一歩も教室に入れなくなりました。

 

吐き気や動悸に苦しむわが子を見ながら、”何のために学校に行かせているのだろう”と、私自身も分からなくなっていました。

 

このままではいけない。

 

悩みながらも、子どもとの関わり方を模索する中で出会ったのが、脳科学・心理学・教育学をベースにした発達科学コミュニケーションの学びでした。

 

家庭での関わり方や日常の声かけに目を向けていく視点に触れたことで、私自身の受け止め方が、少しずつ変わっていきました。

 

学びの中で知ったのは、子どもが動き出すためには「安心」と「できた経験」の積み重ねが必要だということでした。

 

安心できる人や居場所を見つける、作ることで外の世界に踏み出すことが出来るようになります。

 

不安が強い状態では行動は止まりやすく、逆に子どもが自分で気づき、考え、行動するのを繰り返し「自分でできた」という経験が積み重なることで、次の一歩に進む力が生まれます。

 

つまり、子どもが自分で決められるようになるには、安心できる環境の中で「自分で決めた経験」を積み重ねることが必要だったのです。

 

私はここで初めて、「守ること」と「育てること」は違うのだと気づきました。

 

 子どもを守ることばかりに意識が向いていた私は、知らないうちに、子どもが自立する機会を奪っていたのです。

 

子どもの自立心を育てるには、親が子どもを信じて経験させる事が大事です。

 

私はずっと間違えた寄り添い方をしていたのです。

 

 

4.自分で決める力を育てた具体的な関わり

 

そこから、私は関わり方を少しずつ変えていきました。

 

まず意識したのは、「できていること」に目を向けること。

 

「おはよ〜、起きたんだね」

「洋服に着替えるんだね」

 

など、当たり前にできている事実を伝え、「自分はできている」という感覚を育てました。

 

そしてもう一つが、毎日「小さな選択を任せること」です。

 

いきなりすべてを任せるのではなく、「こっちとこっち、どっちにする?」と選択肢を渡しました。

 

例えば

・今日着る服

・朝ごはん

・学校に行く時間(3時間目から行く?昼休みから行く?)

 

最初は

「こっちでいいかな?」

「これ変じゃない?」

と確認していたむーちゃん。

 

2週間経つと、

「今日はこれ」

「今日は何食べる」

と迷わず決められるようになりました。

 

この関わりは、単に選ばせているのではありません。

 

小さな選択の積み重ねが、「自分で決められた」という経験になり、「自分はできる」という感覚を育てていきます。

 

また、親が先に答えを出さず簡単に選べる選択肢から考える機会を作っていくことで、子どもの思考が動き、自分で判断する力が育っていきました。

 

その積み重ねが、自分で考え、選び、行動する力へとつながっていきました。

 

 

5.「ママ決めて」が消えた!子どもが自分で動き出す関わりとは

 

3ヶ月ほど経つ頃には、「ママ決めて」「ママやって」は、ほとんど聞かれなくなりました。


 気づけば、むーちゃんは自分で考え、自分で決めるようになっていたのです。
 

やらされるのではなく、自分で選んだからこそ、自信を持って進もうとする姿が見られるようになりました。

 

自分で決められるようになると、心にも余白(考える余地、余裕)が生まれます。

 

むーちゃんは不安や心配に振り回されることも少なくなっていきました。

 

自分で選べるようになり、自信がついたことで、安心して動ける範囲が広がり、不安や心配も少しずつ減っていきました 。

 

それは私自身も同じでした。

 

子どもが自分で考えて動けるようになったことで、私の中にも心に余白が生まれ、笑顔でいられる時間が増えました。

 

子どもが変わったのは、特別なことをしたからではありません。

 

親の関わり方を少し変えただけでした。

 

これまで私は、答えを教えることが正しいと思っていました。

 

けれど本当に必要だったのは、答えを渡すことではなく、子どもが自分で考えられる心の余白を作ることだったと思います。

 

その関わりは、すぐに結果が出るものではありません。

 

それでも、その積み重ねが、子どもの中に「自分で決める力」を育てていきます。

 

失敗してもいい。間違えてもいい。

 

その経験の中で、子どもは自分で選び直し、また進んでいきます。

 

そしてその姿を、親が信じて見守ること。

 

それが、子どもが自分で動き出す力につながっていくのだと感じています。

 

 

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執筆者:みなみみき

発達科学コミュニケーション

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