さて今日は
『「休ませているのに回復しない」
その違和感、間違っていません』
というお話です。
今日は少し視点を変えて、
小冊子リリース前に、
ママにどうしても
知っておいてほしい話をします。
起立性調節障害の子を見ていて、
こんな違和感を
感じたことはありませんか?
朝は起きられない。
立つとつらい。
頭痛や腹痛、だるさがある。
だから、
休ませる。
水分をとる。
生活リズムを整える。
病院で診てもらう。
体へのサポートは、
もちろん大事です。
けれど一方で、
こんな姿もありませんか?
体調が少しよくなってきたのに、
学校の話になると表情が固まる。
好きなことなら少し動けるのに、
勉強や登校の話になると止まる。
夕方には笑えるのに、
朝になるとまた動けない。
ママからすると、
ここが一番わからなくなるんです。

「本当に体調が悪いのかな」
「甘えているだけなのかな」
「どこまで休ませればいいのかな」
「でも、無理に行かせたら
悪化するかもしれない」
この迷いが、
毎朝ママの心を削っていきます。
けれど私は、
この違和感こそ、
とても大事なサインだと思っています。
なぜなら、
起立性調節障害の回復は、
“体調がよくなれば自然に動き出す”
だけでは説明できないことが
あるからです。
もちろん、
起立性調節障害は体の不調です。
ここは絶対に間違えてはいけません。
けれど、
小児起立性調節障害診療ガイドライン
改訂第3版でも、
ODは身体症状だけを見るのではなく、
心理社会的な要因や、
生活・学校・家庭環境も含めて
見立てていく視点が大切にされています。
つまり、
体を休ませることと同じくらい、
子どもの脳がどんな場面で
緊張しているのか。
どんな言葉で不安が強くなるのか。
どんな環境で「もう無理」と
ブレーキをかけるのか。
ここを見ることも、
回復には欠かせない視点なんです。
たとえば、
朝、子どもが布団の中で動けないとき。
ママはつい、
「起きて」
「学校どうするの?」
「午後からなら行ける?」
「オンラインだけでも受けてみない?」
そう言いたくなります。
それは、
ママが子どもを
責めたいからではありません。
このまま長引いたらどうしよう。
勉強が遅れたらどうしよう。
進路に影響したらどうしよう。
そんな不安の中で、
何とか助けたいからです。
けれど、
不安が強く、
脳が危険を感じやすい子にとっては、
その言葉が
「責められている」
「また期待に応えられない」
「どうせ自分はできない」
という刺激になってしまうことが
あります。
すると、
体は休んでいるのに、
脳はずっと緊張したまま。
布団の中にいるのに、
心の中では毎朝、
学校と戦っているような状態になる。
これでは、
休ませているのに回復しない。
体調は戻ってきたのに動き出せない。
そんな状態が起きても
不思議ではありません。
今回リリースする小冊子では、
不安で動けない子が、
ネガティブな脳の反応を整えながら、
朝から笑顔で挑戦する力を
育てていく流れを、
マンガと解説でわかりやすく
まとめています。

大事なのは、
子どもを無理に
動かすことではありません。
そして、
ただ待ち続けることでもありません。
今の子どもは、
安心を必要としている時期なのか。
エネルギーをためる時期なのか。
小さな挑戦を始められる時期なのか。
その現在地を見立てて、
ママの声かけを変えていくことです。
親子のコミュニケーションは、
ただの気休めではありません。
子どもの脳に、
「責められている」ではなく、
「わかってもらえた」
「どうせ無理」ではなく、
「少しならできるかもしれない」
「また失敗する」ではなく、
「次はこうしてみよう」
という反応を育てる、
おうちでできる大事なサポートです。
だから私は、
起立性調節障害の子の回復には、
体のサポートと同時に、
家庭での関わりを整えることが
必要だと考えています。
体を整える。
環境を整える。
不安を強めない声かけをする。
回復段階に合った小さな挑戦を作る。
この順番が整うと、
子どもは少しずつ、
自分の足で動き出す準備を始めます。
実は、
起立性調節障害と重なる
起立不耐症のひとつである
POTSの小児研究では、
約74%の子に、
中等度〜重度の不安・抑うつ、
またはその両方が見られた
という報告があります。
つまり、朝起きられない子を
「体の問題だけ」
「気持ちの問題だけ」
のどちらかで見るのではなく、
体のつらさに、
不安・緊張・学校への負荷が重なって、
脳と体が動けなくなっている
という視点が必要なんです。
明日は、
この小冊子の中でも特に大事な、
「不安で動けない子の脳を
ストップさせる3つの原因」
についてお話しします。
そしてその後、
小冊子をお届けしますね。
起立性調節障害の子に必要なのは、
体だけを見ることでも、
気持ちの問題にすることでもありません。
体と心と環境を、
おうちの関わりから整えていくこと。
ここに、
まだママができること、
可能性があるんです。
今日はここまでです。
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