さて今日は
『「学校に行こうかな」が生まれたのは、
背中を押したからではありません』
というお話です。
昨日は、
発コミュを始めて2週間ほどで、
起立性調節障害で
学校へ行けなくなっていた息子が、
「学校、行こうかな」
と言い、
科学甲子園の選抜テストに
自分から挑戦したことをお話ししました。
夏休みには、
その練習にも2回ほど参加しました。
そして、2学期初日。
息子は、
学校へは行きませんでした。
それでも私は、
「また振り出しに戻った」
とは思いませんでした。
なぜなら、
学校へ行けたかどうかより先に、
息子の中に
自分で考え、
自分で選び、
自分で動く力
が育ち始めていることが
見えていたからです。
実は娘の時にもそうでした。
夏休みの成長がみえたからこそ、
2学期はじめ挑戦しない選択をした
娘に不安を感じずにすみました。
では、なぜ、夏休み、
それまで動けなかった子どもの中から、
「やってみようかな」
という言葉が
出てきたのでしょうか。
それは、
私が息子を励まして、
学校へ行くよう背中を押したから
ではありません。
むしろ、反対でした。
私はそれまで、
「行けそうなら行ってみたら?」
「途中からでもいいよ」
「送っていこうか?」と、
息子が動きやすいように
ハードルを下げているつもりでした。
けれど、
不安が強くなっていた息子にとっては、
どれだけ優しい言い方でも、
「学校へ行く方向に進んでほしい」
という私の期待が
伝わっていたのだと思います。
不安で動けない子の中には、
「行きたい」
という気持ちがあっても、
同時に、
「また体調が悪くなったら」
「途中で帰ることになったら」
「みんなに何て思われるだろう」
「最後までできなかったら」
という思いがあります。
車にたとえるなら、
「行きたい」はアクセル。
「怖い」「失敗したくない」は
ブレーキです。
ブレーキを強く踏んでいる子に、
「大丈夫だよ」
「少しだけやってみたら?」
と声をかけることは、
さらにアクセルを踏ませることになる
場合があります。
必要だったのは、
息子のアクセルを
もっと強くすることでは
ありませんでした。
まず、
何が怖いのか。
何なら安心できるのか。
今、どこまでなら自分で選べるのか。
そこを見ていくことでした。
発コミュを始めて、
私が最初に変えたのは、
息子を動かすための言葉ではありません。
息子の行動を見た瞬間に、
「このままで大丈夫?」
と未来まで決めつけることをやめ、
今、目の前で起きていることを
見るようにしたことです。
起きる時間が遅くても、
自分から話しかけてきた。
ゲームをしていても、
好きなことについて説明してくれた。
学校へ行けなくても、
科学甲子園には興味を持った。
一日中元気がなくても、
夕方には自分から動いた。
以前の私は、
「学校へ行けない」
という一つの結果で、
その日すべてを
判断していました。
発コミュを学んでからは、
その子の中にある
小さな「選んだ」
小さな「決めた」
小さな「やってみた」
を見つけるようになりました。
すると私の声かけも、
「学校はどうする?」
から、
「それ、興味あるんだね」
「自分で決めたんだね」
「やってみようと思ったんだね」
へ変わっていきました。
息子は、
動かされるのではなく、
ありのままの「これやりたい!」を
尊重されながら、
夏休み、週に2回のペースで
牧場での尊い経験を積むことができ、
その自信をもって科学甲子園ジュニアの
練習にも足を運ぶことができたのです。
科学甲子園ジュニアの予選では
息子の作った紙ロケットで
優勝を勝ち取り代表校に。

自分の興味や気持ちを
そのまま受け止めてもらう経験、
これが何より大事でした。
ここで大事なのは、
科学甲子園に参加できたから
回復したということではありません。
息子の中に、
自分の興味を感じ、
やるかどうかを考え、
自分で決めて動いた
という流れが生まれたことです。
この力が育っていたから、
2学期初日に学校へ行かなくても、
私は必要以上に不安に
なりませんでした。
「行かなかった」
という結果の奥に、
もう動き始めている力が
見えていたからです。
不登校の回復は、
親が学校へ向かわせると
実は学校が遠のきます。
脳が守りに入り、
成長のフェーズに進みにくいから。
まず家庭の中で、
「これが好き」
「これは嫌」
「今日はここまで」
「それならやってみたい」と、
自分の気持ちに気づき、
自分の言葉で表し、
自分で選べること。

その積み重ねが、
学校だけではなく、
勉強や人間関係、
新しい挑戦に向かう力へ
つながっていきます。
だから、
学校への一歩は、
学校から始めなくていいんです。
今、ゲーム中心に見える子も、
部屋から出てこない子も、
学校の話になると黙ってしまう子も、
突然大きな行動として
現れるわけではありません。
安心して気持ちを出せた。
自分で決めることを認めてもらえた。
失敗しても関係が壊れなかった。
そんな経験の先に、
生まれてきます。
明日は、
なぜ夏休み後半の今が、
この「やってみる」を育てる
タイミングなのか。
2学期直前になってから
学校への準備を急ぐより、
今、家庭で整えておきたいことを
お話ししますね。
今日はここまでです。


