さて今日は、
中学時代に3回の不登校を経験した娘が、
高校の文化祭で
みんなの前に立ったお話です。
文化祭のクラス展示で、
娘はピアノを演奏しました。
久しぶりのピアノ。
しかも、大勢の人が見ている中での
演奏です。
緊張しているかなと思ったら、
意外にも堂々と弾いていました。
途中、一か所だけ
間違えたところがありました。
以前の娘なら、
「間違えた」
「みんなに変だと思われたかも」
と、その一か所を引きずっていたと
思います。
けれど、昨日の娘は違いました。
「あ、間違えちゃった」
というような、
まるで「てへぺろ」のような反応。
そのまま最後まで弾ききりました。
私はその姿を見ながら、
中学時代の娘を思い出していました。
娘は中学時代、
3回の不登校を経験しています。
人の目が怖くて、
外へ出ることさえ難しかった
時期もありました。
先生にどう思われるだろう。
友達はどんな反応をするだろう。
教室に入るだけでも緊張し、
失敗するかもしれないことには
なかなか一歩を踏み出せませんでした。
そんな娘が今、
ずっと憧れていたJK生活の中で、
人前に立ち、
堂々とピアノを弾いている。
しかも、間違えても
笑って次へ進んでいる。
これは単に、
人前でピアノが弾けた
という話ではありません。
「失敗したらどうしよう」
で止まっていた娘が、
「不安でも、やってみよう」と
動けるようになったということです。
今回のピアノも、
最初は娘自身が
「無理だと思った」
と言っていました。
それでも一歩踏み出し、
練習を始めてみたら、
たった2週間で
人前で弾けるところまで
仕上げることができました。
完璧主義の子は
完璧にできそうにないことは
一歩も踏み出さないという
特徴があります。
でも、これは緩めれば
「ひとまずトライしてみようかな」
という一歩を引き出せます。
不安がなくなったから
できたのではありません。
不安はあった。
けれど、その不安を抱えたまま
一歩進める娘になっていたのです。

では、なぜ娘は
ここまで変わることができたのか。
私は、発達科学を学び、
娘の脳の状態に合わせて
サポートしてきたからだと考えています。
私が最初にしたのは、
無理に外へ連れ出すことではありません。
まずは、
安心を増やし、
脳の警戒モードを下げること。
不安が強い子の脳は、
周りが思う以上に、
「失敗するかもしれない」
「嫌なことが起きるかもしれない」
と警戒しています。
その状態で、
「外に出た方がいいよ」
「少しは動かないと」
「いつまでそうしているの?」
と正しいことを言っても、
脳はますます身を守ろうとします。
だから、まずは
家の中で安心できる
関わりを増やしました。
そして、安心がたまってきたら、
次にしたのが、
本人がストレスと感じすぎないくらいの
小さなチャレンジをそっと渡すこと。
ここで大切なのが、
誘い方です。
ただ、
「外に出よう」
「出かけた方が気分転換になるよ」
とは言いませんでした。
「YouTuberの〇〇ちゃんが来た
お団子屋さんがあるから行こうよ」
「夜のドライブに行かない?」
「韓国コスメのお店が
あそこにできたよ」
娘が「それなら、ちょっと行きたい」と
思えるものを入口にしました。
外出させることが
目的ではありません。
安心した状態で、
「不安だったけれど行けた」
「やってみたら楽しかった」
「思ったより大丈夫だった」
という経験を
脳に少しずつ記憶させるためです。
そして、行動できたときには、
「行けたね」で終わらせず、
「最初は迷っていたけど、
自分で決めて動けたね」
「不安があっても、
やってみたら楽しめたね」
と、娘自身が自分の変化に気づける
声かけを重ねました。
ただ行動させるのではなく、
「不安ならやらない」から
「不安でも、小さくやってみる」へ。
脳に新しい思考パターンを
手渡していったのです。
これが、
私が娘にしてきた
ネガティブ思考のリセットです。
文化祭でピアノを弾く娘の姿は、
ある日突然現れたものではありません。
安心をためる。
小さく誘う。
やってみた経験を言葉にする。
その積み重ねが、
「間違えても大丈夫」
「私なら立て直せる」
という自信に変わっていきました。
今、お子さんが
人目を怖がって外に出られなくても、
何を誘っても
「無理」と言っていても、
今の姿が、
この先もずっと続くと
決まったわけではありません。
大切なのは、
無理に動かすことでも、
ただ安心させて待ち続けることでもない。
今のお子さんに必要な安心と、
その次に渡す小さな一歩を
見極めることです。
関わり方が変われば、
子どもの脳に積み重なる
経験も変わります。
「無理」と止まっていた子が、
「不安だけど、やってみようかな」
と、自分から一歩を選べるようになる。

わが子にも、
そんな未来があるかもしれない。
まずはその可能性を、
ママに知っていてほしいと思います。


