吃音は5歳児でも自覚していることも多く、吃音の悩みを1人で抱え込まないようにすることは、吃音を進行させないためにも大切です。今回は、繊細な子でも困りごとを話しやすくなるお家づくりの方法をご紹介しているので参考にしてみてください。
子どもは気持ちを伝える力が発達途上
子どもに「〇〇はどうだった?」と聞いてみても「わからない」しか答えないということはありませんか?
子どもは気持ちを言葉で伝える力が大人に比べてまだまだ未熟です。なぜなら、自分がどう思っているか、感情を理解することが難しかったり、どう思っているか理解していても、言葉に変換することが難しかったりと、感情や言葉を適切に処理する能力が未発達だからです。
また、吃音×繊細キッズは、自分の意見や感情を表現することに自信を持てなかったり、他人がどう反応するか不安になることもあるので、困りごとがあっても言えないことがあります。

繊細な娘が吃音のことをどう思っているのか知りたい!
娘が吃音を発症して2年以上経っていましたが、本人から言ってこないため、一度も吃音の話題を出したことがありませんでした。けれど、長女が吃音のことをどう思っているか、困っていることがないか気になっていたので、話し方で困っていないか聞いてみました。

すると「ない」と答えて即終了しました。それが本心だったのかどうかわからずモヤモヤしたことを今でも覚えています。当時、まだ自分の困りごとや気持ちを話すこと自体少なかったため、今回ご紹介する方法を意識して生活に取り入れると自分から吃音で困っていることを話してくれるようになりました。
5歳では◯割の子が吃音を自覚している!
幼児期でも多くの子が吃音を自覚しています。3歳では6割、5歳で8割の子は吃音を自覚しているとの報告もあり、本人が言ってこなくても吃音に気が付いている場合が多いです。
「吃音を気にさせてはいけない」と思い、気づいていないフリをしているご家庭もあるかもしれません。 けれど、繊細なお子さんの場合は要注意です!空気を読み察しがいい子も多いため、「吃音のことは話してはいけないんだ」と誤解してしまう可能性もあります。
大切なのは、本人が吃音で困った時に、1人で抱え込まず、助けを求められる環境、関係づくりをしておくことです。そこで、お家では吃音のことを明るく話題にできるのはもちろん、他の困りごとも深刻になる前に話してくれる関係づくりをしましょう!

吃音の困りごとを自分から話してくれるお家づくり
◆ママやパパが自分の感情を話す
楽しかったこと、嫌だったこと何でもいいんです。気持ちを伝えることが少ないお子さんは、まずはいろんな感情があることをママ・パパが話して聞かせてあげましょう!すると、自分の感情の理解が進み言葉で伝えようとしてくれるようになります。
◆1日の終わりの家族タイムに今日の〇〇を発表し合う
1日の終わりに今日の楽しかったこと、悲しかったことなど話題を決めて発表をします。初めは慣れなくても、だんだん上手になっていき、気持ちを言語化する練習になります。
◆発言を否定しないこと
子どもの言葉に対して、否定的な言葉をかけていると、「自分の思いをわかってくれない」「話してもどうせ否定される」と考えるようになり、自分の本心を語らなくなることがあります。 「何でも話していい」「どんな自分でも受け入れてくれる」と子どもに思ってもらえるように、まず子どもの思いを否定せず、しっかり受け止めるようにしましょう。
◆吃音のことを明るく話題にしてみる
子どもに自覚がある場合は、話してもいいんだという安心感になります。 自覚がない場合でも、今後安心して悩みを打ち明けられるような環境を作っておくことは大切です。

吃音の悩みが深刻になっていく前の幼児期のうちに、「吃音なんて大した悩みじゃないんだ!」「そのうちよくなるから気にしなくていい!」と思わせられたらもう大丈夫! 吃音は進行せず、脳の発達と共によくなっていきますよ。
執筆者:藤野ゆっこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)