忙しい毎日の中で、吃音×登園しぶりのある子どもに対して「○○しなさい」と言ってしまうこともありますよね。言えば言うほど子どもは反抗して言うことを聞いてくれず、イライラしてしまう事もあると思います。そんな子どもへの指示だしについてお伝えします。
子どもが「言うことを聞いてくれない」ママの言葉とは?
吃音×登園しぶりのある子どもに対して、「○○しなさい!」の指示をしていることはありませんか?
例えば、最初は「お片付けしようね」と優しい言い方で指示をしますが、何度言っても行動しないとなると「片付けなさい!」となりますよね。
他にも「早く起きなさい!」「支度をしなさい!」「お風呂に入りなさい!」など日常生活の中でママが言ってしまう場面は数多くあるのではないでしょうか。
しかし、ママが「○○しなさい!」と強く言っても子どもは無視してやらなかったり、反抗してきたりと結果的に上手くいかないことが多いですよね。

そうなるとママはイライラして、おうちの空気も悪くなってしまいます。
なぜママの「ちゃんとさせたい」という気持ちが届かず、子どもは言うことを聞いてくれないのでしょうか?
これにはしっかりとした人間の心理に関わる理由があるのです。
人がなぜか言われれば言われるほど反発したくなる心理とは?
人間には誰かに決められ、強要されるとなぜか反抗したくなるという性質があってこれは「心理的リアクタンス」と呼ばれています。
リアクタンスとは「反抗」のことで「自分のことを自分で決めたい」という生まれながらに持っている欲求から無意識に反抗するのです。

言えば言うほど子どもは言うことを聞いてくれません。
そのため「○○しなさい!」というママの言葉を素直に聞き入れてくれずに、反抗的な態度を取るということになります。
吃音×登園しぶりのある息子の感情に巻き込まれて反省した日
私の息子は吃音×登園しぶりがあり、朝の機嫌が悪く、支度はスムーズに出来ませんでした。
「そろそろ、ご飯食べようか」と言っても返事はなく、「何か飲もうか?」と言っても返事がないこともありました。
それに対して、心に余裕のない日は息子の機嫌の悪さに巻き込まれて「時間がないんだから早くご飯べて、保育園の支度をしなさい!」と強く言ってしまうことがありました。
すると息子は「嫌だ、行かない!ご飯もいらない!支度もしない!お休みする!」と意地になって大泣きをしてその日はお休みさせるということになってしまいました。

言うことを聞いてくれないということに対するイライラと、息子に強く言ってしまったという自分の態度への反省の気持ちが入り混じり、とても複雑な感情になったことを覚えています。
その時の感情に任せて「○○しなさい!」と言っても、何一つ良いことがなかったという結果に終わりました。
「○○しなさい!」と強い口調で言われることは、吃音×登園しぶりのある子どもとの親子関係も悪化させてしまいます。
さらに、親子関係が悪化するということは、子どもにとっての不安やストレスにもなり、吃音を悪化させてしまうことにもつながっていくのです。
子どもが思わず行動してしまう指示出し方法はこれです!
では、どんな風に指示を出したらいいのでしょうか?
同じトーンで繰り返す
指示を出しても子どもの耳に届かなくて返答がないときは、少し間をおいて同じトーンで繰り返します。
ポイントは何度も言うことにイライラして、ママの言い方が徐々に強い言い方にならないようにすることです。
指示を出して聞いてくれなくても、「見て見ぬふり」で言い方を変えずに穏やかに繰り返します。
子どもに指示を出して返答がないと「無視している」と思って怒ってしまいがちですが、意識が別のところにあって実際に子どもの耳には「聞こえていない」ということがあります。
子どもの耳に届くまで何回でも「1回目のトーン」で穏やかに笑顔で繰り返しましょう。
子どもが気が付き、行動を始めたら褒めてあげてくださいね。
子どもが気が付き、行動を始めたら褒めてあげてくださいね。
子どもに選ばせる
「朝ご飯はパンにする?おにぎりにする?」 「今日の洋服はポケモンにする?マリオにする?」
など選択肢をつくって子ども自身に選んでもらうようにすると提案に乗って行動しやすくなり、「自分で決めたい」という欲求も満たされ反抗する気持ちはなくなります。
どちらを選んでも行動するものを選択肢にします。
どちらか決めることが出来たら「それいいね!」と肯定しましょう。
そして、対等な親子関係であることがとても大切です。

「○○しなさい!」と言われることは、親と子どもが対等でなく言われた子どもの意思が尊重されないものです。
言われ続けるとストレスを感じて、吃音×登園しぶりのある子どもとの親子関係や吃音も悪化させてしまいます。
子どもに対して、一人の人間として尊重する気持ちを持って関わることで「自分は大切にされるべき存在なんだ」「自分は守られるべき存在なんだ」と自己肯定感が育ちます。
「○○しなさい」という指示出しはもうやめて、子どもにストレスをかけずに指示を出して行動をスムーズにしましょう!
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)