吃音の話しを子どもとできない…そんなママへ届けたい私の実体験

吃音
子どもと吃音の話ができないと悩んでいるママへ。無理に話させなくても大丈夫。大切なのは、子どもが「自然に話したくなる」関係づくり。悩んだ吃音当事者の私だからこそ伝えたい、実体験を踏まえて向き合い方をお伝えします。

吃音のある子どもと“話せる関係”より大事なゴールとは

私の子どもには吃音があり2歳10ヶ月の時に発症しました。

 

 

それから小学生に入り今も吃音はありますが、悪化することなく、やりたいことがいっぱいの小学生生活を送ることができています。

 

 

今、インターネットには様々な吃音に関する情報が溢れていますが、その中で「吃音を話せる親子が良い!」というような発信を多く見かけます。

 

 

吃音当事者の私も、確かにそのことには賛成なのですが、少し注意が必要です。

 

 

なぜならば話すことを目的にするのではなくて、「なんでも言い合える親子の関係」ここをゴールにしてほしい、こちらの方が何倍も大切だからです。

 

 

今回はこのことを実体験を交えて、お話しします。

 

 

 

 

「吃音について話そう」に追い詰められた私

結論から言うと、吃音のある子どもと、吃音の話はしなくても大丈夫!ということです。

 

 

特に吃音当事者の方は、自分の経験からフラッシュバックし、吃音のワードにストップがかかることはありませんか?実際に私がそうでした。

 

 

吃音のことをオープンにしてくれた環境で育った訳ではなかったので、誰に教えてもらうでもなく「吃音のことは話していけない」という価値観が生まれてしまっているのです。

 

 

 

 

吃音の悩みは奥深いです。なぜ私がそのように感じるようになったかは今やもう分かりませんが、娘と話さなければなんて言われてしまうと、手に汗握り、なんて言おう、なんて言おうと私がどんどん不安になってくるのです。

 

 

娘は吃音のことを自分から話してきたことはありません。したがって、私は当時「吃音の話をしなければ!!」という思いに取り憑かれ、頭の中でずっとシミュレーションしていました。

 

 

一度言えた!と思っても何度も軽く聞かなければならない。演技をして軽く聞いたふりをしても会話が続かない。

 

 

疲労感が溜まり、娘から吃音に関する情報はあまり得ることができないまま終了してしまうことが多くありました。

 

 

吃音の話だけではなく「何でも話せる子どもとの関係」を育てよう

そんな中、小学校入学前に少しでも吃音を良くしたい!と思い発達科学コミュニケーションの門を叩きました。

 

 

そこでは、親子のコミュニケーションをスムーズにするテクニックを学ぶことができました。

 

 

私は、「これだ!!」と思いました。

 

 

いくら吃音の話を子どもとしましょうと言っても、それには親子でなんでも言い合える関係性になっていなければ、本心を聞くことはできません。

 

 

かえって、「また吃音の話?」と子どもに嫌がられてしまう可能性さえあります。私は吃音の話をする関係性ではなく、親子でなんでも言い合える関係性を目指しました。

 

 

 

 

「子どもが話したくなる」ママになるために、私が変えたこと

そのための第一歩は、「子どもに興味関心を示す」でした。

 

 

私は子どものためとはいえ、結局はいつも自分のことしか考えていなかったことに気づきました。

 

 

娘は弱音を吐かない子でした。それを私は
「そういう子」
「言いたければ言ってくる」という氷のような価値観を持った人間でしたが、まず私の心がオープンになっていないと子どもも言いたくても言えないですよね。

 

 

弱音を吐かない子ではなく、言わせない環境であったと今なら言えます。

 

 

それに気づいた私は、娘が弱音をぽろっと言った時があればすかさず「ママに話してくれてありがとう」感謝を伝えるようにしました。

 

 

 

 

次第に娘はくだらない話を積極的にするようになってきました。

 

 

過去を振り返りながら話そうとすると、脳に負荷がかかり吃音が出やすくなるため、何を言っているのか正直わからない時もありましたが、話を広げ、「あなたの話に興味関心があるよ」と精一杯伝えようと努力しました。

 

 

子どもと築いた“なんでも言える関係”がくれた3つの変化

なんでも言い合える関係性を強化した結果、嬉しい効果3つありました!

 

 

嫌なことをたくさん言ってくれるようになりました。

吐き出せるから、頑張れる。そんな環境が我が家には存在しています。

 

 

行動力が大きく向上!

あれしたいこれしたい!が止まりません。その気持ちが嬉しくて、遠慮しないで言ってくれることに「ありがとう」と伝えています。

 

 

真面目キャラ消滅!

学校の授業参観に行くと、真面目キャラの娘はもうそこにはいなく、お友達とふざけ合っている姿がありました。

 

 

私はとても安心しました。

 

 

身に危険が及ぶ場面や倫理・法律に違反している場合を除き、
「こうあるべき」
「こうしなければ」という真面目な姿勢は吃音のある子に不要です。

 

 

「まぁいいや」くらいがちょうど良いのです。

 

 

 

 

いかがでしたか?小学校の学年が上がってくると、自分の知らない子どもの姿を垣間見ることが増えていきます。

 

 

なんでも言ってくれる時期はもしかしたらタイムリミットが近づいているかもしれません。

 

 

私はこれからも、吃音の話をすることをゴールにしないで、なんでも言い合える関係性を強化していきます!

 

 

執筆者:いわもとあさな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

 

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