2歳の吃音のある子にだけ手厚く対応しているママはいませんか?吃音のある子にきょうだいがいる場合は、この対応法では上手くいかず吃音をぶり返してしまいます。なぜきょうだいへの対応が吃音に影響するのかお伝えします。
家族全員が笑顔で過ごせる環境づくりをする
吃音を良くするには、吃音のある子の身を置く環境が安心・安全でストレスのない環境であることがとても重要です。
なぜかというと、吃音のある子は繊細さを持ち合わせていることが多く、他のきょうだいがママから怒られていたら、たとえ自分が怒られていなくても、自分が怒られた気分になってしまうからです。

そうなると吃音のある子にもストレスがかかってしまうため、吃音をぶり返してしまうのです。
では、どうしたらいいのかというと、他のきょうだいにも吃音のある子と同じ対応をしたらいいのです。
もっと言えば、一緒に暮らす家族全員に吃音のある子と同じ対応をしたらぶり返しを予防することができます。
吃音を良くするにはきょうだいにも同じ対応をする
吃音のある子にばかり手厚い対応をしていると、他のきょうだいは「ママは○○だけ特別扱いしている」「自分には厳しい」と自分と吃音のある子の対応を比べるようになります。
さらに他のきょうだいへの肯定的な注目が減ると「ママは僕(私)のこと好きじゃないんだ」と思うようになり、褒めてくれないんだったらと、好ましくない行動でママの注目を引こうとします。
そうなると、ママの否定的な注目が増え、ママのイライラが家庭内に広がっていき、吃音をぶり返したり、子どもたちが癇癪を起こしやすくなるなど、悪循環を辿ることになります。

このような家庭環境では良くなる吃音も良くなりません。
吃音はなるべく出ないように落ち着かせた方が早く良くなります。
吃音のある子にしている対応を、他のきょうだいにもしていきましょう。
2歳の吃音のある娘にだけ手厚く対応していた過去
当時、吃音のことしか見えていなかった私は、娘の吃音が早く止まればいい、としか考えておらず、とにかく吃音のある娘ばかりに、ただただ手厚く対応していました。
この時はまだ、後からしわ寄せが来ることを知らなかったのです。
笑顔を見せる、スキンシップを心がける、声のトーン、話すスピード、間の取り方、生活音に気を付ける、肯定する、否定しない、などなど。
慣れてしまえば大したことはないのですが、あの当時、吃音に良い対応に慣れない中で毎日いろんなことを意識しながらでの対応は、自然と吃音のある娘だけに手厚くなっていました。
吃音を良くするために、これだけ懸命に徹底してきたので、対応した翌日から効果を実感しました。
だんだんどもる回数が減っていき、2週間後には吃音が全く出なくなったのです。

しかし、他のきょうだいへの対応がすっかり手薄になっていたことから、のちに他のきょうだいが攻撃的になり、ママー!と呼ばれる回数が増え、できることでも自分でやらず「ママがやって!」と激しい命令口調でしつこく言ってくるようになり、他のきょうだいが「荒れる」という事態が発生したのです。
その時に娘の吃音のぶり返しを経験しました。
家族全員が笑顔で過ごせる環境を作りだす方法3選
冒頭でもお話しましたが、吃音のある子を取り巻く環境が安心・安全でストレスのない環境だと吃音は良くなります。
つまり、家庭を例にあげると、家族全員が笑顔で過ごせる環境を作ることが吃音を治すための近道なのです。

では、どうやったらいいのでしょうか?
◆吃音のある子のきょうだいにも同じ対応をする
常に笑顔を見せる、スキンシップを心がける、声のトーン、話すスピード、間の取り方、生活音に気を付ける、肯定する、否定しないことを吃音のある子に心掛けているのなら、他のきょうだいにもこれらのことを全部心がけて対応します。
子どもはママのことをよ〜く見ていて、いろんなことを感じ取っています。
また、ママー!と呼ばれる回数が多いのは「ママが足りていない」証拠です。
この状態が続くと、脳の発達には欠かせないと言われている愛着形成のところでつまづいてしまうことになります。
ママー!と呼ばれたら、100%の笑顔で「な〜に?^^」と返事してあげましょう。

一度丁寧に対応するだけで、それ以降はママー!と呼ばれすぎることはなくなりますよ。
◆パパのことも肯定する
パパにもぜひ肯定の声かけをしていきましょう。
ママが常にパパを肯定していれば、ちょっとやそっとのことではパパもイライラしにくくなってポジティブな空気感を作っていくことができるのです。
その空気感を作ることこそが吃音を良くする環境を作ることになります。
◆ママ自身も自分を褒める
ママのことを褒めてくれる人はあまりいないですよね。
そんな時はママが自分で自分を褒めることでポジティブな感情が生まれ、行動しやすくなり、家族を褒める余裕ができます。

どんな些細なことでも常に自分を褒めてあげてくださいね。
いかがでしたか?
吃音を良くするには吃音のある子だけに対応していては不十分です。
吃音のある子を取り巻く環境、つまり家庭ならば他のきょうだい、パパなど家族全員に対応するからぶり返しを予防できて、吃音が良くなるのです。
ぜひ、自分自身を含めて家族全員に肯定の声かけをしていきましょう。
執筆者:はせがわかすみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)