吃音を良くしたくて学んだ発コミュだが待ち受ける試練
私は小学2年生の吃音のある女の子、年長の女の子、2才の男の子の3人のママです。
長女が当時5才だった頃、もうすぐ小学校入学という時期になっても吃音を治すことができない状況に焦りを感じていました。私が吃音当事者ということもあるので人一倍娘の吃音を良くしたい気持ちが強かったのです。
ところが赤ちゃんのお世話もあり慣れない3人育児、ストレスが溜まりうまくいかない日々が続き私の日常のイライラも多くなっていました。
その頃に発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)を知り、吃音も育児も良くしたいと思い講座を学び始めました。
子どもはママが大好き!なので最初の2週間はまず笑顔を気をつけることからスタートしました。私が変わればきっと吃音が良くなるはず!ところが、そう簡単にはいきませんでした。
子どもの吃音を治す前に大事なことは私が変わること
以前の私はとにかくイライラしやすく、特に家族に対して不機嫌なオーラを出すことが非常に多かったです。発コミュの2週間チャレンジの笑顔!と思っても子ども相手にはなかなか出来ません。
子どもたちが麦茶をこぼしてしまったり、失敗してしまった時はついため息をついたり、不機嫌な態度や声色、怒る、怖い顔をしていました。家族内の士気を下げ、娘の吃音も良くなるはずはありません。
子どもたちの行動力や発言も少なくなり元気がない状態だったなぁと、振り返ると感じます。そんな私を間近で見ている長女が、2週間チャレンジ中私にそっくりな口調や態度をし始めた時にハッとしました。
吃音を治す前に、まずは私が変わらなければいけないのではないか。吃音が今治ったとしても、私のようにイライラした態度を園や学校であらわにし、周囲の気持ちを下げるような態度ばかりだと、学校のお友達は近寄らないだろうし、それって吃音が治っても全くいいことではない。
吃音を治す前にまずは私が本気で変わらなければいけない!と自分を奮い立たせました!
吃音が良くならない原因は「ママが発する言葉」
なぜこんなに私はイライラし、家族の士気を下げていたのでしょうか。
原因は、うまくストレスを発散出来ていなかったこと、そしてネガティブな言葉の威力を知らずに、そもそも自分がネガティブな発言していると思っていなかったことにあります。
子どもたちのことは褒めていたんです。ところが否定的な発言は肯定的な発言よりも威力が大きいのです。なので日頃の褒めが相殺、むしろマイナスになってしまっていました。
そのことに気づけず、なぜ褒めているのにうまくいかないんだ!吃音が良くならないんだ!と、焦りからストレスが溜まってしまいました。
ここで気づけたので、私が変わることができればみんな良くなるはず!ネガティブ発言で士気が下がるのであれば、逆をすればいいんだ。と気持ちを立て直しました。
言葉の力にフォーカス!吃音っ子ママが心がけたことは2つ
私はまず言葉の力にフォーカスしました。そして言葉にはエネルギーがあることに気づきました。娘の吃音を治すため、私が笑顔でいられるために私が心がけたことは2つです。
1つ目は、私から発する言葉を良いものにしていくこと
2つ目は、起こる出来事をポジティブにとらえる練習をした
私から発する言葉を良いものにしていくこと
前向きな発言を意識しました。言うなれば耳から入る育児ですね。
私の言葉の悪さが耳から入り娘の口調が私そっくりになってきたということは、逆に私の言葉が優しく心地の良いものであればそのようになるのではないかと思い早速実践しましたが、そのためには2つ目の起こる出来事をポジティブにとらえる練習をすることが不可欠でした。
起こる出来事をポジティブにとらえる練習をした
コップに半分ジュースが入っていたとして、それを半分しかないと思うか、それとも半分もあると捉えるかでだいぶ変わることに気づいたのです。
例えば、10枚あった宿題を子どもが頑張り「宿題がまだ3枚もある」と言えば、「もう7枚も終わったの!?」と子どもが終えることができた事実を伝えました。
肉野菜炒めの野菜が食べられず「ご馳走様」と子どもが言った時「お肉全部食べたね!ご馳走様って言ってくれてママ嬉しい!」と、できた事実に注目しました。
これらから、私も意識してポジティブな発言をすることにより心が気持ち良いこと、そして士気が上がり子どもたちが元気になっていることに気づきました。
言葉のパワーによる吃音っ子とママの嬉しい3つの変化
これらを気をつけて子どもたちに実践したところ、3つの変化を感じることができました。
1つ目 子どもたちが甘えてくるようになった
2つ目 学校や園の行き渋りがなくなった
3つ目 吃音の波が来て悪化しても動じなくなった
お野菜が苦手で家では食べられない次女が、野菜を食べられなくてもできていることにフォーカスし、できている事実を伝え続けた結果、次女は料理に目覚め、YouTubeより私のお手伝いをするようになりました!
吃音を治すことにフォーカスすると、どもった時に「またどもってる・・・」と、がっかり感が出てしまいがちですが、どんな子もどもっている時よりスラスラ話している時の方が圧倒的に多いことも事実なんです。
吃音は目立つのでどうしてもどもった方に注目してしまいがちですがそうではなく、まずはママから変わりましょう!子どもの今できていることに少しでも注目することができれば、少しずつ自信をつけさせることができます。
どんなに小さなことでも、積み重なれば大きな大きな土台となり、しっかりした自信が育ち、ちょっとやそっとのことでは揺らがない地盤となります。
この自信があれば、なんでも挑戦したくなる気持ちが湧いてきて、吃音があってもなんでも挑戦したくなる子に育つんです!
吃音はすぐに良くなり治るわけではありませんが、このように日々の小さな出来事を積み重ね、行動力を増やし、脳を活性化させ「吃音なんか忘れていた」と思わせるほど楽しい毎日を、ママのポジティブな声かけで送ってみてください!
耳から入る育児を意識して、ぜひ子どものできた!を言語化して伝えてあげて、ポジティブな言葉をシャワーのように聞かせてあげてくださいね!
執筆者:いわもとあさな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)