発達障害の子が楽しいコミュニケーションで偏食を乗り切れる!大人もラクラクな対応術

発達障害でこだわりの強い子の偏食。悩んでしまうお母さんもいるかもしれません。なんとか直そうとして味付けや見た目を変えて、必死になっていませんか?味を変えるより楽しいコミュニケーションを取り入れる。そんな大人もラクラクな対応術をお伝えします。
 

1.発達障害の子のこだわり、ママも悩む「偏食」問題

発達障害の子はこだわりが強いことが多いですよね。

こだわりは決して悪い面だけではありません。

こだわりを生かして、博士みたいにぐんぐん力を伸ばしていく面もあるでしょう。

しかし、毎日の何気ない場面でのこだわりは、正直言って対応するお母さんも一苦労ということが多いのではないでしょうか。

その一つが「偏食」

おうちだけでなく、幼稚園以降は給食など家庭の外でも関わってくることなので、なおさら気になることと思います。

わが子も食べられないものが多い子でした。

2歳のころは白いものしか食べない期間が半年以上続きました。

やっと白以外のものを少しずつ食べられるようになったものの、幼稚園入園前になっても相変わらず偏食は続きます。

私は娘が食べない理由もよくわからないことが多かったのです。

なぜなら「いつもこれは食べない」ではなく、ごくたまにいつも嫌うメニューを喜んで食べることもあったからです。

私がなかなか子どもの苦手とするものが見抜けなかったのには「偏食に対する思い込み」があったからです。

どんな思い込みだったのでしょうか。

2.苦手は意外なところにあり!発達特性からくる偏食

幼稚園入園前のころだと、言葉でのコミュニケーションもなかなかうまくいかず、ママたちは余計に子どものことがわからない、ということもありますよね。

偏食になるのは、味・色・においくらいかな、と新米ママの私は思っていました。

その私の勝手な思い込みで、娘の苦手さに気づけなかったのです。

いつも食べないのに、時々食べたがる。その理由に気付いたのは、コロッケを出したときでした。

ある日、お総菜売り場でコロッケを買ったのですが、少し冷めてしまい温めました。

いつもたいていトースターで温めていたのですが、その日は時間もなく「ま~いいか」とレンジで数秒温めたのです。

するとそのコロッケを見て、食べ始めました。

「おいしかった!もっと食べたい」と。

私はさっぱり意味が分かりませんでした。

「コロッケ好き?」と聞くと「今日の好き!」というのです。

さらに好きなコロッケと嫌いなコロッケの違いを聞くと、好きなコロッケ=「グッタリ」嫌いなコロッケ=「シャキーン」と言うのです。

こういうことでした。実は娘は揚げ物の衣が苦手だったのです。

これも発達障害の特性の表れでした。

揚げたてでサクサクした衣は、口の中でつき刺さるような痛みを感じるとのこと。

これが娘の言う「シャキーンとしたコロッケ」です。

一方、冷めたコロッケや、レンジで温めたコロッケは、衣がしんなりするため、口の中で痛みを感じにくいとのこと。

これが娘の好きな「グッタリしたコロッケ」だったのです。

発達障害の子は、本人にしかわからない感覚の過敏さ(感覚過敏)があったりします。

それが偏食にも表れていたのです。

苦手の原因がわかったので、家でもずいぶん対応しやすくなりました。

そしてそんな私を見て、娘自身も給食では工夫していたようで、これまで揚げ物を難なく食べてきました。

衣をはがして食べたり、裏返して放置しておくことで少しでもしんなりさせたり。

発達障害の子の偏食といっても、いろいろな苦手さがあります

味・触感・温度・見た目・場所など本当にさまざまです。

3. 食事に大事なのは味付けよりコミュニケーション。大人の価値観を変えましょう!

発達の特性について何も知らなかった私。

「発達障害」という言葉も「感覚の過敏さ」ということも全く無知でした。

そんな私は「偏食」=わがまま、と思いこんでいたのです。

そこまででなくても、嫌いなものを残そうとすると「食べなさい」「これを食べないと大きくなれないよ」など、なんとか食べさせようとする大人は結構多いと思います。

栄養が偏りそうだから、何とかしなくては。偏食が直らないと、給食の時に叱られるだろうから、直しておかなくては。

社会人になって会食で好き嫌いばかりしていたら、人間関係にも影響しそうだから。

そんな理由を勝手につけ、子どもにあの手この手で食べさせようとしていたのです。

でも食事で本当に大事なのは、ただ栄養を摂るだけでも、食べられない人を排除することでもないはずです。

苦手があっても楽しく場にいられること。

それが発達障害の子の自己肯定感を下げないためにも大切なことなのです。

今、中学生の娘が先日こんなことを言いました。

「幼稚園入る前くらいのお母さん、めちゃくちゃ怖かった」と。

10年以上も前のことなのに、覚えていたようです。

ネガティブなことがなかなか忘れられないのも、発達障害の子に見られやすい特性です。

そんな娘は、今でも苦手な食べ物はあります。

でも楽しく会話しながら食べているうちに、自然に手が伸びて食べるようになったものも増えてきました。

だからこそお子さんに無理させず、まずは食事の場が楽しいコミュニケーションの場になるようにしてほしいと思います。

執筆者:青島 明日香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

 

子どもの「こだわり」に困っていませんか?対応方法はこちらでもお伝えしています。

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