1.お母さんの勉強のやり方が正解?
お母さんにとっては、発達障害・グレーゾーンの勉強をしないお子さんを理解できなかったりイライラしてしまうこともあるかもしれません。
ですが、
「お母さんの常識は、発達凸凹キッズの非常識」
「お母さんの非常識は、発達凸凹キッズの常識」ということがあります。
我が家で実際におきた宿題トラブルを例にお話しますね。
私が学生時代の勉強スタイルはこんな感じでした。
書いて覚えることが得意。声に出して覚えることが得意。
目で見るだけでは頭に入らないので、書く、書く、書く、とにかく量をこなして…時々、声にして暗唱する。
それが私の勉強スタイルでした。
「書く」ことが主流の日本の教育スタイルとは、比較的相性がよい勉強方法でした。
このやり方で、学校のテストでも点数をとれていたのでそのやり方が「正解」だと思っていたんです。
2.大人が考える勉強の量や時間が発達凸凹に合うとは限りません
自分の勉強のやり方で、息子にも教えていました。
ところが!
息子は、書くのも、読むのもあまり得意ではありませんでした。
手先の不器用さがあって、書くということがそもそも得意じゃない。
たくさんの量を書かせようとすればするほど、イライラバロメーターはあがっていき勉強への苦手さがつのっていきました。
音読も実は苦手でした。
音読って、結構いろんなことを同時にやっているんです。
目で文字を追いながら音と結びつけて、いくつかの文字のつながりで単語として認識して、そして理解する。
理解したものを短期的に記憶にいれて、今度は自分で喋るということもする。
こんな風に、音読一つとっても脳は大忙しなのです。
息子は、たくさん情報(指示)量があると、それを一度に処理するのが苦手なので、音読をさせてもうまくできない。
記憶に残るのは「あー、大変だった」という記憶くらい。
できないことばかりやりつづけると、勉強への苦手意識は高まっていきます。
行動と感情の脳は仲良しなので「勉強=嫌なこと」とインプットしたら勉強をするたびに嫌だ、という感情もセットで出てきちゃうんです。
だから、息子はだんだん勉強から逃避するようになっていきました…。
では、どうしたら良かったのかというと、うちの息子は耳からの暗記のほうが、得意だったんです。
書くよりも耳から情報を入れる方がストレスフリー!
大人が思う「正しい」勉強方法が発達障害の特性のある子どもに合うとは限らないんです!
3.子どもの成長にこれさえ覚えておけばOKです
勉強が苦手なお子さんには、得意な方法で学習させる!でいいんです。
だから、お子さんの「得意」と「苦手」を見極められるようになってほしいな~と思います。
ただ、そうは言ってもその見極めも難しいですよね。
だから、まずシンプルに簡単にやって欲しいのが、お子さんの「できること」を見つけていくこと、なんです。
お母さんが思うような、量や時間、勉強をやってくれなくてもOKです!
1日5分しか勉強できなくてもよし!
国語はできるけど算数は苦手でもよし!
喋るのは得意だけど書くのは苦手でもよし!
いろんな得意と苦手があっていいんです。
子どもの成長に大切なのは「できていることに注目する」こと、これさえ覚えておけばOKです。
脳は得意なことならがんばって活動してくれますが、苦手なことばっかり「やれ!やれ!」と言われても
脳が成長途中なので「ムリですー」となりやすい。
この「ムリですー」ばかりを蓄積していくとお子さんは自信を失って、やる気が低下してしまったり、学習に対してネガティブな感情がつきまとって、どんどんやらなくなってしまうんです。
4.やる気を伸ばすには「きらい」よりも「できる」
もし今、お子さんが「ムリですー」状態が続いて学校に行けないとなっている場合には、これだけは一番避けたいことがあります。
それはお子さんが苦手なことを拒否しつづけて、ママの声かけが届きにくくなって、脳がしっかり働かなくなってしまうことなんです。
そうなると、ウツウツした状態になりやすかったり、イライラして攻撃性が高まってしまったりしちゃって生活のエネルギーレベルが急降下…
べんきょうもきらい!でもべんきょうをしなくちゃいけない
がっこうもきらい!きらい!きらい!
で、登校しぶりが長引きやすいんです。
しかも、学習の苦手のある発達凸凹キッズの多くは、学習以外の苦手も併せ持っている。
それも含めて、トータルで学校生活の不安を軽くすることからやりたいんです!
勉強だろうが、スポーツだろうが、芸術だろうが、料理や洗濯だろうが、毎日の身支度だろうが、子どもが「できる!」と自分を信じてやれることが大切です。
この先、チャレンジを続けていく力をつけてあげることが、発達科学コミュニケーション(発コミュ)の目指す子どもたちの伸ばし方です。
だから、私が息子と二人三脚でたどりついたのが勉強の量や時間を減らして成績を伸ばす方法、です。
勉強の量を減らすのって怖いですよね。
ただでさえ勉強しないのに、さらに今より勉強量が減るなんて許せない!という方もいるかも知れません。
ですが、脳が育つ仕組みさえわかっていればできるんですね。
お母さんがガンバリすぎず、イライラしすぎず、お子さんもストレスが軽くなるのに「宿題をやってみよう!」と子どもが思ってくれれば、お子さんの自信が育つこと間違いありません。
自信が育ってきた子は、チャレンジするチカラが伸びてきます。
苦手な教科にトライさせるのは、その後からでいいんです。
発達凸凹の子たちの学校や勉強への抵抗感を少しでも軽くする、その選択肢の1つが学習のスタイルを変えるということです。
勉強嫌いの発達凸凹キッズのやる気が育つ方法に変えてみませんか?
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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