発達障害の子どもが「塾・習い事をちゃんとやらない!」のイライラを子どもの成長のきっかけに変える方法

発達障害の子の塾や習い事「ちゃんとやらなくてイライラする!」親子ゲンカがヒートアップしていませんか?このままでは成果が出ないばかりか子どもが行動しなくなる原因にもなります。お子さんがチカラを発揮できるようサポートできるママになりましょう!

1.息子の発達の特性を知ったから塾をやめる決断ができた

発達障害の特性のある子どもは、不器用だったり集中できなかったり、良かれと思って塾や習い事に通わせても全然成果が出ないなんてことがあります。

高い月謝を払って通わせても一生懸命やらない我が子を見ると、ママのイライラもヒートアップしやすいですよね。

塾や習い事にたくさん通わせても変わらなかった息子の話はこちらの記事をお読みください↓
200万で変わらなかった息子が発コミュで大変身!発達凸凹子育てのお金のはなし

実は私は、息子の塾をやめさせることにとても抵抗がありました。

その1つには「みんなやっているから」という想いがありました。

みんなと「同じ」にしてあげることが私のこだわりでもあったのだと今振り返ると思います。

ただでさえ「周りのお友達と同じ」にできないことが多い息子が、お友達よりももっと遅れてしまうことが怖かったんです。

我が家の息子は、塾に通わせても成績がのびることはありませんでした。

なんせ、遅刻常習犯、宿題はやらない、授業中もふざけていて勉強しない…こんな状態ですから。

だけど、ただでさえ勉強しない子からこの「塾の時間」をなくしたらもっと勉強しなくなる!

これ以上勉強時間を減らすなんて…絶対にムリ!と思っていたんです。

ところが、息子の発達の特性のことを知り、息子のことを少しずつ観察するようになったある日。

塾の先生がこう言ったんです。

「授業の様子を見てると、清水畑くんは、授業がはじまってだいたい10分で集中力が切れます」と。

息子は、不注意タイプの注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性が強めに出ていたので

興味のないことには集中できない…ワーキングメモリも低い…グループでやる塾の授業スタイルは実は合っていなかったんです。

息子のペースでゆっくりやったらもう少し取り組めたのかもしれませんが、グループのペースで授業が進むのでついていけずに、途中で先生の話を見失い…ボーッとなっていたはずです。

「集中力が10分」ということは、1コマ45分の塾の授業のうち35分はボーッとしているということ!!

「このやり方、息子には合ってないんじゃないの?」と気づいてしまったのです!!

世の中の、勉強の常識は
「たくさんやったほうがいい」
「苦手を克服したほうがいい」
かもしれません。

私もそのスタイルで勉強してきました。

ですが、この「鉄の掟」は凸凹キッズには通用しません!

それは、脳が成長するには順番があるから

長い時間集中できない子には、短い時間で何度も集中する体験を積ませてあげないと集中に必要な脳は育っていきません。

私は、息子の発達の特性がわかってはじめて塾を辞める決断ができました。

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2.習い事でやっていた私のNG対応

次に、習いごとで私がやっていたNG対応についてご紹介します。

勉強が苦手だった息子の才能開拓の意味もあり私は息子にあれこれと習い事をさせていました。

たとえば、サッカー

周りのお友達もやっていたのでなんとなく…で始めました。

しかし、親の私がヤキモキする出来事ばかりでした。

・サッカーがなかなか上達しない
・ベンチにいるときに応援しない(砂遊びに没頭)
・チームメイトとよく揉める
・自主練をしない
・練習をサボる…などなど。

発達の特性がわかった今では「なぜサッカーをやらせたのか…」と思います。

それくらい息子の特性にはマッチしない習い事の1つなのです。

たとえば、複数の体の動きを同時にやるのが苦手、ということ。

サッカーは、走る、ボールをコントロールする、周囲をみて状況判断する、などを脳の中で瞬時に処理するスポーツです。

うちの息子は、複数のことを同時に処理するのが苦手だったのです。

だからなかなか上達しにくかったのです。

運動がまったくできないかというとそんなことはありません。

道具を使ったり複雑な動きをするよりも、シンプルに走る、シンプルにジャンプする、という才能は長けていました。

サッカーがなかなか上達しなくて陸上が合っていた理由は、のちのち発達の特性を私が理解できるようになってから「なるほど!」と思えるようになりました。

息子の習い事については一事が万事、こんな調子でした。

工作教室もしかり。

息子には、発達の特性として手先の不器用さがあります。

不器用さをもっと分解して脳のしくみで考えると

・モノの形や情報の捉え方に苦手さ、偏りがある
・インプットした情報を整理することが苦手
・アウトプットとして見たモノを手を動かしてつくることが苦手

こんないろんな理由が考えられるのですが…

とにかく、作品のしあがりのクオリティーに難がありました。

美術や工作が得意だった私は「もっとちゃんとやってくれたらいいのに」と不満をずっと感じていました。

ピアノ教室もしかり。

これは主人の祖母が音大の先生だったので、もしや息子にも才能があったりして!?

というヨコシマな私の想いもあって始めました。

ところが、ピアノも一度にいろんな情報を処理しなければいけません。

譜面をよむ、それを理解する、指を動かす、ちゃんと弾けたか耳で確認する…

短い時間にいろいろやってるんです。

ワーキングメモリの低い息子にはとっても大変な、習い事だったはずです。

3.塾や習い事で親子ゲンカは子どもの成長にマイナスです!

凸凹キッズは、何かトライさせても必ずすべてが上手くできるとは限りません。

ちゃんとやってくれないお子さんと習い事をめぐって親子ゲンカが勃発しているのであれば、それはお子さんの脳の成長にマイナスになりますので、今日からちょっと視点を変えてみましょう。

テストでいい点を取る、スポーツでレギュラーを取る、いい作品をつくる、こんなことばかりを求めると発達障害の特性のある子たちは、息切れをしてしまいます。

それまでは苦手がありながらも、なんとか頑張ってきたけど学年も上がって周りのお友達の成長も加速する中で

「もしかしたら”ちゃんと”できないかも」
「ママが求める通りにはできないかもしれない」

と思いはじめると、不安の強い子は「できない自分」が怖くなってしまい最初から「やらない」という選択をしてしまうのです。

今までやっていたことを最近やらなくなる…。

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4.発達障害の特性がある子の塾・習い事選び、大切なポイントはコレ!

発達障害の特性がある子の塾と習い事。まず大切なのは、子どもの発達の特性について私たち大人が理解することです。

その子が苦手なことを合わないスタイルでやらせ続けても効果は出ません。

うまくできないのは、発達の特性が影響しているかもしれない…だったらどうする?を考えてみて欲しいです。

お子さんに合った習い事に変えてあげるのもよし。上手にできていなくてもお子さんが楽しみながらできているのであればよし。

習い事をさせる時、大切なのは「ちゃんとできることを求めすぎない!」ということ。

習い事は上手にやる必要はありません。

上手でも、ちょっと不器用でも、子どもが楽しくやれているならそれはOKです!

ですが、私たち大人はどうしても「投資」に対しての「リターン」を求めてしまいます。

私の場合は、「習わせてあげてるんだから」「お金を払ってあげてるんだから」ちゃんとやって欲しい…と息子に「ちゃんと」を求め厳しく接していました

ちゃんとできないことを先生に叱られたり、ママに注意されたりするのは子ども本人が自信を失うきっかけにもなります

だから「ちゃんと」よりも子どもの「楽しい」「やりたい」の芽を育ててあげたい、私はそう想います。

大切なのは、我が子のことを理解しながらお子さんがチカラを発揮できるようサポートできるママになることです。

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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