1.知っていますか?中学校に入学後に立ちはだかる大きな壁
変化に弱い凸凹キッズが新しい環境でがんばれる子になる準備できていますか?
特にこの4月に中学校の入学を控えるお母さん
「環境が変わればちゃんとやるかもしれない!」
の考え方は手放しましょう。
私は、息子の中学進学のとき「中学生になったらまあ、ちゃんとやるだろう」そんな淡い期待をしていました。
そして実際、進学後に大慌てすることになったのです。
その理由を一言でまとめると中学校生活は発達凸凹キッズには優しくないからなのです。
◆理由1:中学校は、勉強も生活態度も全て「成績」として見られる
・忘れ物をしやすい
・授業に集中しない
・テストで点数が取れない
・係や委員会活動に積極的に取り組めるか
・協調性はあるか
・思いやりはあるか
もういろんなことが「評価」される仕組みになっているんです。
だから、あちこちに苦手がある発達凸凹キッズはなかなか評価されません。
◆理由2:グレーゾーンの子は見過ごされやすい
例えば、不注意傾向のあるADHDタイプのお子さんの場合は、授業全体の進行をジャマすることは、ほとんどありません。
どちらかといえば「聞いていない」「わからない」「板書が追いつかない」などの困りごとが多いけれど、席について授業に参加している(ふうに見える)ので放置されやすいのです。
またASDタイプのお子さんの場合は、勉強はそこそこできる。だけど、実は集団の中で授業を受けることにストレスを感じている子も多い。
友達関係の苦手さを感じている子も多い。なのに、成績がいいので本人が感じている辛さはスルーされてしまいがち。
◆理由3:個別の配慮がされにくい
中学になると教科担当制になるので、担任の先生に相談をしても全教科の先生に配慮をお願いするのが難しい環境になります。
このように、「小学校のころは先生にサポートしてもらえていたことが、中学校に入学すると環境がガラッと変わり、自主性が求められる」これが、中学の壁とか中1ギャップといわれるものです。
2.中学校の厳しい現実に親子で打ちのめされる
我が家の息子は、小学校を通常級で過ごし担任の先生の温かいサポートと、小さい頃からいつも一緒だったお友達に囲まれて、楽しい思い出に包まれて小学校を卒業していきました。
だから、中学校もなんの迷いもなく通常級で入学しました。
ところが中学は厳しかった!
小学校のころ、担任の先生との連携によってなんとか乗り越えて来たという環境がなくなってしまいました。
全教科の先生に、発達の特性を理解して対応してもらうことは難しく、成績表は目を覆いたくなるような数字が並んでいました。
そこで「このままではいけない!」と思い支援を学校に相談するも…
なかなか取り合ってもらえませんでした。
それはなぜなら…授業の進行に悪影響がないから。
ただ忘れ物が多く、成績が悪いだけだったので、授業中歩き回るわけでもなく、先生の授業進行を妨害するわけでもないので、先生からスルーされてしまっていました。
そんな息子は毎日楽しく学校に行ってはいましたが、忘れ物や時間厳守や提出物を出さないこと、そしてテストの点数…と評価が低いことばかりで人知れず自信を失っていたことは間違いありません。
私は息子の対応について
「各教科の先生にこんな対応をお願いできませんか」と相談しましたが、
「無理です」とズバッと断られた経験もあります。
先生方は教育のプロですが、発達のプロではありません。
グレーゾーンの子たちの接し方なんて全然知らないし、忙しい毎日の授業のなかで個別の配慮にまで気も手も回らないという現実もあると思います。
大きな環境の変化を迎える中学校への入学。発達凸凹キッズにとっては決して甘くない!のです。
今までの小学校生活でも、苦手なことがあったり、自信を失うことが多かったのに、そこにさらに、「中学生だから」のプレッシャーがかかるのですから…
中学校になって、不登校の子が一気に増えるのもうなずけますね。
3.楽しい中学校生活のためにお母さんがやってあげられること
では、中学校生活で子どもをつまづかせないママが一体なにをやっているのか?
それは「聞くチカラ」をのばすということです。
お子さんの「聞くチカラ」はスクスク育っていますか?
「聞くチカラ」が育っているかどうかの1つの目安は、お母さんの声かけで素直に行動できるかどうかでわかります。
これができていればまずはひと安心。
ですが…
「何回言っても動かない」
「話しかけると反抗してくる」
「最後にはケンカになる」
こんな状態ならば急いでそれを変えて欲しい!
なぜかというと、それはお子さんの自己肯定感が下がっているサインだからです。
聞くチカラは「俺って(私って) けっこうイケてるじゃん!」と自分を信じることができて初めて育ってきます。
そうなると、子どもたちのスクールライフはこんな風に変わります。
先生に「こうやってみたらいいんじゃない?」と言われて、「そういうやり方もあるのか」と受け止められるようになる。
友達に、自分とは違う意見をいわれたけど「そういう考え方もあるよね」と思えるようになる。
本当はあまり得意じゃない行事でも、仲間が誘ってくれたから「じゃあ、やってみようかな」とチャレンジできるようになる。
この方が、断然、学校生活が楽しくなりそうだと思いませんか。
中学になるまでに、
・もっと勉強をさせておきたい!
・ルールを守れる子にしておきたい!
・時間を守れるようにしたい!
いろんな「焦り」があると思います。
ですが、大切なのは脳が情報を受け取りやすい順、脳が育ちやすい順で、やっていくこと。
私も、発コミュに出会う前はイチに勉強、二に勉強、サンシがなくてゴに勉強。
というくらいしつこく言い続けましたが…なにも変わりませんでした。
そこで、息子の自信を毎日せっせと育ててあげたら、中1で1日10分しか勉強しなかった子が、中学3年の時には1日4−5時間(受験前)勉強する子に大変身しました!
授業を全然聞かなかった子が、ノートをとって先生に出すようになりました!
友達に嫌なことを言われると、すぐカッとなって手を出していた子が我慢することができるようになりました!
中学進学を目前に控えて不安に感じるなら、お子さんの「聞くチカラ」を伸ばすために、自信をお子さんに授けてあげましょう!
そのためにできることは、お子さんのやっていないことを指摘するコミュニケーションを捨てて、当たり前のことや、やろうとしたことに注目して、認め、肯定していくことです!
「聞くチカラ」を伸ばす関わり合いにぜひシフトして、たくさんの壁や中1ギャップを乗り越える自信を手渡す準備をしましょう!
執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
お子さんの聞くチカラは毎日のコミュニケーションから育まれます↓↓↓