「早くして!」朝の支度が遅いASDの息子に焦っていた私
「もう時間だよ!」 「早く準備して!」 「間に合わなくなるよ!」 出かける時間が近づいているのに、なかなか支度を始めない子どもに、焦りからイライラ…爆発しそうな感情を必死に抑えてしまうこと、ありませんか?
自閉症スペクトラム(ASD)の息子は、出かける時間が迫っても、自分から支度を始められないことがありました。
そんな息子を見ていると、私は時計ばかりが気になっていました。

「遅刻したらどうしよう」 「絶対に時間に間に合わせなきゃ」 そう思えば思うほど、息子を早く動かそうとして、「早くして!」「遅れるよ」と何度も声をかけていたのです。
私は息子を困らせたいわけではありません。
むしろ、時間に間に合うように、余裕を持たせて支度させたい思いでした。
けれど、声をかけたからといって息子がすぐに支度を始めるわけではありません。
息子が動かない、 時計を見る 、また声をかける 、そんなことを繰り返すうちに、私自身もどんどん焦っていきました。
「どうしたら、自分から支度してくれるんだろう?」 私はずっと、「朝の支度が遅い息子をどうやって動かすか」ばかりを考えていました。
良かれと思っていたその声かけ、
実は癇癪を長引かせているかも?
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ASDの子はなぜ朝の支度が遅い?急かしても動けない理由
朝の支度が遅いと、「何度言ったら分かるの?」「もう出かける時間なのに!」と、つい急かしたくなりますよね。
けれど、ASDの子どもは「今やっていることから次の行動へ気持ちを切り替えること」や「次に行う手順を頭の中で整理すること」が苦手な傾向があります。
そこへ、 「早くして!」 「もう時間だよ!」 「間に合わなくなるよ!」 と次々に指示が入ってしまうと、子どもの脳は情報を処理しきれず、パニックになったり固まったりして余計に動けなくなってしまうのです。
私も、息子が動かないから声をかけているつもりでした。
けれど振り返ってみると、「時間に間に合わせなければ」と焦っていたのは私自身だったと気づきました。
「息子の支度が遅い。だから私が動かさなければ」と思えば思うほど、息子の脳が追いついていないのに私からの指示だけが増えていたのです。
そんな私の見方が変わるきっかけになったのが、ともこチームのスタディコンサルでした。

スタディコンサルでは、桜井ともこさんと一緒に、生徒さんの事例をなぜ、うまくいったのかを考えながら、子どもの脳や行動について学んでいきます。
そして、そこで得た新しい発見や気づきを、「わが子だったらどうだろう?」と自分の子育てに置き換えて考えていきます。
私も息子との朝を振り返ってみると、
「時間に間に合わせなきゃ」
「私が支度させなきゃ」
という、私自身のハードルの高さが見えてきました。
私はずっと「どうしたら息子を早く動かせる?」と、息子を変える方法を探していました。
けれど、ともこさんとのスタディコンサルで学んだことをわが子に置き換えたことで、
「子どもを動かす前に、まず自分のハードルを下げてみたらどうなる?」
と、見る場所を変えることができたのです。
「少しくらい遅れても大丈夫」
「今すぐ動かなくても、少し待ってみよう」
そう思えるようになると、不思議と「早くして!」という言葉が減り、息子が自分で動き出すまでの時間を待てるようになりました。
この気づきが、わが家の朝の支度を変える最初の一歩になりました。
では、私が実際にどのように自分のハードルを下げていったのか、3つのステップで紹介します。

ママのハードルを下げる3つのステップ
ASDの子どもが「自分で考えて動く」ためには、ママの焦りをゆるめ、子どもが言葉を受け取れる環境を作ることが大切です。
私が実際に試して効果を感じた「ママのハードルを下げる関わり方」を3つのステップで解説します。
ステップ1:「〜しなきゃ」のハードルを下げる
まずは、ママ自身の頭の中にある「絶対に時間に間に合わせなきゃ」という高いハードルをその場で一度下げてみます。
「時間通りに絶対出なきゃ」 ➔ 「少しくらい遅れても大丈夫」 「今すぐ支度させなきゃ」 ➔ 「まず少し待ってみよう」 これは「時間を守らなくていい」と諦めるわけではありません。
自分に「遅れてもなんとかなる」と言い聞かせることで、ママ自身の胸の焦りや緊張感をゆるめるための準備です。
ステップ2:「言葉の連打」をやめて余白を作る
ママの焦りがゆるむと、「早くして!」「もう時間だよ!」といった矢継ぎ早の指示(言葉の連打)が自然と減っていきます。
ASDの子どもは指示が重なると脳の処理容量がいっぱいになります。
ママからの連続的な指示をストップすることで、子どもの頭の中に「次に何をすべきか自分で考えるための時間(余白)」が生まれます。
ステップ3:プレッシャーを減らして子どもの「自分で動く力」を引き出す
ASDの子どもは、周囲の焦りや圧迫感を敏感に察知します。
ママが焦ってプレッシャーを与えていると、子どもは「怒られているような感覚」になり、行動を起こすのが難しくなります。
ママがハードルを下げることで「焦りの空気」が和らぐと、子どもは落ち着いて自分のペースを取り戻します。
その結果、子ども自身が「あ、支度しなきゃ」と自分で判断して動き出すきっかけを作ることができるのです。
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「早くして!」をやめたらASDの息子が自分から支度できた!
病院へ出かける朝、私が「早くして!」と言わずにじっと待っていると、少し経ってから息子は自分で動き出し、支度を始めました。
そして自分のペースで準備を進め、結果的に病院の予約時間にも間に合ったのです。
その姿を見たとき、「私が動かさなくても、この子は自分で動く力を持っていたんだ」とハッとさせられました。
それまで私は、朝の支度が遅い息子を見て「私が言わなければ動かない」と思い込んでいました。
けれど実際は、 ママのハードルを下げると、
➔ママの 焦りがゆるむ
➔ 指示が減る
➔ 子どもを待てる
➔ 子どもが自分で考えて動き出す という、今までとは違う良い循環が生まれました。
もちろん、「待てば必ず子どもが動く」とは限りません。
ですが今回の経験から感じたのは、子どもを動かそうとして指示を増やす前に、まずママ自身の焦りを緩めて「余白」を作ることが、子どもへの支援になるということです。
「早くして!」を言わないように我慢するのではなく、まずママの「時間に間に合わせなければ」というハードルを一度下げてみてください。
焦りから出ていた指示がひとつ減ることでできた「小さな余白」が、子どもが自分から動き出す大きな一歩につながるかもしれません。
執筆者:峰 かよこ
(Nicotto project発達科学コミュニケーアンバサダー)


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