小学校4年生から、癇癪からの暴言が増え始めて、家族の雰囲気が最悪に
高学年になってから癇癪や暴言が増えているように感じる、ということはありませんか?
わが家の息子は小学校高学年、自閉症スペクトラム(ASD)の特性を持っています。
現在は自閉的傾向を持つ疾患は統合されてASDという診断名に統一されていますが、診断基準が変わる以前ならアスペルガー症候群と呼ばれたタイプです。
息子は幼少期こそ笑顔の絶えない無邪気な明るい子でしたが、幼稚園、小学校と集団生活を送るようになるにつれて、息子の顔から少しずつ笑顔が消えていきました。
代わりに、家庭内でだんだんと癇癪を起こすようになりました。
そして、小学校4年生になると、癇癪から大きな声でひどい暴言を吐くようになりました。
癇癪や暴言だけでは気が済まないときには、近くにあるものを手当たり次第に投げつけるように。
いわゆる「キレる」という状態です。
そんな息子の様子を見かねた夫が、息子をおさめようと怒鳴りつけると、息子も負けじと激しい暴言で反撃。
2人を止めに入る私も大声を出して、もう家の中は混乱状態に…。
そんな息子の様子に困り果てて、親子で定期的に小児発達専門医のもとへ通っていました。
医師に息子のことを相談すると、「癇癪や暴言を強化させないように気をつけて。定着してしまうから」 とのアドバイス。
その言葉どおり息子に、癇癪・暴言をひどくしないようになだめすかしたり、ときには癇癪・暴言をおさめるように強く言い聞かせたり…と自己流で対応を続けていました。
ですが、キレる息子の癇癪や暴言が良くなるきざしはなく、むしろ成長とともにどんどん悪化しているようにも見えました。
毎日キレることの繰り返しで改善も見られずに、家族の仲がどんどん険悪になっていく状況に、私はなす術もなく悲しみにくれて、ひとり泣くことしかできませんでした。
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反抗期を迎えたアスペルガー男子はなぜキレることが多くなるのか?
アスペルガー症候群には、主に2つの大きな特徴が見られます。
・対人関係や社会的コミュニケーションの困難
・特定のものや行動における反復性やこだわり
・感覚の過敏さまたは鈍麻さ
これらが幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。
知的障害やことばの遅れはないものの、コミュニケーションでうまくいかないことが多いという特徴を強く持っています。
また、失敗することを極端に恐れる傾向にあります。
ですから、
・テストでバツがつく
・ ゲームに負ける
・ 他人に誤りを指摘される
などのことに対して、
・感情が大きく崩れる
・ 自分の想定している段取りと異なるとキレる
など、感情をコントロールしたり、自分を客観視する力が弱い傾向にあります。
そのために、うまく表現できない感情を爆発させてしまいがちです。
また、小学校高学年くらいから第2次反抗期が始まり自我が強まることが暴言としてあらわれやすくなります。
このように高学年のアスペルガー男子は、特性に加えて反抗期も加わり癇癪から激しい暴言につながりやすい傾向にあります。
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アスペルガー男子がキレ始めたら、ママがする対応は1つだけ
では、どうすれば反抗期のアスペルガー男子がキレたり、激しい暴言を落ち着かせることができるのでしょうか。
子どもの癇癪や暴言を落ち着かせるためには、ママの『肯定の注目』が重要になります。
『肯定の注目』とは、
子どもの『できていること』に注目する
というママの子どもへの接し方です。
そして、子どもがキレている最中には、 ママが『子どもの言動に対してスルーすること』 が大切なポイントです。
なぜママがキレている子どもの言動をスルーするのか。
それは『好ましくない行動にはママの注目を向けないこと』 が癇癪と暴言をやわらげていく、反抗期を迎えたアスペルガー男子への唯一の方法だからです。
その代わりに、子どもの癇癪と暴言がおさまったときには、 必ず「自分で落ち着けたんだね」 とママが穏やかに子どもに伝えます。
これが『肯定の注目』です。
つまり、『肯定の注目』とは、子どもが好ましい行動をしたときにママが子どもへ、すかさず 「できたね」 と穏やかに優しく声をかけるという対応方法です。
そうすることで、 『癇癪と暴言を自分でおさめることは好ましい行動なのだ』と脳が理解していき、キレることがだんだんと減っていきます。
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アスペルガー男子の癇癪に注目しないことで親子で成長できたストーリー
私は息子の「キレる」ことへの具体的な対応方法と、なぜその対応が効果があるのかということを知ったおかげで、余裕を持って息子の暴言に対応できるようになりました。
今では、息子はときどきキレても、怒りに任せてモノを投げることがなくなり、私も息子の癇癪に自分の感情が巻き込まれることがなくなりました。
そして、息子の癇癪に注目せずに待っていると、息子はスッと短時間で落ち着くことができるようになりました。
癇癪が落ち着いた息子は、今までの癇癪なんてまるでなかったかのようなケロッとした明るい表情を見せながら、「なんかお腹すいちゃった〜、おやつ食べたいなあ」と話しかけてきます。
今の私にとって、息子の癇癪は、もどかしさをうまく表現できない息子が、自分が困っていることを表現する手段の1つなのだと、冷静に受け入れることができるようになりました。
だからもう以前のようにひとりで泣くこともなくなりました。
なぜなら、息子の未来を悲観していないからです。
お母さんの手で反抗期のアスペルガー男子の育て直しができるとわかったからです。
子どもの癇癪や暴言に巻き込まれて、いま悲しむことしかできないお母さん。
わが家での出来事を参考に、お母さんが反抗期を迎えたお子さんの癇癪と暴言を落ち着かせる方法を身につけて、親子でグンと成長するきっかけのひとつになれたら幸いです。
執筆者:鶴木まみ
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)


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