ADHDの子が「聞いてない」を卒業!過集中を味方にできるようになる伝え方3選

ADHDタイプの子が指示を聞かないのは「過集中」が原因かも?脳の特性を理解し、ブロークンレコードや非言語情報を活用した伝え方で「怒らない脳」を育てましょう。具体的3ステップで、親子のイライラを卒業し、笑顔の未来を手に入れる方法を解説します。

「無視されている」と感じて、怒鳴ってばかりだった私

「ねえ、聞いてるの!?」
「さっきから何度も言ってるでしょ!」

夕食前のひととき。何度声をかけても、まるでこちらの声が届いていないかのように、好きなことに没頭し続けるわが子の背中。

返事がないことにイライラが募り、ついには大声で怒鳴ってしまう…。

そんな毎日に、心も体も疲れ切っていませんか?

かつての私は、毎日息子に対して声を荒らげていました。

「この時間までにご飯を食べさせて、お風呂に入って、 8時半には寝かせないと!」 と頭の中ではいつも予定でいっぱい。

ちゃんとやらなきゃと焦る気持ちでいっぱいでした。

それなのに息子は遊ぶことに夢中。

「早くー」とキッチンから声をかけますが、息子はピクリとも動きません。

しびれを切らした私が

「聞こえたら返事してよ!」
「聞いてないの?早く〇〇して」

と怒鳴ると、息子は激しい癇癪(かんしゃく)を起こす…。

「どうして普通に話を聞いてくれないの?」
「わざと無視して、私を困らせようとしているの?」

この子はこのまま誰の話も聞かない大人になってしまうのではないかと、将来への不安で胸が押しつぶされそうでした。

ですが、発達科学コミュニケーションに出会い、息子の「脳の特性」を知ったことで、その苦しみから解放されたのです。

息子はわざと無視していたのではありません。ただ、「聞こえていなかった」だけだったのです。

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なぜ「聞いてない」の?脳科学でわかるADHDタイプの真実

ADHD(注意欠陥・多動性障害)タイプのお子さんが指示を聞いていないように見えるとき、その脳の中では何が起きているのでしょうか。

それは、性格や反抗心のせいではなく、脳の「注意の制御」という特性が深く関係しています。

主な原因は、脳の仕組みによる3つの状態にあります。

「過集中」という深い没入状態

ADHDタイプの子は、自分の興味があることに対して、驚異的な集中力を発揮します。

これを「過集中(かしゅうちゅう)」と呼びます。

この状態のとき、脳のエネルギーは特定の活動だけに注がれており、周囲の雑音をシャットアウトする「耳にフタをしている」ような状態になります。

無視をしているのではなく、物理的な「音」として認識できていないことが多いのです。

前頭前野の「切り替えスイッチ」の未熟さ

脳の司令塔である「前頭前野」は、行動の切り替えや感情のコントロールを司ります。

ADHDタイプの子は、このスイッチの切り替えがゆっくりであるため、「今やっていること」から「次にやるべきこと」へ意識を移すのに非常に大きなエネルギーを必要とします。

急に指示を出されると、脳がフリーズしてしまい、結果として「聞いていない」状態になってしまいます。

感情を司る「扁桃体」の過剰反応

お母さんがイライラして大声を出すと、子どもの脳内にある「扁桃体」という不安や恐怖を感じる部分が過剰に反応します。

すると、脳は「攻撃か逃走か」のモードに入ってしまい、肝心な「指示の内容」を理解する思考がストップしてしまいます。

これが、注意した途端に癇癪が起きるメカニズムです。

つまり、私たちが一生懸命に投げかけていた「言葉」は、お子さんの脳の入り口で跳ね返されていたのです。

だからこそ、必要なのは「大きな声」ではなく、脳の仕組みに合わせた「届く伝え方」へのシフトです。

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驚くほど指示が通る!「怒らない脳」を育てる3つのステップ

それでは、今日からすぐにご家庭で実践できる、ADHDタイプの子への具体的な伝え方を3つのステップで解説します。

予告・見通しを立てる声かけをする

ADHDタイプの子は、急な予定変更や活動の切り替えが苦手です。

今やっていることを「急にやめさせる」のではなく、事前に予告をして脳に準備をさせましょう。

「あと〇分でおしまいだよ」
「これが終わったら、お風呂に入ろうね」

このように、次にやるべきことの見通しを先に伝えておくことで、お子さんの脳がスムーズに次の行動へ移る準備を整えることができます。

ブロークンレコード法を活用する

「ブロークンレコード法」とは、同じ短いフレーズを淡々と繰り返す方法です。

ADHDタイプの子は、長い説明や注意を聞くと、途中で情報がこぼれ落ちてしまいます。

ポイントは…
感情を乗せず、指示の言葉(例:「お着替えしよう」)だけを繰り返します!

余計な説教や理由を省き、シンプルに伝えることで、お子さんの脳にダイレクトに「今やるべきこと」が届くようになります。

3Sで届ける

最後に、伝え方の「質」を整える3Sを意識しましょう。

Smile(笑顔): ママの笑顔は、お子さんの脳の「扁桃体」を落ち着かせ、安心感を与えます。

Slow(ゆっくり): 一語一語、ゆっくりと届けるように話します。

Sweet(優しく): 優しいトーンで話しかけることで、お子さんの脳は反発することなく、指示を受け入れやすくなります。

この3Sを意識して声をかけ、動き出せたらすかさず肯定の言葉をかけていきましょう。

これが、お子さんの自信と「次もやろう!」という意欲を育てる最高の栄養になります。

指示が通るようになったADHDタイプの息子の変化

大声で何度も怒るのではなく、同じ言葉を同じトーンで、優しく伝える ようにしたら、 少しずつ子どもが癇癪を起こさずに行動できるようになっていきました。

あんなに「やだ!」と怒っていたのに、今では、「やめたくない」「もっとテレビ見たい」「遊びたい」 と、自分の気持ちをちゃんと言葉にできるようになったんです。

そして、「わかった」と返事をしてくれる瞬間が増えました。

もちろん毎回スムーズにいくわけではありませんが、この小さな変化の積み重ねこそが、大きな成長につながるんだなと感じています。

そして変わったのは子どもだけではありません。

私自身も子どもの脳の特性を知ることで、「なんでできないの?」というイライラがグッと減りました。

怒っている毎日から伝わる関わりに変わったこと。

それが、私にとっていちばん嬉しい成長です。

子どもには、子どもなりの「聞こえにくさ」「動きにくさ」があります。

それを知ることが、親子の関係を変える第一歩。

大声じゃなくても、ちゃんと伝わる。

怒らなくても、行動は引き出せる。

ちょっとした「声かけの工夫」で、親子の毎日は必ず変わります。

もし今、「何回言っても動かない」「注意したら癇癪になってしまう」そんなお悩みがあるなら、我が家で効果のあった3つの声かけをぜひ試してみてください。

きっと「伝わった!」という嬉しい変化を感じられるはずです。

執筆者:大下せいこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)

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