期限があるのに動かない不安の強い中学生
不安が強い中学生に何か聞いても黙り込んだり、めんどくさいと言って何もしない…こんなことありませんか?
それでもどうにかなることがほとんどなのですが、どうにもならないこともあります。
その1つが、進路の問題です。

どんな進路に進むにしても、「〇日までに△△を□□に提出」なんてことがあるのです。
できなければ、進路の道が断たれてしまいます。
そんな期限があるものには、親の戦略的なサポートが必須になります!
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不安が強い中学生の息子と向き合った試練
息子は「人が怖い」と口にし、自分の部屋にこもる日々が続いていました。
もともと不安が強く、外出時には夏でもフードをかぶって人目を避けるほど。
さらに小4の娘も不登校気味。
私はただ必死で、家族の不安に向き合う毎日でした。
そんな時に出会ったのが「発達科学コミュニケーション」。
教わったことを1ヶ月、小さな積み重ねでしたが、息子は徐々に笑顔を取り戻しました。
最初は進路希望調査票を破っていた息子が、3ヶ月後には「進学」に丸をつけ、希望高校名を自分の字で書けるまでに成長。
——しかし、ここからが本当の試練でした。

高校の入学課題である「志望動機」と「課題の文章を読んだ感想」。
文章を書くことが苦手な息子にとっては超・高い壁。
私は焦り、
「単位取れなかったら卒業できないよ」
「家庭教師の先生も手伝うのに、書かないなら一人でやるんだね」
そんな“正論の圧”をぶつけてしまいました。
息子は何も言わずに涙をこぼしました。
そこで私は深く反省し、こう伝え直しました。
「高校のことは任せるよ」
「1人で難しければサポートするから言ってね」
けれど、締め切りが近づいても課題は進まず、生活リズムも乱れ、食事もバラバラ。
“このままでは入学ができないかもしれない” そんな不安が私の胸を締めつけました。
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不安が強い中学生が「行動できなくなる」脳のしくみ
子どもが「自分の気持ちを言葉にできない」とき、それは“話したくない”のではなく、脳がまだうまく整理できていない状態にあります。
人の脳は、「感じる部分(扁桃体)」と「考える部分(前頭前野)」がバランスよく働くことで、感情を言葉に変える力が育っていきます。
ところが、不安や緊張が強いと、脳の扁桃体が過敏に反応し、危険でもない状況を“怖い”と感じてしまいます。
そのとき、前頭前野の働きが弱まり、思考が止まってしまうため、「うまく言葉にできない」「黙り込む」「“めんどくさい”で終わらせる」といった行動になるのです。
つまり、話せない=考えていないではなく、脳が安心できず、言葉にすることができないだけなのです。

この状態で親が焦って問い詰めたり、正しさで説得しようとすると、子どもの扁桃体はさらに反応し、脳の中で「防衛モード」が強まります。
その結果、余計に話せなくなり、「何も言わない子」と見えてしまうこともあります。
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不安が強い中学生でも「自分から動ける」ようになるためのファーストステップ
子どもが黙り込んだり、”めんどくさい”で終わらせてしまうのは、脳が不安でいっぱいになり、動けなくなっていたから。
こんなときは「やりなさい」と言うことではなく、脳の負担を減らし、安心して動き出せる環境をつくることです。
一番大事なのは、子どもが話し出すのをじっくり待つこと!
焦りは厳禁です!
私たちが思っているより、数倍、数十倍…いえ数万倍も待たなくてはいけないかもしれません。
話し出すまで「うん。なーに?」と待つのです!

「自分で動ける」ようになるための超実践的サポート方法
まずは、じっくり待つ!その上で、受験や学校で”期日が差し迫っているけど動き出せない”子どもへのサポート方法を2つご紹介します。
ゴールを一緒に明確にする
私たちはカレンダーを出し、
・提出日(27日)
・書く日(25日)
・予備日(26日)
この3つを息子と一緒に決めました。
ゴールが見えるだけで、脳の不安は軽くなります。
予備日を設定することも不安を軽減できるので効果的です。
インタビュー方式で気持ちを引き出す
質問し、子どもに答えてもらいます。
わが家のように作文を提出しなくてはいけないようなときは、インタビュー方式で答えた子どもの言葉を、親が文章にまとめます。
なぜこの高校にした?
何を学びたい?
将来はプログラマーになりたい?
このやり方は、「自分が書いてないのにいいのかな?」と息子はためらいがあったようでした。
「ちゃんとやりたい」という思いがあるお子さんには、ずるいことをしているように感じるかもしれません。
ですが、子どもが思っていることを親が文章にしただけで、子どもの言葉であることには変わりません。
「あなたの言葉だよ」と自信をもって答えてあげてほしいと思います。

子どもが何も言わないから何も考えていない、なんてことはないんです。
考えすぎるくらい考えています!
子どもが話し出すのを、じっくり待てる親でいたいですね^ ^
執筆者:笠井みほ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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