聞いてない?指示が通らないADHDタイプの子に「大声より届く」伝え方3選

何度注意しても聞いてないように見える、注意した途端に癇癪を起こす。そんなお子さんの行動には、ADHDタイプの「聞こえにくさ」が関係していることがあります。大声で叱るよりも、脳の聞こえ方に合わせた指示の出し方で、驚くほどスムーズに伝わります。

ADHDタイプの子が聞いてないように見える理由

話しかけても返事がない。

何度言っても動かない。

注意したら癇癪になってしまう。

そんな経験ありませんか?

お子さんは「わざと無視している」わけではなく、 ただ、「聞こえていないだけ」なのかもしれません。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)タイプのお子さんが「聞こえていない」ように見える主な理由は3つあります。

①過集中モードに入っている

好きなこと・興味のあることに強く集中する特徴があります。

この状態になると、まるで「耳にフタをしている」ように、周りの声が入ってこなくなります。

呼びかけても返事がないのは、無視ではなく本当に聞こえていないことが多いんです。

だから、ママが「なんで聞いてないの!」と注意しても、子どもは 「ママ、なんで怒っているの?」とピンをきていないことも。

②注意のコントロールが苦手〈不注意傾向〉

ADHDタイプの子は、人の話に注意を向け続けることが苦手です。

・話しかけても、別の刺激に気を取られて聞いていない
・聞いてもすぐに忘れてしまい行動に移せない
・周りの音や動きが気になって、集中が途切れやすい

つまり、「一回言えば伝わる」「ちゃんと聞いてたよね?」というのは 実はとても高いハードルなんです。

③感情が先に爆発しやすい

指示や注意をされると、「自分が否定された」と感じて感情が一気に高ぶってしまうことがあります。

これは、脳の「感情ブレーキ(前頭前野)」の働きがまだ未熟だからです。

だから、強く叱ったり、大きな声で伝えるほど逆効果になりやすいのです。


朝から起きる癇癪

悩んでいるママ必見!!

ダウンロードはこちらから
↓↓↓

「なんで聞いてないの?」と悩んでいた頃の私の関わり方

以前の私は、家事をしながら子どもたちに声をかける毎日でした。

なぜならば、「この時間までにご飯を食べさせて、お風呂に入って、 8時半には寝かせないと!」 と頭の中ではいつも予定でいっぱい。

ちゃんとやらなきゃ焦る気持ちでいっぱいでした。

だから、怒っているつもりなんて全くなかったのに、キッチンから「早くー」と大きな声で呼びかけるのが習慣になっていました。

だけど、それが実は逆効果だったんです。

子どもたちは遊びに夢中。

返事がないたびに、私はどんどんイライラ。

次に声をかけるときにはもう、口調がきつくなって、表情も険しくなっていきました。

「聞こえたら返事してよ!」
「聞いてないの?早く〇〇して」

そのときの私は、子どもの様子を確認する余裕なんてありませんでした。

ただ「言えば動くはず」と思い込んでいたんです。

でも、怒られたと感じた子どもは、すぐに癇癪モードへ。

私の声は、ますます届かなくなっていきました。

あの頃は本当に、どうしたらいいのかわからず「なんで伝わらないの?」と悩んでばかりいました。

そんなときに出会ったのが発達科学コミュニケーションでした。

学んだ声かけを少しずつ取り入れていくうちに、息子の行動にも、そして私自身の心にも変化が見えてきたんです。

毎日癇癪から卒業!
本当に必要な新しい教育がわかります
↓↓↓

ADHDタイプの子に効果的だった3つの伝わる指示の仕方

私が実際に試して、癇癪が減り、行動がスムーズになった3つの方法をご紹介します。

予告・見通しを立てる声かけ

いきなり「やめて」「片付けて」と言われると、頭の切り替えが追いつかず、混乱しやすくなります。

だからこそ、「あと5分でお片付けするよ」「この時間になったらお風呂ね」「ご飯の時間になったよ」 など、少し先の予定をこまめに知らせるのがポイント。

見通しが立つと、子どもの脳が安心して、「次は何をすればいいのか」がわかるようになります。

結果的に癇癪にならずに行動してくれるようになるんです。

ブロークンレコード法〈同じ言葉・同じトーンで伝える〉

「何度言っても動かない」という時にこそ試して欲しい方法です。

子どもが動かなくても、怒らず、強く言わず、 最初の言葉を同じトーンで繰り返すだけ。

・一度伝えたら、まず3分待つ
・動かなければ、もう一度同じ言葉で声かけ
・それでも動かない時は、同じ言葉をもう一度やさしく伝える

ポイントは、

・目を見て話すこと
・子どものそばで伝えること

近くで落ち着いた声で話すことで、「怒られている」ではなく「話かけられている」と感じやすくなります。

同じ言葉・同じトーンを繰り返すだけで、子どもは少しずつ「ママの声に反応できる脳」に育っていきます。

3Sで伝えること

最初のポイントは「どんな言葉で」より「どんな雰囲気で」伝えるか。

ADHDタイプの子どもの脳は、言葉より表情や声色などの非言語情報を先に処理します。

だから ・smile〈笑顔〉 ・slow〈ゆっくり〉 ・sweet〈優しく〉この3つを意識して話すことで、子どもの脳は安心モードに切り替わり、話の内容をスッと受け取りやすくなります。

このようにママの声のトーンと表情を少し変えるだけで、子どもの反応も、親子の空気も、驚くほど穏やかになります。

指示が通るようになったADHDタイプの息子の変化

大声で何度も怒るのではなく、同じ言葉を同じトーンで、優しく伝える ようにしたら、 少しずつ子どもが癇癪を起こさずに行動できるようになっていきました。

あんなに「やだ!」と怒っていたのに、今では、「やめたくない」「もっとテレビ見たい」「遊びたい」 と、自分の気持ちをちゃんと言葉にできるようになったんです。

そして、「わかった」と返事をしてくれる瞬間が増えました。

もちろん毎回スムーズにいくわけではありませんが、この小さな変化の積み重ねこそが、大きな成長につながるんだなと感じています。

そして変わったのは子どもだけではありません。

私自身も子どもの脳の特性を知ることで、「なんでできないの?」というイライラがグッと減りました。

怒っている毎日から伝わる関わりに変わったこと。

それが、私にとっていちばん嬉しい成長です。

子どもには、子どもなりの「聞こえにくさ」「動きにくさ」があります。

それを知ることが、親子の関係を変える第一歩。

大声じゃなくても、ちゃんと伝わる。

怒らなくても、行動は引き出せる。

ちょっとした「声かけの工夫」で、親子の毎日は必ず変わります。

もし今、「何回言っても動かない」「注意したら癇癪になってしまう」そんなお悩みがあるなら、我が家で効果のあった3つの声かけをぜひ試してみてください。

きっと「伝わった!」という嬉しい変化を感じられるはずです。

執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

毎日の癇癪から卒業するためのママの声かけを紹介しています
▼無料メール講座の登録はこちらから

タイトルとURLをコピーしました