ADHDタイプの子が「歯磨き」を嫌がる理由
「歯磨きだよ」と声をかけると嫌がってなかなかできなかったり、 始めてもすぐに動いてしまって危険、注意すると最後には癇癪…そんな毎回のバトルに疲れていませんか?

実は、これは単なるわがままや反抗ではなく、 お子さんの脳や感覚の特性が大きく関係しています。
だからこそ、「なぜできないのか」を知ることが対応の第一歩です。
ADHD(注意欠陥多動性障害)タイプのお子さんが歯磨きを嫌がる主な理由は3つあります。
①多動(じっとているのが苦手)
ADHDタイプのお子さんは脳の神経活動が活発で、エネルギーをコントロールするのが難しいことがあります。
そのため、「止まって歯磨きをする」という行動自体がハードルの高いもの。
体が「止まれ」のサインを無視して働き続けているような状態です。
「落ち着きがない」と片付けるのではなく、脳の特性として理解してあげることが大切です。
②切り替えが苦手(遊び→歯磨きへの切り替え)
楽しい遊びや好きなことから、突然「歯磨きしようね」に切り替わるのは、大人が想像する以上に負担です。
脳の切り替えがゆっくりで、今の活動を急にやめることに強いストレスを感じるため、始める前から不機嫌になったり、うまく進まなくなることがあります。
③感覚過敏(口の中の刺激に敏感)
口の中は大人よりもずっと過敏な子がいます。
歯ブラのザラザラした感触や泡の刺激、味や匂いも強く感じてしまい、 不快感から拒否反応を示すこともあります。
こうした特性を理解したうえで、歯磨きへの声かけや環境の工夫をすることで、親子の負担がぐっと減り、少しずつスムーズに進められるようになります。
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じっとしていられない息子と私の歯磨きバトルの毎日
以前の私は歯磨きの時間が本当に苦痛でした。
なぜならば、「そろそろ寝る時間だから歯磨きしよう」と声をかけると、「やだー、もっと遊びたい、まだ寝たくない」と全力拒否される。
ようやく歯磨きを始めても、じっとしていられず、動き回る息子。
危ないから何度も注意しなければならず、そのたびに私の心は疲弊していきました。
のどや口に歯ブラシが刺さりそうになるたびに、「歯ブラシ喉にささるよ?いいの?」と脅すような言い方になってしまい、 だんだん歯を磨く私の手も荒くなっていきました。

息子は「ママ痛いー」と泣きながら歯磨きをするのが日常でした。
そんな息子の姿をみるたびに、私のイライラは爆発しそうになりました。
「たった1~2分じっとしていれば終わるのに」
「言われた通りにしてくれればいいのに」
何度そう思ったかわかりません。
心のどこかで「できないのはこの子のせい」と思っていた私。
でも「このままではいけない」と思い、発達科学コミュニケーションを学び、 特性に合わせた声かけを試してみることにしました。
すると、歯磨き中の私のイライラが減り、息子も癇癪を起こさずに 歯磨きに取り組める日が少しずつ増えていきました。
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ADHD癇癪キッズに効く!歯磨きがラクになる4つの工夫
私が実際にやって効果的だった4つの工夫をご紹介します。
①歯磨きへの誘導はいきなり言わない
「さ、寝る時間だから歯磨きするよー」と急に言っても、遊びモードの子どもの スイッチはなかなか切り替わりません。
そこで2つのポイントを意識して声をかかけます。
1)予告をする
「あと〇〇回遊んだら歯磨きしようね」
「この絵本読んだら歯磨きしに行こうね」
あらかじめ知らせておくことで、子どもが心の準備をしやすくなり、指示に従いやすくなります。
2)ご褒美を設定をする
「歯磨きが終わったら好きな絵本を読もうか」
「歯磨き終わったらママとトランプしようか」
楽しみが待っていると、「イヤなこと」から「早く終わらせて楽しもう」 という前向きな気持ちに変わります。

②動いてОKな「ルール」をつくる
じっとできないことを責めるのではなく、「動いていい時間」と「じっとする時間」を分けることで、子どもがメリハリをつけやすくなります。
例:「今はジャンプしていい時間!そのあとピタッとタイムねー」と 歯磨き前に動いてОKな時間をつくるだけで、歯磨き中にじっとできるようになりやすいです。
③「20秒ピタ」ゲームでじっとするを楽しく
効果絶大だったのが、「20秒ピタゲーム」
「今から20秒だけ、ピタッとじっとできるかな?よーいスタート」
じっとすることをゲーム化することで、 子どもが楽しんで協力してくれるようになります。
この時はカウントダウンよりカウントアップ形式(1、2、3…)がおすすめ。
数えるたびに「できている」感覚を味わえるので、自己効力感が育ち、自信につながります。
その自信が「またやろう」というよい行動に結びつきます。
④始め・途中・最後に「こまめに褒める!」
イヤなことに取り組む時、実はスタートの瞬間が一番大変です。
だから、最後だけではなく、初め・途中・最後の3ポイントでこまめに褒めます。
・「今、ピタッと始められたね」(スタート)
・「もう5秒たったよ、頑張ってるね」(途中)
・「今15秒、ラスト5秒だよ、もうちょっと」(途中)
・「20秒、最後までピタッと出来たね、さすが!」(ゴール)
小さな頑張りをその都度褒めることで、子どものやる気が続きます。
こんなふうにちょっとした工夫で、子どもの行動も気持ちも大きく変わります。
じっとできないことを怒るより、どうやったら楽しくできるかな?と考えるほうが、 ママにとっても楽ですし、子どもも笑顔になります。
ADHD息子が、癇癪なしで楽しく歯磨きできるようになった
「歯はちゃんと磨くべき、20秒なんて短すぎる」 そう思うママも多いですよね。
私も以前は、理想や正しさにとらわれ過ぎて、毎日イライラ。
子どもとぶつかってばかりでした。
そこで思い切って、ちょっとだけ理想を緩めてみることにしました。
歯磨きのあとは、ママと遊ぶ時間。
終わったら楽しみがあるという小さなご褒美を用意するだけで、息子はスッと歯磨きに向かえるようになりました。
さらに、「動く時間」と「止まる時間」にメリハリをつけたことで 歯磨き中のバトルも減り、少しずつ楽しく歯磨きができるように。
たった20秒でも、「楽しく出来た!」「僕もじっとできた!」 と感じられる方が子どもにとってはずっと価値のある経験です。
特に脳は「楽しい!」と感じている時にこそ、ぐんぐん発達します。
イヤイヤを我慢させて磨くより、短時間でも楽しく関われた方が 実はずっと意味があると思っています。
小さな成功体験の積み重ねが、 やがて「ちゃんと出来るようになる」未来に繋がっていきます。
もし歯磨き中にじっとしていられないお子さんにお困りなら 我が家で効果の合った4つの工夫をぜひ試してみてくださいね。
執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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