保育園に行きたくない子の「できない」は不安のサイン|登園しぶりの受け取り方

 

保育園に行きたくないと泣き「できない」と言うのに、外では「いい子ですね」と言われるわが子。登園しぶりの背景にある不安と、その言葉の受け取り方について解説します。
 

【目次】

1.保育園に行きたくない朝、「先生に言ってほしい」と繰り返した息子
2.外ではいい子。でも家では不安定になる理由とは?
3.「できない」「イヤだ」と言う言葉の奥にある不安
4.「できない」を不安のサインとして受け取る

 
 

1.保育園に行きたくない朝、「先生に言ってほしい」と繰り返した息子

 
 
保育園に行きたくないと泣き、「僕はできない」と繰り返すわが子。
 
 
それなのに、保育園では「いい子ですね」「問題なく過ごしてます」と言われます。
 
 
家では「できない」と言うのに、園では困っている様子はないと言われる。
 
 
そんな姿に、「本当に大丈夫なの?」
 
 
どう受け取ればいいのか分からず戸惑うとはありませんか。
 
 
わが家の息子は、毎朝保育園に行きたくないと泣いて訴えていました。
 
 
それでも、連れて行かないわけにはいかず、泣き叫ぶ息子を抱きかかえて登園する日が続いていました。
 
 
ある時期から、保育園へ向かう道で、息子が毎日のように「先生に○○って言ってほしい」と、言うようになりました。
 
 
 
 
最初は、
 
 
「自分の気持ちを代わりに伝えてほしいのかな。」
 
「言葉にできたら、安心して登園できるのかな。」
 
 
そんなふうに、前向きに受け取っていました。
 
 
ところが、「何を言ってほしいの?」と落ち着いて聞いてみると、返ってくる言葉は、いつも同じでした。
 
 
「スイミングしたくないって言って」
 
「僕は何にもできないって言って」
 
「先生が怒るのがイヤだって言って」
 
 
その内容を先生に伝えても、園での様子は特に問題ないと言われます。
 
 
身の回りのことも自分でこなし、それなりに楽しんで過ごしているようでした。
 
 
困っているようにも見えない。怒られているわけでもない。
 
 
それでも毎朝、同じ言葉を繰り返す理由が、私にはどうしてもつかめませんでした。
 
 
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2.外ではいい子。でも家では不安定になる理由とは?

 
 
園では問題なく過ごしているように見える一方で、本人の言葉からは、強い不安が伝わってくるような場面がありました。
 
 
繊細な子の中には、外の環境で「困った」と言えず、「ちゃんとやらなきゃ」「期待に応えなきゃ」という思いが先に立ち、周りに合わせながら頑張ってしまう子がいます。
 
 
その場では自分の役割をこなせてしまうことも多く、周りから見ると「園生活での問題はない」「ちゃんとできている」ように見えやすいものです。
 
 
だからといって、心の中に不安がないわけではありません。
 
 
 
 
不安が強い状態では、脳はまず「大丈夫か」「失敗しないか」と確認する方向に働きます。
 
 
安心しているときのように、落ち着いて状況を整理する余裕が生まれにくくなります。
 
 
そのため、外では何とかやれていても、安心できる場所に戻ると、「できない」「イヤだ」といった言葉が強く表に出ることがあります。
 
 

3.「できない」「イヤだ」と言う言葉の奥にある不安

 
 
私は「頑張れているなら大丈夫」「困っているなら、その場で困っている様子が見えるはず」そんな前提で、子どもの言葉を受け取っていました。
 
 
けれど、園では問題ないと聞くのに、家ではちょっとしたことで泣いたり、急に不安定になることがありました。
 
 
「できている」はずなのに、どうしてこんなに揺れるのだろう。
 
 
その姿を見ているうちに、外で見えている姿の裏に、言葉にならない緊張や不安がたまっていたのではないか、と思うようになりました。
 
 
 
 
そう考えたとき、毎朝繰り返されていた「先生に言ってほしい」というお願いも、その中に込められていた「できない」「イヤだ」という言葉も、助けを求めているというより、不安そのものが声になったもののように聞こえてきました。
 
 
そうだとしたら、「できない」という言葉の受け取り方も、少し変わってくるのではないでしょうか。
 
 

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4.「できない」を不安のサインとして受け取る

 
 
ここまで見てきたように、子どもが「できない」「イヤだ」と言うとき、その言葉は困った行動というより、不安のサインとして表れていることがあります。
 
 
だからこそ、その言葉をそのままの意味で受け取るのではなく、その奥にある不安として見てみると、子どもの言葉の聞こえ方が少し変わってきます。
 
 
わが家でも、その見方を持つようになってから、朝の繰り返される「できない」という言葉を聞いたとき、これまでのように「どうしたらいいの?」と慌てることが少なくなりました。
 
 
そんなふうに見ていくと、「ママと離れて過ごすのだから、不安になるのは当たり前かもしれない」と思えるようになりました。
 
 
 
 
そう思えた時、「どうにかして行動を変えなきゃ」という焦りは、少しずつ静かになっていきました。
 
 
その焦りが弱まると、「できない」と繰り返す子どもの行動に振り回されにくくなります。
 
 
そして、「そりゃ、不安だよね」と受け取るだけで、「どうにかしてできるようにさせなきゃ」という気持ちも、少しずつ落ち着いていきます。
 
 
 
 

登園しぶりで「できない」と言う子どもについてのよくある質問(FAQ)

Q1. 保育園では問題ないのに、家で「できない」と言うのはなぜですか?

外で動けていることと、心の中に不安がないことは同じではありません。外で気を張って過ごしている子ほど、安心できる場所に戻ったときに「イヤ」「できない」といった言葉が出やすくなります。不安が背景にある場合があります。

 

Q2.登園しぶりで「できない」と言うのは甘えですか?

必ずしも甘えとは限りません。不安が強い状態では、子どもは本当の気持ちを整理して伝えるよりも、出しやすい言葉を先に使うことがあります。「できない」という言葉が、不安のサインになっていることもあります。

 

Q3.子どもの不安にはどう向き合えばいいですか?

言葉の意味をすぐに正そうとするのではなく、「そりゃ、不安だよね」と受け取ることから始めてみてください。不安を見ることが、親の焦りを手放すきっかけになることがあります。

 
 
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執筆者:有須 みさと
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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