子どもが散らかした部屋を片付けずにイライラ・・・そんな経験はありませんか?片付けは発達障害・ADHDの子にとっては特に難しいミッションなんです!その理由とお母さんができるサポートの仕方を紹介します!
【目次】
1.発達障害・ADHDの子どもが片付けてくれなくてイライラ!
さっき片付けたはずなのに、あっというまに散らかる部屋を見てイライラ・・・。みなさんはこんな経験はありませんか?
発達障害の有無に限らず、片付けが苦手な子は多いですよね。
「ちゃんと片付けて!」
「使ったものは元の場所に戻しなさい!」
こんな声かけをしても子どもはなかなか動いてくれず、思わず
「片付けないなら捨てるよ!」
なんて言ってしまうこともあるかもしれません。
私には小学生の息子と幼稚園の娘がいます。
息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性があり、片付けが苦手なのですが、出したものは出しっぱなし、机の上はいつもぐちゃぐちゃ。
「しまっておいてね~!」と言うと、「わかった!」と返事だけはいいものの、時間をおいてもう一度声をかけると「あとでやる。」と言って結局やらない・・・。
そんなやりとりを日々繰り返しては、私がイライラしながら片付けるということがしょっちゅうありました。
ですが、声かけの仕方を変えたことで、息子は片付けが少しずつできるようになっていきました。
娘にも同じ声かけをしているので、発達障害であってもなくてもどの子にも使える対応です!
2.片付けが難しい理由
そもそも、どうして片付けができないのでしょうか?
実は「片付け」と一言に言っても脳のいろいろな場所を使うマルチタスクなんです!
ですから発達障害の子はもちろん、子どもにとって難しいミッションなんです。
片付けをするには、まず「同じ仲間のものを分類する」必要がありますよね。
全てを同じ棚や箱などに戻す場合は別ですが、例えばおもちゃが置かれているスペースでは、
「絵本」「おままごと道具」「乗り物」「ぬいぐるみ」「ブロック」などと、ざっくりでもしまう場所が分かれていると思います。
おもちゃが散乱した部屋の中から同じ仲間のものを選ぶには、「見る力」や「考える力」が必要になってきます。
そして今度は「元の場所に戻す」作業をします。
戻す場所を思い出す「記憶の力」が必要になってきます。
この作業を繰り返していくことで片付けが進んでいきます。
散らかったおもちゃや文房具などをパッと見て同じ仲間に分類しながら、片付ける場所を思い出して戻すのは、子どもにとってはステップが多くやる気はあっても、
「何から始めよう・・・。」
「面倒でできない!」
となってしまうのです。
さらに、脳は車と同じで、アクセルを踏むとき、つまり動き始めるときに1番エネルギーを使います。
これだけのことを一度に処理するので、何から始めていいか見通しが立たないと、使うエネルギーはさらに大きくなり、余計に動き出せなくなってしまいます。
3.ステップに分ける声かけで、「できた!」を増やそう!
「難しい」「面倒」と感じる片付けですが、お母さんの声かけでやることを分解してあげるとうまくいきます。
その方法を紹介します!
◆最後の仕上げだけお願いする
「お母さんはこれとこれを片付けるね!」と言って大体しまったあと、残ったものだけ「このおもちゃを箱に入れてきてくれる?」とお願いします。
できたら、
「お部屋がきれいになったね!」
「片付けられたね!」
と褒めて、お母さんの声かけで「できた!」という成功経験にしてあげてください!
「ほとんどお母さんがやってしまったら片付けのスキルが身につかないのでは?」と思われるかもしれませんが、大丈夫です。
このステップで大事なのは、子どもに、
「片付けができた!」
「お部屋がきれいになるって嬉しい!」
という、片付けることに対してポジティブな気持ちを感じてもらうことです。
「片付け=嫌なもの」ではなくなり、自分から取り組もうとする気持ちの土台になります。
◆やることを分解し、具体的に指示を出す。
①ができるようになったら、
・「乗り物を箱に戻してね!」
・「ゴミを10個拾って捨てよう!」
と考えなくていいくらい課題を分解してあげましょう。
物がたくさん出ている場所から探し出す物を教えてあげることで、何に注目すればよいかがわかりやすくなります。
1個できたら褒めて次の指示を出すと、褒める回数を増やすことができるというメリットもあります!
お子さんの発達段階にもよりますが、3回くらいに分けるとちょうどよいです。
慣れてきたら、「何から片付ける?」と選ばせることでレベルアップしていくこともできます。
息子はこのステップを続けることで、片付けにスムーズに取りかかることができるようになりました!
お母さんのサポートで「片付けができた!」という自信を積み重ねられるよう、ぜひ試してみてくださいね!
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お母さんの声かけを変えるだけで、子どもが発達していきます!
執筆者:若月綾
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)