漢字が覚えられない子。低学年のサインから見えた特性のヒント

 

漢字がなかなか覚えられない…そんな悩みの裏には、書く力ではなく“思い出す力”の弱さが関係しています。しかしママのちょっとしたサポートで、その負担をグッと軽くしてあげることができます。今回は、ムリに書かせなくても“思い出しやすくなる工夫”でラクに進めた方法をご紹介します。  
 

【目次】

1.書く量より“思い出すきっかけ”を増やすことが効果的
2.ワーキングメモリが弱いと漢字が苦手になるワケ
3.娘が漢字でつまずいていた本当の理由
4.思い出す力を助ける“ちょいサポート”はこれ!

 
 

1.書く量より“思い出すきっかけ”を増やすことが効果的

 
「覚えさせなきゃ……」と漢字練習を増やすほど、子どもの心はギュッと閉じてしまいます。
 
 
大事なのは、“たくさん書くこと”ではなく、思い出しやすい工夫を先に作ること。
 
 
特にワーキングメモリが小さめの子は、書くより「覚えておく」負荷が高すぎて、途中で混乱したり涙が出てしまうことがあります。
 
 
 
 
 
まずは、思い出すきっかけをつくる声かけを入れること。
 
 
これだけで、覚える負担がグッと軽くなるんです。
 
 
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2.ワーキングメモリが弱いと漢字が苦手になるワケ

 
漢字は「形を覚える」「音・意味をおさえる」「書き順を見る」など、同時に処理する情報が多い学習です。
 
 
ワーキングメモリが弱めの子にとっては、 覚える → 保つ → 思い出す この一連の流れが負荷が高すぎるんです。
 
 
ワーキングメモリは“処理の作業台”のような場所。
 
 
ここが小さいと、情報が乗り切らずポロポロ落ちてしまうんです。
 
 
 
 
だから、 
・練習しても翌日には忘れている
・何度書いても形が崩れる
・書き順までは気が回らない
 
 
こんなつまずきが起きやすくなります。
 
 

3.娘が漢字でつまずいていた本当の理由

 
低学年の頃の娘は、漢字になると急に手が止まり、泣きながら書いていました。
 
 
当時の私は「このままじゃ後で困る…」と心配するあまり、とにかく書かせるしか方法が見つけられませんでした。
 
 
ですが、うまくいくどころかますます苦手意識が強くなるばかり。
 
 
勉強のときだけ、娘が私に心を閉じていくのがわかりました。
 
 
あの頃の私は、“なぜ覚えられないのか”理由がわかりませんでしたが、発コミュに出会って初めて気づいたんです。
 
 
漢字が覚えられなかったのは「書く力」ではなく「思い出す力(ワーキングメモリ)」の負担が大きすぎたからだった。
 
 
さらに、娘は“やらされる勉強”でストレスが高まり、そのストレスがさらに記憶を妨げていたことも、今ならわかります。
 
 
無理に書かせても身につかない。 むしろ、記憶に残るのは「つらかった気持ち」だけ。
 
 
そんなやり方では、子どもは伸びない。
 
 
そう腑に落ちたとき、私の関わり方は大きく変わりました。
 
 
 
 
 
そして、
 
 
負担を減らす工夫をしたら、苦手だった漢字が“思い出せる感覚”に変わっていき、今では自分から漢検にも挑戦しています。
 
 
 

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4.思い出す力を助ける“ちょいサポート”はこれ!

 
 ワーキングメモリ弱めさんには、「全部を頭で覚えておく」をやめて、“思い出せる仕掛け”を作ることが効果的です。
 
 
やることはシンプルで大丈夫。ポイントは2つだけ。
 
 

◆①書く前に“形を一緒に見ておく”

 
いきなり書かせないで、まずは 「どこが似てる?」「どこが違う?」 を一緒に観察。
 
 
・口と日が入れ替わってる
・左と右でバランスが違う
・へんとつくりで役割が違う
 
 
こうした“形の手がかり”があると、記憶の負担がグッと軽くなります。
 
 
 
 
 

◆② 書く量は少なめでOK(3回で十分)

 
たくさん書いて覚えるのではなく、“正しく思い出せる経験”を積ませることが記憶の土台になります。
 
 
3回だけ、ゆっくりていねいに。そのほうが翌日の定着がよくなります。
 
 
無理に書かせなくても、 苦手だった漢字が“思い出せる感覚”に変わっていく。これがワーキングメモリ弱めさんの伸ばし方です。
 
 
子どもに必要なのは「量」ではなく「思い出せる仕掛け」。
 
 
思い出せた成功体験が、学びを進めるエンジンになりますよ。
 
 
 
 
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執筆者:瑞上 ようこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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