登園しぶりで朝に動けない子どもが動き出す|安心を先に届ける関わり方

 

登園しぶりで朝に動けない子どもに、何を言っても変わらないと悩んでいませんか?その背景には脳の不安反応があります。この記事では、安心を先に整える関わり方と日常でできる具体的な工夫を解説します。
 

【目次】

1.登園しぶりの朝、何を言っても動かなかったわが家の体験
2.朝に動けなくなる理由は脳の「不安反応」にあった
3.行動を変えようとしていた関わりではうまくいかなかった
4.安心を先に整えるための4つの関わり方

 
 

1.登園しぶりの朝、何を言っても動かなかったわが家の体験

 
 
登園しぶりの朝、何を言っても登園を嫌がる。どう声をかけても、状況が変わらない。
 
 
そんな経験はありませんか。
 
 
 
 
わが家の息子も、登園する日の朝は、声をかけるほど涙があふれ、抱きついて泣き始めてしまい、準備が進まなくなることがありました。
 
 
どうにか安心させようとして「大丈夫だよ」と声をかけても、不安そうな表情のままでした。
 
 
励ましたり、理由を聞いたりしながら、動いてもらおうとしていました。
 
 
けれど、動かない子どもに焦りやイライラが募り、つい急かしてしまうこともありました。
 
 
それでも、朝の登園しぶりは変わりませんでした。
 
 
私は、何をやっても登園を嫌がる息子を前に、自分の関わり方が間違っているのではないかと思うようになりました。
 
 
もしかして息子は甘えているだけなのではないか。
 
 
そんなふうにも感じていました。
 
 
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2.朝に動けなくなる理由は脳の「不安反応」にあった

 
 
朝になると、どうしてこんなにも登園を嫌がるのでしょうか。
 
 
実はその背景には、朝の脳の状態が関係しています。
 
 
朝は、脳の中で「不安を感じるセンサー」である扁桃体が働きやすい時間帯です。
 
 
 
 
扁桃体は、危険を察知すると、体を守ろうとして一気に警戒モードに切り替えます。
 
 
たとえば火災報知器が鳴ったときのように、「今は危ないかもしれない」と、体が先に反応してしまう状態です。
 
 
このとき、子どもは体も気持ちも警戒モードになります。
 
 
そのとき、前頭前野の働きが抑えられ、言葉を整理したり、未来を考えたりする力を十分に使えなくなります。
 
 
前頭前野は、「行けば楽しいよ」「大丈夫だよ」といった言葉を受け取り、“行ってみようかな”と未来を考える役割を担っています。
 
 
でも警戒モードのときは、その余裕がありません。
 
 
不安がすでに立ち上がっているとき、脳はまず“身を守ること”を優先します。
 
 
そのため、どんなに言葉をかけても、思考が前向きに動き出さない朝があるのです。
 
 
つまり、登園しぶりの朝に起きているのは、わがままでも甘えでもなく、脳の状態から起きている反応なのです。
 
 

3.行動を変えようとしていた関わりではうまくいかなかった

 
 
私はずっと、「どうやったら行けるか」を考えていました。
 
 
どう声をかければ動くのか、どうすれば泣き止むのか。
 
 
「大丈夫だよ」と励ましたり、理由を聞いて納得させようとしたり、どうにかして動かそうとしていました。
 
 
でも、それではうまくいきませんでした。
 
 
何をやっても変わらない朝に、どうしていいか分からなくなっていたのです。
 
 
 
 
今振り返ると、うまくいかなかったのは当然でした。
 
 
不安が先に立っているとき、子どもの頭の中では、言葉を受け取って考える力がうまく働いていない状態です。
 
 
そのため、こちらが何かを伝えても、言葉はそのまま届きません。
 
 
その状態で動かそうとしても、うまくいかないのは自然なことでした。
 
 
本来は、子どもの状態を整える順番があったのです。
 
 
でも私は、その順番を知らずに、行動から変えようとしていました。
 
 
先に必要だったのは、子どもを動かすことではなく、安心を入れることだったのです。
 
 

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4.安心を先に整えるための4つの関わり方

 
 
では、子どもを動かす前に安心を入れるために、日常の中でどのような関わりができるのでしょうか。
 
 
特別な方法ではありません。
 
 
ふだんの声かけや、夜の過ごし方、朝の小さな工夫で安心を積み重ねていく関わりです。
 
 
私が実際に取り入れていた4つの工夫を紹介します。
 
 

① 日常で当たり前にできていることを言葉にする

 
 
安心は、特別な声かけから生まれるものではありません。
 
 
「起きてきたんだね」「ご飯を食べているね」と、当たり前にしていることをそのまま言葉にします。
 
 
いわゆる「実況中継」のような声かけです。
 
 
それは子どもを変えるためではなく、今の姿をそのまま受け取る関わりです。
 
 
ありのままの姿を認める肯定的な注目が、安心の土台になります。
 
 

② 夜に安心した気持ちで一日を終える

 
 
安心が先だと分かってから、私はまず夜の時間を見直しました。
 
 
子どもを後回しにせず、抱っこしながらその日の話を聞くようにしました。
 
 
くっつく、抱っこする、そばで話す。そうしたスキンシップの時間そのものが、安心を入れる土台になります。
 
 
目を見て、今日の出来事を一緒に振り返る時間を意識してとります。
 
 
寝る前には、ヒーローインタビューのように「今日うれしかったことは?」と聞きながら、楽しかった記憶を思い出してもらいます。
 
 
ポジティブな気持ちを一緒に思い出しながら、安心した感覚のまま眠れるようにしました。
 
 
すると翌朝、不安はありながらも、起こしたときの反応が少しやわらぎ、目を覚ますまでの時間が以前より穏やかになっていきました。
 
 
 
 

③ 朝の楽しみを先に用意しておく

 
 
朝はどうしても時間に追われやすく、子どもに十分に関わる余裕がなくなりがちです。
 
 
だからこそ、前もって「楽しみ」を用意しておきました。
 
 
「明日の朝は、起きたらテレビを見ようね」「ゲームをしてから行こうか」といったように、朝に楽しみがある状態をつくります。
 
 
そうすることで、起きること自体へのハードルが少し下がります。
 
 
実際に、朝の機嫌がやわらぎ、そのあとに提案することにも耳を傾けやすくなっていきました。
 
 

④ 朝は体を動かして安心を入れる

 
 
それでも不安が強い朝は、言葉でどうにかしようとせず、体から整えることを意識しました。
 
 
扁桃体は、体を動かすことで落ち着きやすい性質があります。
 
 
軽く体を動かしたり、相撲をとったり、ジャンプして遊んだりします。
 
 
ほんの短い時間でも、体を動かすことで不安でいっぱいだった状態が少しずつやわらいでいきました。
 
 
すると、泣く回数が減り、着替えにかかる時間も短くなっていきました。
 
 
ありのままの子どもの姿をそのまま受け取り、肯定的な注目を重ねていくこと。
 
 
その積み重ねが、子どもにとっての安心の土台となります。
 
 
安心があるからこそ、子どもは自分の力で動き出していきます。
 
 
朝に動けない子どもに必要だったのは、「どうやって行かせるか」ではなく、安心を整える関わり方でした。
 
 
安心が先。行動はあと。
 
 
その順番が、登園しぶりの朝を少しずつ変えていったのです。 
 
 
 
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登園しぶりについてよくある質問(FAQ)

Q1. 登園しぶりで朝に泣いて動けないときは、どう対応すればいいですか?

無理に行動を変えようとするのではなく、まず安心を入れることが大切です。朝は不安が強くなりやすい時間帯のため、言葉で説得しようとしても届きにくい状態です。安心が先に入ることで、少しずつ落ち着き、行動につながりやすくなります。

 

Q2.「大丈夫だよ」と声をかけても効果がないのはなぜですか?

不安が強い状態では、脳の働きにより言葉を受け取って考える力が低下しています。そのため、「大丈夫」といった言葉も十分に届かないことがあります。まずは体や気持ちが落ち着く状態を整えることが大切です。

 

Q3.登園しぶりは甘えなのでしょうか?

登園しぶりの多くは甘えではなく、不安が強くなっている状態です。朝は特に不安が先に立ちやすく、動けなくなることがあります。子どもの様子を「できない理由」として受け取ることで、関わり方が変わっていきます。

 
 
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執筆者:有須 みさと
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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