「汚れた服が干される家」
こんなタイトルを見たら、
ちょっとびっくりしますよね。
ですが、
これは我が家で本当にあった話です。
長女は小4の頃から、
毎日、洗濯物を干して、
畳むお手伝いをしてくれていました。
毎日です。
本当に助かっていました。
ただ、私が洗濯機を回し忘れた日。
長女は、
洗濯されていないカラカラの汚れた服を、
そのまま普通に干していました。
普通、気づかない?
そう思いますよね。
私も最初は、
本当に不思議でした。
濡れていない。
洗剤のにおいもしない。
汚れたまま。
それなのに、
いつも通り干している。
だけど、わざとじゃないんです。
本人は本当に気づいていない。
触っても分からない。
においでも分からない。
指先の感覚が鈍いのか。
においに気づきにくいのか。
それとも、
興味がないものだから、
そもそも感覚のアンテナが立っていないのか。
理由は一つではないと思います。
ただ、確かなのは、
「気をつけて」
と何度言ったところで、
すぐにできるようになるものではなかったということです。
長女がようやく、
「洗濯、回し忘れてたよ」
と教えてくれるようになったのは、
20歳になってからです。
小4から毎日やっていたんですよ。
毎日、毎日。
それでも、
指先の感覚や、
状態を見分ける力や、
生活の中で気づく力が育つまでに、
こんなにも時間がかかったんです。
私はこんな経験からも、
苦手なことが育つのには時間がかかる、
ということを身をもって体感してきました。
発達凸凹の子を育てていると、
なんで気づかないの?
何回言ったら分かるの?
毎日やってるのに、どうしてできないの?
そう思う場面がたくさんあります。
片付け。
忘れ物。
準備。
字を丁寧に書くこと。
見直し。
時間を見て動くこと。
人の話を最後まで聞くこと。
どれも、
ママからすると、
ちょっと意識すればできるでしょ?
と思うことかもしれません。
だけど、子どもにとっては、
本当にまだ育っていない力であることがあります。
やる気がないわけじゃない。
ふざけているわけじゃない。
反省していないわけでもない。
ただ、
その力が育つ順番がまだ来ていない。
そういうことがあるんです。
長女は、
英語と数学だけなら
偏差値80を超えるような子でした。
勉強に役立つ部分は、
先にぐんぐん育っていました。
だからこそ余計に、
なんでこれは分からないの?
と思いたくなる場面も
たくさんありました。
勉強はできるのに、
生活の中の気づきはとてもゆっくり。
そこに大きな差があったんです。
一方で次女は違いました。
次女は、
感覚的な部分が先に育ちました。
人の動きや空気を感じる力。
身体で覚える力。
競技の中で磨かれる感覚。
そういう部分が先に育った。
その代わり、
勉強に関する力は後から育っていきました。
「軽度知的障害」
そう診断がつくくらい・・・
同じきょうだいでも、
育つ順番がまったく違う。
この経験があるから、
私は強く思います。
子どもには、
その子その子の育つ順番がある。
先に育つ力もあれば、
とてもゆっくり育つ力もある。
そして、
ゆっくり育つ力を無理やり引っ張り上げようとすると、
その子の自信を削ってしまうことがあるんです。
ここで大事なのは、
できないことを放置しましょう
という話ではありません。
できないことを何度も指摘して、
劣等感を刷り込むくらいなら、
先に育っている力を見つけて、
そこから伸ばした方がいい。
私はそう思っています。
なぜなら、子どもは
自信が育つと、
後から苦手なことにも向かえるようになるからです。
逆に、
なんでできないの?
何回言ったら分かるの?
ちゃんと気をつけて
と言われ続けると、
子どもの中には、
自分はダメだ
どうせまた怒られる
やっても無理
という記憶が残ります。
そして本当に、
苦手なことに向かう力がなくなっていく。
だから私は、
無理に反復練習させることは、
百害あって一利なしだと言い切れます。
反復そのものが悪いのではありません。
自信がない状態で、
苦手なことだけを何度もやらせることが危険なんです。
脳が育っていないところに、
もっと頑張れと負荷をかけても、
育つどころか、
嫌いになる。
苦手になる。
逃げたくなる。
だから今日、
ママに見てほしいのは、
できていないところではなく、
この子は何が先に育っているのか
という視点です。
生活は苦手だけど、
数字には強いかもしれない。
書くのは苦手だけど、
話す力はあるかもしれない。
勉強は遅れているけど、
人の気持ちに敏感かもしれない。
片付けはできないけど、
好きなことへの集中力はすごいかもしれない。
そこに、
その子の伸びる入口があります。
苦手を責めるより、
先に育っている力を使って伸ばす。
この順番です。
できないことを直す子育てではなく、
育っている力から、
まだ育っていない力につなげていく子育て。
それが、
発達凸凹の子の自信を守りながら伸ばす関わり方です。
汚れた服を干していた長女も、
20歳になった今は、
「洗濯、回し忘れてたよ」と教えてくれるようになりました。
時間はかかりました。
ですが、ちゃんと育ちました。
だから大丈夫。
今できないことが、
一生できないわけではありません。
ただ、
育つ順番があるだけです。
ママが今日見る場所を変えるだけで、
子どもの自己評価は変わります。
できないところを責める前に、
この子は今、何が育っているんだろう。
そこから見てあげてくださいね^^


