自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)の子どもがYouTubeをやめられないと、怒っていませんか?すぐに使えるスムーズなやめさせるための声かけと、YouTubeの上手な活用方法をお伝えします。
1.ASDやADHDの子どもはYouTubeをやめられない!上手な付き合い方とは
いつの間にかYouTubeは、私たちの生活になくてはならない存在になっていますね。
でも、子どもは好きな動画を見始めるとなかなか終わることができなくて、
「やめなさいって言ってるでしょ!」なんて親子間のトラブルになることもあります。
特に自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)の子どもはなかなかYouTubeをやめられない傾向にあります。
そこで、ママがイライラしない!子どもとトラブルにならないYouTubeとの付き合い方を解説します。
2.YouTubeは悪!?子どもがやめなくて困るときに親が言いがちなこと
我が家のASD+ADHDグレーゾーンの小3の娘は、一度YouTubeを見始めると、私の声はなかなか耳に届きません。
そんな我が子に「ご飯だよ!」「お風呂だよ!」などと言って返事はしたとしても、
YouTubeをやめて行動するまでにかなり時間がかかります。
何度言ってもやめないので「ご飯だよ!いい加減にやめなさい!」と怒りが爆発します。
こんなことを繰り返していると、次第にYouTube自体を禁止にしようか・・・
YouTubeは悪だ!!なんて考えになってしまいます。
3.ASDやADHDの子どもにとってYouTubeは心のオアシス、その理由とは?
なぜASDやADHDの子どもは、YouTubeをやめられないのでしょうか?
それは子どもの性格のせいではありません。発達に特性があるからです。
その特徴であるポイントは3つ。
①過集中になってしまう
ASDやADHDの子どもは没頭し集中しすぎる傾向にあります。
特に自分の好きなこと、関心のあることに没頭し、集中している間は周囲の様子に注意が行かなくなります。
なのでYouTubeを見ている間は、集中しすぎると家族の声が届きにくくなります。
②切り替えが下手
ASDやADHDの子どもは見通しを立てるのが苦手で、どこで動画をやめたら良いのか、想像できないことがあります。
さらに切り替えが下手なのは、こだわりが強いことも原因です。
同じ行動や興味関心を繰り返し続けたいと思うことから、YouTubeを一度見始めるとなかなかやめられなくなってしまいます。
③衝動性がある
感情のコントロールが苦手です。
怒りをコントロールする脳の部位が未発達なために、怒りを抑制することができません。
そのため「やめなさい!」と無理にやりやめさせると、怒ったり泣いたりすることがあるのは、背景にそのような要因があるからです。
やめるのが難しいなら、YouTubeは禁止にしても良いのでしょうか?
しかしその前に、ASDやADHDの子どもにとって、YouTubeがどんな存在なのかを確認しておきましょう。
ストレスに弱いASDやADHDの子どもにとってYouTubeは、
学校や集団生活でためたストレスを癒す時間だったり、心が回復する時間になっています。
つまりYouTubeは心のオアシスと言えます。
無理に禁止!制限する!となるとかえって子どもが荒れてしまった…という場合は
癒しの場がなくなって、パニックになっているのかもしれないですね。
そのようにならないためにも子どもにYouTubeをやめさせるのではなく、認めていく方が大事です。
これからはAIを活用する時代なので、YouTubeぐらい上手く使いこなせないと困ります。
では上手く使いこなすためにはどうしたら良いのでしょうか?
4.朝からYouTubeもOK!ママが試したい声かけと活用方法
◼️YouTubeの活用方法
親子の会話のきっかけ作りや、どんなものが好きなのかなど、子供の興味を知り、コミュニケーションをとるきっかけにもなります。
また朝が得意ではない子には朝にYouTubeを見てもOK。
「え?いいの?」と思うかもしれませんが、子どもはYouTubeを見たいからと早起きをします。
◼️スムーズにYouTubeをやめさせるためには?
「YouTubeが終わったら〇〇しようね」と終わったらこんなことしようね!と言っておきましょう。
その後にも楽しみがあると子どもは、その楽しみなことをやりたくて、すんなりとYouTubeをやめることができます。
始める前に楽しみを予告しておくのがポイントです。
時間で予告する方法もありますが、いきなり「あと5分」と言うのではなく、
その子にとって何分前に予告をすることがいいのか見極めてみましょう。
10分でやめられる子もいれば、1時間前の予告が必要な子、
さらには前日に「明日は夕方の5時にYouTubeをやめようね」と予告をしてあげた方が心の準備ができるという子もいます。
その子にあった予告を見つけてあげるとスムーズにやめることができると思います。
5.YouTubeパワーを最大限に使う!YouTubeをママも認めてあげよう
我が家では娘にYouTubeをやめさせるために、
「動画が終わったらご飯の準備を一緒にやってね」と誘っています。
我が家はお手伝いをしたらポイントがもらえ、ご褒美に繋がるようにしているので、ご褒美欲しさにがんばっています。
そして朝はYouTubeの時間にしています!
そのおかげで娘は起こさなくても毎日6時頃に自分で起きてきます!
これはYouTubeを見たいからこそのパワーだと思っています。
我が家ではYouTubeは悪とは思っていません。
今では子どもになくてはならない存在だと思っています。
これからもYouTubeを生活に取り入れて、子育てに上手に活用していけたらと思っています。
執筆者: 豊泉 えま
発達科学コミュニケーション トレーナー