読み・書きが苦手な自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが心配で悩んでいませんか?この記事では、読み・書きが苦手な原因やまた親としての心構えとして大事なことをお伝えしています。勉強を楽しく取り組むコツ、皆さんの参考になれば幸いです。
1.こんなに読み・書きが苦手で大丈夫?!と心配していませんか?
子どもの学習に関して悩んでいませんか?
私は、ASD傾向の息子がこんなに読み・書きができなくて、小学校の授業分かるのかな?ついていけているのだろうか?と心配していました。
親としては不安になりますよね。
息子は入学前も、文字に興味を示さず、書いたりすることはむしろ嫌がっていました。
絵本の読み聞かせは好きでしたが、自分で絵本を読むということは、あまりありませんでした。
姉の方は、保育園の時からお友達とお手紙のやり取りをしていたり、絵本も自分で好きな本を読んだりしていたので、その差の大きさに、息子は大丈夫だろうかと不安になっていました。
息子は、小学校の宿題でも文字がまず枠に収まらない、バランスが悪い、書き順もバラバラでした。
しかし私も発達科学コミュニケーションで学び、できていることを褒めるという対応をしていたので、息子は宿題が苦手ではありましたが、毎日頑張っていました。

2.読み・書きできない原因は?
読み・書きが特に苦手な子は、今まで「学習障害」といわれてきたのですが、最近は呼び方が変わり、「限局性学習症」といわれています。
発達の中で学習面において遅れが気になる子ども達で、知的な障害は基本的にありません。
ですので、理解もできるし、思考もできますが、読む・書く・聞く・話す・計算する・推論することのどこか一部に難しさがあったり、苦手が目立つ状態の子達です。
その程度には個人差やバラツキがあります。
書いてはいるがスピードがとても遅かったり、画数が多い漢字などは文字がまとまらなかったり、バランスが悪かったり、鉛筆をそもそも持たなかったりします。
そんな時、ママは一生懸命教え込みたくなりますが、大事なことは「キライにさせないこと」です。

3.読み・書きできないASDの子どもへの心構えとして大事なこと
一生懸命なママは、お家で一生懸命練習させようとします。
すると、鉛筆をもつこと自体が嫌だったり、机に座って何かをするのが嫌だという状況になってしまうこともあります。
しかし、そうなってしまうと挽回しにくくなってきます。
各ご家庭によって考え方は様々ですが、現代は社会生活においては、実際手で書く機会はすごく減ってきているのが現状です。
書くのはだいたいパソコンやスマホなどを使いますし、読み・書きの部分はこれからAI(人工知能)が代わりにやってくれたり、IT技術によって補われていく部分です。
そういう意味では、キライにさせないで読めたらいいか!ぐらいの気持ちでいることや、新しいことを知ったり、調べていくことに興味を持つということの方が大事になってきます。
理解したり、考えたり、新しいことを学ぶことをキライにさせないことがママの心構えとして1番大事ですし、何より発達障害やグレーゾーンの子ども達には、無理強いは基本的に逆効果です。

4.家庭でできる勉強の仕方のコツ3つ
鉛筆を握ったり、書いたりすることは、手先をコントロールする力が必要です。
1)手先のコントロール力を上げる遊びを取り入れる
・折り紙
・塗り絵
・ボール遊び
・少し重いものを持たせる
2)お子さんの特性に合わせて勉強の仕方を考えてみる
得意なことを上手く使って練習させることが大事になってきます。
・視覚優位なお子さんの場合
色分けして文字を書く遊びをすることがおススメです。
部首やその他の部分部分を色を分けて書くと文字はこうやって構成されているんだと認識されやすいため覚えやすくなります。
・聴覚優位なお子さんの場合
漢字の成り立ちを話しながら教えるといいです。
3)「エピソード記憶」で教える
記憶が弱い子は、「これが正しいことですよ」と教えられても覚えられないので、「エピソード記憶」というエピソードだったら覚えています。
例えば、ママが面白い例文を考えてあげて、その一部を文字にして教えてあげたり、本人にダジャレを言わせて、ダジャレに絡めながら文字を覚えるなどのやり方が覚えやすかったりします。

5.息子に合わせた方法で学習をサポート
息子は視覚が優位なため、漢字を覚える時に色分けで書く遊びをしています。
色を分けずに見ながら書くよりも、バランスが良く書けるようになってきました。
また、画数が多い漢字は、微妙に違う漢字になることも多かったのですが、間違いも少なくなってきました。
漢字の読み方に関しては、「エピソード記憶」を使うとすぐに覚えました。
こんなにちがうものか!とびっくりです。
例文の登場人物も家族や友達にしたりして、楽しく覚えることができています。
これからも、「キライにさせないこと」を心構えとして、息子の得意を上手く使って学習をサポートしていきたいと思います。
皆さんの参考になれば幸いです。

執筆者: たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー