白黒思考で完璧主義な子どもに悩んでいませんか?「ちゃんとできないからやりたくない」と行動できない子は、気持ちが緩むと動き出せるようになります。そのために、まずママの心を緩めることから始めましょう。
1.子どもに「何でも全部自分でできるようになってほしい」と思っていませんか?
ママとして、ついこんなふうに思ってしまうことはありませんか?
「自分のことは自分でできるようになってほしい」
「失敗しても立ち直れる強い子になってほしい」
「ちゃんとやれば、もっとできるのに…」
子どもに「しっかりしてほしい」という気持ちは、ママの優しさや愛情の裏返しです。
でも、その思いが強くなりすぎると、知らず知らずのうちに「完璧を求める子育て」になってしまうことがあります。
たとえば──
・宿題を完璧に仕上げるまで遊んだら許せない
・ちょっとでも間違えるとすぐやり直し
・「もう少し頑張ればできるでしょ?」と声をかけてしまう
こうした積み重ねが、子どもの中に「間違えたらダメ」「100点じゃないと意味がない」という思考を育ててしまうことがあるのです。
それがいわゆる白黒思考(しろくろしこう)。
「できる」か「できない」か、「良い」か「悪い」か。
あいまいなグレーの部分を受け入れるのが苦手な考え方です。
子どもがこの思考にハマると、完璧を求めて苦しくなり、ちょっとの失敗で自信を失って動けなくなってしまいます。

2.白黒思考で完璧主義の子どもと私。「ちゃんとしないと!」で苦しんだ過去
実は、子どもの白黒思考や完璧主義の根っこには、ママ自身の思考グセが映し出されていることがあります。
たとえば私自身も、元々は「ちゃんとしなきゃ」「失敗したらダメ」といつも気を張っていました。
家事も育児も仕事も、すべて100点を目指して頑張っていたのです。
でも、ある日ふと疑問が浮かんできたのです。
「“ちゃんと”って、誰の基準だろう?」
「人によって“ちゃんと”は変わるよね?」
思い返せば、子どもが泣いても「そんなことで泣かないよ」と言ってしまったり、 「もっと早く支度できたでしょ?」と責めるような言葉をかけてしまったり。
完璧を求めているのは、子どもではなく“私”だったんです。
その私の緊張感がそのまま子どもに伝わり、 子どもも「失敗してはいけない」「遅かったらダメだ」と思い込むようになっていました。
「できた」「できなかった」しか見えない白黒の世界で、 お互いに苦しくなっていたんです。

3.白黒思考の完璧主義を緩める「1つできたらOK」の考え方
白黒思考を緩めるための第一歩は、『できたこと』を1つ見つけてOKにすることです。
たとえば、朝の支度が全部できなくても──
「今日は自分で洋服を選べたね」
「昨日より少し早く起きられたね」
それだけでOKにしてあげましょう。
子どもにとっては、“できた”を見つけてもらえることで安心感が生まれます。
「全部できなくてもいいんだ」と感じられるようになると、心の中にいい意味で曖昧な“グレーゾーン”が生まれるんです。
ママ自身も同じです。
「今日もイライラしちゃった」と落ち込む代わりに、「でも、昨日より少し優しく声をかけられた」と考える。
この「1つできたらOK」の積み重ねが、白黒思考を緩めていく魔法です。
完璧を目指すよりも、“成長の途中を一緒に楽しむ”ほうが、ずっと子どもは伸びていきます。

4.ママが緩むと子どもも動き出す!
子どもはママの心の鏡です。
ママがピリピリしていると、子どもも緊張し、 ママが「まあいっか」と笑えば、子どももほっとします。
ママが少しずつ“緩む”ことで、 子どもも安心してチャレンジできるようになります。
たとえば──
・失敗しても怒られないとわかるから、挑戦できる
・「これでいいのかな?」と思っても、まずやってみようと思える
・「間違えても次がある」と思えるようになる
このように、ママが“完璧じゃなくていい”姿を見せることが、 子どもの心を緩め、動き出す力を育てていくのです。
焦らなくて大丈夫。
「ちょっと楽になったかも」と思えた日があったら、それが大きな一歩です。

5.まとめ──親子でもっと気楽に楽しく暮らそう!
白黒思考で完璧主義な子どもを変えようとする前に、 まずはママが「1つできたらOK」と思えるようにしてみましょう。
ママが自分を責めるのをやめると、 子どもも「ありのままの自分でいい」と感じられるようになります。
親子で「失敗も経験のうち」「まあ、なんとかなるよね」と笑えるようになったら、 それは最高の成長です。
完璧を目指すより、“一緒に楽しむ”ことを大切に。
そうすれば、親子の毎日はきっともっと軽やかで、幸せなものになりますよ。

執筆者:しまたに あすみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー





