小学生の子どもがゲームからの切り替えが出来ず、毎日バトルになってしまっていた親子が、ママの声かけで切り替えられるように。怒らず済むママの声かけテクニックをご紹介します。
1.ゲームがネガティブからポジティブな付き合い方に変わる方法
ゲームを始めると次の行動になかなか切り替えができずに、その度に親子バトルになってしまうことに疲れてしまっているママはいませんか?
我が家は「ご飯だよ」「お風呂だよ」の声かけにスッと行動が移せず、日常のルーティンがスムーズにいかないことにいつもイライラしていました。
同じようなことでお悩みのママに向けて、親子が気持ち良いゲームとの付き合い方に変えられるようになったお話をお伝えします。

2.ゲームで常に親子バトル
現在小三の娘が、小学校に入学したころ、きょうだいの影響でゲームをやり始めるようになり、徐々にゲームに対する執着が強くなってきました。
一度始めるとなかなかスッとやめられなくなってきたことで私はゲーム依存が心配になり、時間の制限を厳しくしました。
ゲームをしていない時間はソワソワするようになり、ゲームの終わりの声かけをすると 「好きにやらせてよ!」
お風呂の時間を伝えると 「わかってる!何回も言わなくていい」
しまいには 「お風呂なんかめんどくさい」と反発するようになっていきました。
その度に私は 「ルールを守れないなら、ゲームなしになるよ」 と毎回、脅すようにやめさせていました。
それが納得いかなかった娘は、みんなが寝静まった夜中に布団に潜り込んでゲームを隠れてするようになってしまいました。
それに気づいた私は、異常なゲームへの執着に恐怖すら感じてしまいました。
この子はどうなってしまうんだろうと思い、どう対応したらいいのかわからず、結局毎回パパに無理やり終わらせられるという強引な方法しかありませんでした。
このような両親の対応で娘は心を閉ざし、声をかけても聞く耳を持たないようになってしまいました。

3.発達凸凹キッズがゲームをやめられない理由
療育の先生にも、「発達凸凹キッズはゲーム気をつけてね」と言われていたのですが、正直どう気をつけたら良いのかわからないまま…
そんな不安を抱えたまま、娘の反発が強くなっていきました。
どんどん荒れていく娘が心配になって、私は発達科学コミュニケーションマスタートレーナーのいたがきひまりさんに相談しました。
そこで教わったのは、
・発達凸凹キッズは、同じことを繰り返すことで安心するという脳の特性があるので、なかなか飽きることがなく、過集中にもなりやすい。
・脳は良くも悪くも、繰り返すことで習慣づく。
ということです。
「もしかして、ただのわがままじゃないのかも」
その一言で、今までの見方ががらっと変わりました。
娘はただ、安心できる時間を求めていただけだったのです。
私は、その特性を理解せず、無理やり制限するばかりで、娘の気持ちをまったく理解できていませんでした。
無理にやめさせるたびに、娘の心はどんどん離れていっていた
――そのことにようやく気づきました。

4.「やめさせる」ではなく「理解する」に変える
娘の気持ちに気づいてから、私は「やめさせる」のではなく「理解する」方向に変えようと決めました。
ひまりさんからはこんなアドバイスももらいました。
「ゲームはとても楽しい世界だから、すぐに切り替えるのは難しいもの。まずは“やめさせる”前に、ママが安心できる存在になることが大切ですよ。」
その言葉を聞いて、私はハッとしました。
これまで注意ばかりしていた私に、娘の心が閉じていたのも当然だと感じたのです。
そこで、ひまりさんの言葉どおりに「肯定の声かけ」を意識してみました。
笑顔でゆっくり優しい声で名前をよび、
「どんなゲームなの?」
「どうやるの?教えて!」
ゲームに関心・興味を示す声かけをしました。
すると徐々にゲームの説明をしてくれるようになり、私も一緒に楽しんでみるようにしました。
「うまいな〜」 「勝てないよ〜」 と笑い合える時間が増えていきました。
気づけば、娘はとても穏やかな表情で私の話を聞いてくれるようになっていました。
叱るより、認めて寄り添うこと
――それが、心に届く関わり方だったのです。

5.ママが見方を変えることで子どもが変わる
私がゲームに対する見方を180度変えて、子どもの行動をしっかり肯定することで、徐々に穏やかになっていきました。
「やめさせる」よりも「理解する」関わりに変えたことで、私の声かけにも答えてくれるようになっていきました。
そして、『親基準のタイミング』ではなく『子どものここで終わる』というタイミングに合わせた声かけにするようになってから怒らず終われるようになってきました。
「明日もまた楽しもう!」のポジティブな声かけで気持ちよくゲームと付き合えるようになれました。
今では、「ここまでやったらお風呂に入る!」と自分から動くように変わりました。
振り返ると、今までの私のゲームに対する否定的なイメージが子どもに伝わっており、子どもとの関係性に溝を作ってしまっていたことに気づきました。
『ゲーム=悪』のイメージは捨てて、いろんなことを会話にすることで上手に発達につなげることが重要と教えていただきました。
ゲームを発達につなげるという発想がなかったので子どもの好き!がプラスになるという新たな気づきを得ることができました。
子どもの“好き”の中には、その子の安心や成長のヒントが隠れています。
まずは一緒に笑ってみることから
――そこから、親子の信頼はきっと育っていきます。

執筆者:まさき つむぎ
発達科学コミュニケーション トレーナー





