1.やる前から「できない」と言ってしまうのはなぜ?
「やってみよう」と声をかけても、「無理!できない!」とすぐに諦めてしまう…。
そんな姿に、心配とイライラが入り混じってしまうママも多いのではないでしょうか。
特に不安が強い子どもは、「失敗するくらいなら最初からやらない」傾向が強く、チャレンジすることそのものにブレーキをかけてしまうことがあります。
実はこのような言動の背景には、不安感の強さと自己肯定感の低さが深く関係しているのです。
この記事では、「やる前からできないと言う子ども」への対応に悩んでいた私自身の体験をもとに、ママの関わり方ひとつで子どもが変わった実例と、今日からできる声かけ法を詳しく紹介します。

2.「やる前からできない」が口ぐせだった息子
私の息子は、登園・登校に強い不安を感じるタイプで、小学校低学年の頃は母子登校が続いていました。
毎日のように「僕には無理!」「できないからやらない」と言い張る息子に、どう接すればいいのかわからず、育児書や専門サイトを深夜に読み漁る日々。
スクールカウンセラーや医師にも相談しましたが、「見守りましょう」「寄り添ってあげてください」
というアドバイスばかりで、目の前の問題は何も変わらないまま。
私も次第に、「なぜ、うちの子だけ…?」と、出口の見えないトンネルにいるような感覚でした。
振り返ると、息子に「自信を持たせたい」という思いとは裏腹に、
私は毎日イライラしながら、「早くして」「できないことばっかりね」と言葉をぶつけていました。
「もう1年も一緒に登校してるのに…」
「褒めましょうって言われても、褒めるところなんてない!」
そんな風に感じていた私は、子どもを見る視点がすっかりズレていたのです。
大人の焦りやプレッシャーは、敏感な子どもにすぐ伝わります。
「ママが笑わない」→「僕はダメなんだ」→「だからやらない」という負のスパイラルに、
私自身が加担してしまっていたことに気づいたのは、母子登校1年目の終わり頃でした。

3.「できない」と言う子どもには“過去の失敗体験”が影響している
「どうせまた失敗する」
「やってみたけどできなかった」
「頑張っても意味なかった」
子どもがやる前から諦めてしまうのは、過去の失敗体験が強く記憶に残っているからです。
・失敗は恥ずかしい
・失敗=怒られる
・できない自分はダメだ
こうした考えが“思い込み”として定着すると、次第に挑戦する意欲そのものがなくなってしまいます。
子ども自身に「やる気がない」のではなく、「失敗が怖い」だけなのです。
だからこそ、子どもが「やってみよう」と思えるような関わり方が必要になります。

4.子どもが変わるきっかけは『ママの視点の転換』
転機となったのは、「発達科学コミュニケーション」で親子のコミュニケーション方法を学んだことでした。
中でも効果があったのが、「視点を変える」「気持ちを整理する」この2つの実践です。
◆① 視点を変える:当たり前を“すごい!”に変換する
最初に取り組んだのは、子どもの“できていること”に目を向けること。
・起きられた
・朝ごはんを食べた
・着替えた
・顔を洗った
これまで気にも留めなかった日常の小さな行動に対して、「すごいね」「やったね」「できたね」と声をかけるようにしたのです。
最初は息子も「お母さん、どうしたの?」と戸惑っていましたが
「できたことに注目する」声かけが習慣化するうちに、少しずつ表情が明るくなっていきました。
◆② 気持ちを整理する:ネガティブを前向きに変える声かけ
子どもはできなかった事実ばかりに意識が向きがちです。
例えば
「学校行こうと思ったのに、行けなかった。明日も無理かも」
そんな時は、まず共感から入って、次のように声をかけます。
→「行けなくて悔しかったんだね。じゃあ、明日はどうしたら行けると思う?」
→「今日の経験を活かして、次は少し違う方法を試してみようか。」
そして案が出てこない時は、ママが提案してOK。
→「10分早く起きてみようか」
→「好きな朝ごはんを用意しようか」
→「給食の時間だけ行ってみる?」
一緒に作戦を立てることで、やってみようかなという前向きな気持ちが生まれてきます。

5.3か月で母子登校卒業!子どもにもママにも起きた嬉しい変化
この声かけを始めて、2週間ほどで変化が見え始め、
3か月後にはなんと、母子登校を卒業することができました!
子どもの変化
・朝からご機嫌に起きる
・支度がスムーズになる
・前向きな発言が増える
・担任の先生から「顔つきが明るくなった」と言われる
ママの変化
・イライラが激減
・子育てに希望が持てるようになる
・家の中の雰囲気がまあるくなる
・「子育てって楽しいかも」と思えるように
「やる前からできない」と言ってしまう子どもの背景には、不安感・自己肯定感の低さ・過去の失敗体験があります。
その気持ちに寄り添い、ママが視点を変えた声かけをすることで、子どもは少しずつ「やってみよう」と思えるようになります。
焦らず、比べず、できたことを丁寧に見つけてあげてください。きっと親子で「できたね!」と笑い合える日が増えていくはずです。
