きょうだい喧嘩のたびに、叱っては後悔していませんか?ASDの子どもは、学校でのストレスや感覚過敏、こだわりの強さからきょうだい喧嘩が起きやすいことがあります。本記事では、わが家の体験をもとに、理由と叱らずに気持ちを癒す対応を紹介します。
1.きょうだい喧嘩でつい叱ってしまう…対応に困っていませんか?
きょうだい喧嘩が起こるたびに、
「また怒ってしまった…」
「どう対応すればよかったんだろう」
と後悔していませんか?
子どもが二人以上いると、喧嘩することもよくありますよね。
叩いたり、強い言葉が出たりすると、親もつい感情的になってしまうことがあります。
わが家には、自閉スペクトラム症(ASD)の特性があるきょうだいがいます。
以前は、喧嘩のたびに叱ってばかりで、私自身もとても苦しくなっていました。
そこで私は、「叱る」代わりに、ある会話の仕方を意識するようになりました。
すると、きょうだい喧嘩は少しずつ減り、私の気持ちも前より楽になっていったのです。
この記事では、
・ASDの特性があるきょうだいが喧嘩しやすい理由
・実際にわが家で効果あった「子どもを癒す会話」
について、体験を交えてお伝えします。
同じように悩むママの、心が少し軽くなるきっかけになれば嬉しいです。

2.ASDの子どもがきょうだい喧嘩を起こしやすい理由とは?
♦子どもの特性が関係している
わが家の長男と次男は、ともにASDの特性があります。
そのため、それぞれの特性が重なり合い、きょうだい喧嘩が起こりやすいと感じています。
たとえば、わが家の場合、次のような理由が考えられます。
①学校で頑張っているストレス
ASDの子どもは、学校では様々な困りごとを抱えていることが多いです。
例えば、
・友だちにどう話かければいいか迷う
・空気を読もうとして気をつかう
・教室のにぎやかな声や、ざわついた雰囲気が苦手
・先生の指示が聞き取れない
・板書をとることが苦手
・授業の内容に興味がもてない
このような困り事を抱え、ASDの子どもは、学校で毎日たくさんのエネルギーを使っています。
学校では気を張って過ごしている分、家に帰るとその疲れやストレスが一気に出やすくなります。
・ちょっとしたことでイライラする
・思い通りにならないと、感情が強く出てしまう
・近くにいるきょうだいに、強く当たってしまう
そのため、家で起こるきょうだい喧嘩は、学校での頑張りの反動とも言えます。
②感覚過敏
感覚過敏とは、音・光・匂い・触った感じなどを、人よりも強く感じやすいことです。
ASDの子どもは、この感覚がとても敏感な場合があります。
わが家では、長男が耳がとても敏感で、弟の泣き声や大きな声が続くと、強い不快感を覚えます。
本人は「うるさい」と感じているだけではなく、頭が痛くなったり、イライラが一気に強くなることもあります。
その結果、
・思わず耳をふさぐ
・怒ったような態度になる
・叩く・物に当たる
などの行動に出てしまう ことがあります。
③こだわりの強さ
次男は、通る道が決まってないと落ち着かないことがあります。
一方、長男は、おもちゃの置く場所が決まっていないと気になります。
こうした感覚過敏やこだわりは、ストレスがたまっている時ほど強く出やすいと感じています。
そのため、ふだんなら受け止められることも難しくなり、きょうだい喧嘩につながることもありました。
お互いに余裕がない時期には、小さなきっかけで言い合いが増えました。
物を投げてしまうことが続いた時期もあります。
次男が先に泣くことが多く、私はつい長男に注意してしまいました。
早く喧嘩をやめさせようと、二人を大声で叱ってしまったり…
「どう関われば、きょうだい喧嘩は減るのか」と考えるようになったことが、対応を見直すきっかけでした。

3.きょうだい喧嘩が起きた時に試してほしい「子どもを癒す会話」
「子どもを癒す会話」には、4つのステップがあります。
この会話を意識し、私が一人ひとりの気持ちに寄り添って話を聞くようにしました。
その結果、きょうだい喧嘩も次第に減っていきました。
♦①保留:大人側の思いを一時保留して、子どもの様子を観察する
喧嘩を始めたら、まずは観察。
お互いに言い合いしているだけの時は、すぐに間に入らず見守ります。
どちらかが助けを求めてくる、物を投げるなど危険を感じたときは、間に入り、距離を取らせます。
一人を別の部屋に連れていくなどして、まずは気持ちが落ち着く時間を作ります。
♦②受容:泣いてても怒ってても、親が子どもの感情に巻き込まれず受け入れる
泣いていたり怒っている時、子どもの感情が高ぶった状態で、話かけても言葉が届きにくいです。
この時に大切なのは、どちらかの味方をしないこと、どちらかだけを叱らないこと。
わが家では、
・怒っている長男は、別の部屋へ連れていき、好きなおもちゃで遊ぶ、YouTubeを見るなどして、部屋で待っててもらう
→その間に、怒っている気持ちを落ち着かせる。
・泣いている次男には、そばにいて肩をさするなどして、落ち着くのを待つ
という対応をしていました。
♦③理解:子どもが何を感じているのか?確かめたり、代弁して伝える
少し落ち着いてきたら、まずは、泣いている次男から話を聞きます。
見てた様子から、
母「お兄ちゃんが先におもちゃを壊してきたの?」
次男「うん」
母「そっか。それが嫌で、お兄ちゃんのおもちゃ投げたの?」
次男「そう…」
思い出して泣いてしまうこともありましたが、否定せず、そのまま聞くようにしました。
♦④共感:子どもの“ありのままの感じ方”をそのまま受け止める
「そっか。おもちゃ壊されたら嫌だったよね。」 と気持ちを受け止めると、次男の表情が少しずつ落ち着いていきました。
気持ちが落ち着いてきたら、「話してくれてありがとう。お兄ちゃんにも話聞いてくるから、好きなことをして待っててね」と伝えました。
同じように、長男の話も聞きました。
「子どもを癒す会話」の4つのステップで話を聞いていくと、 喧嘩の背景にあった気持ちが、少しずつ見えてきました。
・次男がおもちゃの位置を変えたことにイライラし、次男のおもちゃを壊してしまった
・喧嘩中の次男の泣き声がうるさくて、さらに叩いてしまった
・気持ちを聞いていくことで、次男が学校を休んでYouTubeを見たりしているのが「ずるい」と感じていた
きょうだい喧嘩の背景には、学校でがんばっているストレスが大きく関係していることが分かりました。
このように、「子どもを癒す会話」を意識して対応すると、私が感情的に叱ることも減りました。
また、私が叱らず、きょうだいそれぞれの話を聞く。
そうすることで、子ども達も気持ちをしっかり吐き出し、ストレスを溜め込むことも減りました。
その結果、きょうだい喧嘩が少なくなっていきましたよ。
我が家の体験が、同じように悩むママの参考になれば嬉しいです。

執筆者:木村まい
発達科学コミュニケーション アンバサダー




