入学前にひらがなが読めない子に、どう関わればいいのか悩んでいませんか?本記事では、ひらがなを嫌がっていた息子が、関わり方を見直すことで少しずつ読めるようになった実体験を紹介します。焦らず進めるヒントをまとめました。
1.入学前にひらがなが読めない…どう関わればいい?
入学前になってもひらがなが読めず、どう関わればいいのか迷っていませんか?
・周りの友達はひらがなを読めているのに、うちの子だけなかなか読めるようにならない…
・ひらがなに触れる機会はたくさん作ってきたのに、興味をもたない…
「入学前までには、ひらがなを読めるようにさせなきゃ」
「せめて名前くらいは書けるようにしないと」
そんなふうに焦っていませんか?
私も、ひらがなが読めない息子に、何とか力になりたくて、たくさんの方法を試してきました。
それでもうまくいかず、 ひらがなに触れること自体を嫌がるようになってしまった時期があります。
この記事では、 そこから関わり方を見直していった わが家の実体験をお伝えします。
読み終える頃には、ひらがなが読めるようになるまでの関わり方のヒントが、見つかるかもしれません。

2.ひらがなが読めない息子に、覚えさせようとして嫌いにさせた経験
わが家には、現在小学2年生の自閉スペクトラム症(ASD)のグレーゾーンの息子がいます。
息子が幼稚園に通っていた頃、年中からひらがなドリルに取り組む時間がありました。
ですが、息子はとても嫌がり、ひらがなにも一向に興味を示しませんでした。
ひらがなカードを使って毎日読んでみることもしました。
最初は私の真似をして声に出してくれていたものの、なかなか覚えられない様子に、私の焦りはどんどん強くなっていきました。
「あいうえお表を見せたら覚えるかも」
「かるたなら楽しいかもしれない」
そうやって、良かれと思ってひらがなに触れる機会を増やしていきました。
でも、今振り返ると、その焦りや“覚えさせなきゃ”という気持ちは、しっかり息子に伝わっていたのだと思います。
次第に、私がひらがなの話題を出すだけで、「やだ!やらない!」と怒るようになってしまいました。
この状態は、入学前だけで終わりませんでした。
小学校に入ると文字の練習や宿題が始まり、嫌々取り組むものの、読める文字も書ける文字もなかなか増えず、宿題のたびに癇癪を起こすことが続きました。
では、なぜ息子は、ひらがなが読めず、これほど嫌がるようになってしまったのでしょうか。
次に、その理由について考えていきます。

3.ひらがなが読めない子は、なぜひらがなを嫌がるの?
♦① 発達の特性によって、ひらがなが読めない場合がある
ひらがなに興味がないだけであれば、 小学校で学習が始まってから、自然と読めるようになる子もいます。
一方で、学習障害、境界知能、軽度知的障害など、発達の特性によってひらがなの習得に時間がかかる子もいます。
♦② 言葉の発達の順番と、ひらがなの学び方が合っていなかった
人の脳は、聞く→ 話す→ 読む→ 書くという順番で、言葉を覚えていきます。
まずは、人の話を聞くこと。
次に、自分の言葉で話すこと。
その土台ができてから、文字を読む・書く力が育ちます。
脳の中で言葉をあつかう場所は、「言葉の音」に反応します。
だから、言葉の音を聞いて理解することがまだむずかしいと、文字を読もうとしても、うまくいかないことがあります。
もし、
・話しかけても、子どもがあまり話してくれない
・会話が続かず、すぐ終わってしまう
そんな様子があるなら、まずはたくさん話すこと・聞くことから始める方が合っている場合があります。
ひらがなが読めない時は、いきなり書かせるのではなく、「読めるようになる関わり」を先に考えることが大切です。
読めていないのに、先に「書く」練習をしても、「できない」「分からない」が増えてしまい、子どもにとってはつらい時間になりやすいのです。
また、発達に特性のある子は、楽しくないこと・面白くないことを強く嫌がりやすい傾向があります。
だからこそ、子どもの「好き」や「楽しい」に合わせて、「ちょっとやってみようかな」と思える関わり方を、 大人が工夫していくことが大切です。
私自身、 言葉を覚える順番をよく分からないまま、息子が興味を持てない方法で「書くこと」をやらせていたことに、後から気づきました。
そこから、関わり方を大きく見直していきました。
次は、息子が嫌がらずに、楽しみながらひらがなに触れられるようになった具体的な方法をお伝えします。

4.ひらがなが読めない子を「読める」にしていく関わり方
♦嫌がらずにひらがなを読めるようになるために、わが家がやったこと
これは、息子の場合に必要だった対応です。
すべての子に当てはまる方法ではありませんが、 わが家で効果を感じた関わり方をお伝えします。
まず、ひらがなを書かせたり、無理に読ませたりすることを、いったんやめました。
そして、学校の先生に、書くことをとても嫌がっていることを伝えて、宿題の量や内容を、少しのあいだ調整してもらいました。
そのうえで、「勉強」ではなく、まずは親子の会話を増やすことから始めました。
・ゲーム中に「それ、どうやってやるの?」と聞いてみる
・子どもが嬉しそうに「これはねー!」と話してくれたら、「そうなんだ!」と返しながら、息子の話をたくさん聞く
こうしたやりとりを重ね、息子と楽しく会話できるようになってきたので、息子の好きなこととつなげて、文字にふれる工夫をしてみました。
息子はポケモンが大好きです。
ポケモンの名前を一つ言ってもらい、 私がひらがなでインデックスカードに書きます。
たとえば「りざーどん」なら、最初の一文字は『り』です。
「りざーどんの『り』を探してみよう!」 そう声をかけて、絵本の中から文字を探す遊びにしました。
見つけられたら、「ママがりざーどんの絵を描くよ」と伝えると、「書いてほしい!」と前向きに参加してくれました。
絵を描いてあげたら「あんまり似てないねー」と笑われることもあったけど、親子の楽しい時間に変わっていきました。
1日5分ほどでもできるので、 負担になりにくく続けやすかったです。
また、 文字が10個たまったら小さなご褒美、という形も取り入れました。
これは「やらせるため」ではなく、「楽しかった経験を、またやってみようかな」と思えるきっかけづくりとして使っていました。
子どもは読めるようになったと思っても、数日経つと忘れてしまうケースが多いので繰り返し続けることが大切です。
だから、「やりたくない」と言う日は、無理にはやらず、息子のペースで少しずつ繰り返し触れるようにしていきました。
その積み重ねで、忘れずに読めるひらがなも増えています。
その結果、少しずつ自信がつき
・自分から絵本の文字を読もうとする
・ 幼児向けのひらがなドリルであれば抵抗なく取り組む
などの変化もあります。
息子のペースで、嫌にならない程度に触れ続けることが、 わが家には合っていました。
どこまで取り入れるか、何を今はやらないかは、 それぞれの親子で違っていいと思っています。
わが家の体験が、 何か一つでもヒントになれば嬉しいです。

執筆者:木村まい
発達科学コミュニケーション アンバサダー




