漢字が苦手な発達凸凹っ子の「漢字嫌い」を解消させるお手伝いトレーニング2選

家でお手伝いをしながらできるトレーニングで、漢字が苦手な発達凸凹っ子を成長させましょう。家事を分担できてママも嬉しい、成長できて子どもも嬉しい。そんなお手伝いトレーニングについて、前後編でお届けします。今回は2つのお手伝いをおすすめします!
 
 

1.漢字練習が苦手な子いませんか?

 
 
うちの息子は、母子分離不安がある発達凸凹っ子です。
 
 
息子が小学校に入学してから、一緒に家での宿題をやるようになると、幼稚園児の頃には気が付かなかった息子の苦手分野が見えてきました。
 
 
それは漢字練習です。
 
 
漢字をノートに書き写すこと、その漢字を覚えることが、他の教科や単元に比べても著しく苦手であることが分かったのです。
 
 
初めのうちは、ただ単に初めて習う漢字に慣れていないだけかと思っていました。
 
 
しかし小学校での学習が進むにつれて、それが息子の持つ特性からくるものだということが分かりました。
 
 
息子は「見る力が弱い」という特性を抱えていたのです。
 
 
この見る力とは、単に視力のことのみを指しているのではなく、私たちが「ものを見る仕組み」全体のことを示しています。
 
 
見る力が弱いと、漢字練習以外にも様々な面で学習への影響が出てきます。
 
 
例えば、
 
学校での板書が苦手
 
音読の際に文字や行を読み飛ばしてしまう
 
定規の目盛りがうまく読めない
 
計算の筆算で間違うことが多い
 
 
などの困りごとが見られ、学校生活においても苦労することが多くなります。
 
 
しかし、この力の苦手さは周囲からは気付かれにくく、本人でさえも気づきにくい場合があります。
 
 
そのため、
 
「頑張りが足りない」
 
「集中力がない」
 
「不器用な子」
 
などと、個人の意志や努力不足と勘違いされてしまうことが少なくありません。
 
 
それが積み重なると、
 
「自分はだめだ」
 
「もうやりたくない」
 
と、学習意欲や自己肯定感の低下にもつながってしまいます。
 
 
息子も、漢字練習がストレスとなり、宿題の時間に癇癪を起こしたり、国語の授業がある日は登校を嫌がるようになったり、徐々に困りごとが大きくなっていきました。
 
 
 
 

2.見る力を鍛えることで発達凸凹っ子の可能性を広げましょう

 
 
五感の中で、視覚という感覚は、単にものを見るという意外にも重要な役割を果たしています。
 
 
例えば、休日で混雑している遊園地に行ったとき、人混みを見てどんなふうに思うでしょうか。
 
 
「今日はカップルが多いな〜羨ましいな〜」
と思う人もいれば、
 
 
小さな子を持つママパパであれば
 
 
「子どもが迷子にならないように手を繋いで歩こう」
と思って気を付けたりしますよね。
 
 
これらの反応はすべて視覚から入った情報をもとに判断、処理されています。
 
 
それにより行動を導き出します。
 
 
つまり、見る力とは「視力」「目の正確な動き」「視覚からの情報処理能力」の3つで構成されていることになります。
 
 
発達凸凹っ子は、視力に問題がなくても目を動かすことがうまくできなかったり、情報処理が適切に行えていなかったりする場合があります。
 
 
よって、見る力を鍛えることは、今までできなかったことができるようになったり、苦手だったことを克服できることにつながるのです。
 
 
それは凸凹っ子の可能性を広げ、学力の向上や、運動能力の向上も期待できます。
 
 
息子のように、見る力の弱さが原因で学校生活での困りごとを感じているような場合は、視覚のトレーニングをすることで、その困りごとを小さくしていくことが可能です。
 
 
 
 

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3.見る力のトレーニングにおすすめのお手伝い

 
 
では、どのようにしたら見る力を鍛えることができるのでしょうか。
 
 
発達凸凹っ子の場合、遊びの中でのトレーニングが多いですが、今回ご紹介したいのは、おうちでのお手伝いを通したトレーニングです。
 
 
見る力を向上させるお手伝いとして、2つおすすめします。
 
 

◆①掃除

 
 
1つ目は掃除です。
 
 
掃除は、手元をよく見ないとできません。
 
 
ゴミが残っていないか、汚れている所はないか、目で見て確認しながら動く必要があります。
 
 
この“見ながら手を動かす”ということが、視覚のトレーニングではとても重要な要素になります。
 
 
発達凸凹っ子に掃除をお願いする際は、まずは机の上など2D(平面)の掃除から始めると取り組みやすいと思います。
 
 
机の上を整理整頓したり、汚れがないかよく見たりして、親子で楽しく掃除を進めてみましょう。
 
 
この際、ママは子どものできているところをしっかり肯定してあげてくださいね。
 
 
2Dの掃除が上手にできるようになったところで、段階的に3D(立体)の掃除にも誘ってみてください。
 
 
3Dの掃除とは、お風呂掃除やトイレ掃除などのことです。
 
 
様々な角度からよく見ないときれいにならないため、より難易度が高い掃除になります。
 
 
初めのうちはママと一緒に取り組んだりお手本を見せてあげたりしながら、徐々に子どもが自分で掃除のコツを掴んでいくまで見守ってあげてください。
 
 
この“見ながら手を動かす”掃除の動作が、視覚のトレーニングにはぴったりです。
 
 

◆②洗濯物たたみ

 
 
おすすめのお手伝いの2つ目は洗濯物です。
 
 
洗濯物をたたむことは、3Dの動作になります。
 
 
角を揃えてたたんだり、立体的な洋服をコンパクトに折りたたむには、3Dの情報処理が必要です。
 
 
また、色やサイズの違いから、家族の誰の洋服なのかを判断したり、形によってたたみ方を工夫したりと、よく見て考えながら動くので、視覚機能をフル活用できるお手伝いです。
 
 
「ママとどっちがきれいにたためるか競争しよう!」などと楽しい要素も取り入れながら、洗濯物たたみにも是非チャレンジさせてみてください。
 
 
いずれのお手伝いも、子どもが嫌々やっていたのでは効果は上がりません。
 
 
トレーニングのためのお手伝い!としてしまうと子どもも窮屈に感じてしまうので、意気込みすぎず、親子で楽しく取り組めることが大切です。
 
 
お手伝い表を作ってシールを貼っていったり、できたところにスタンプを押したり、ポイント制にするのも良いですね。
 
 
楽しくできて、お手伝いもトレーニングも叶う!そんな形が理想です。
 
 
視覚機能を伸ばすお手伝い、ぜひ生活に取り入れて、漢字が苦手な発達凸凹っ子の見る力を鍛えていきましょう。
 
 
 
 
執筆者
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ
 
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