不登校の子どもたちが勉強しないのは、心のエネルギーが不足しているから。まずは、お子さんの心の状態を観察することが大切です。勉強しない不登校キッズのために親ができることは、良いタイミングで上手に声をかけること。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.不登校の子どもが勉強しないのはなぜ?
不登校のお子さんが、全く勉強しないことを不安に感じていませんか?
「学校に行っていないんだから、勉強くらいしてほしい」 と思う気持ち、よくわかります。
時間はたっぷりあるのに、ゲームや動画ばかりに熱中する姿を見ていると、文句のひとつも言いたくなりますよね。
しかし実は、不登校のお子さんが勉強しないのは、怠けているわけではありません。
子どもが動き出すためには、ある「順番」があります。
お母さんにできることは、不登校のお子さんの心の状態を理解することと、タイミングを見計らって上手に声かけすることです。
心の状態と声かけのタイミングが合えば、少しずつ勉強に向かうことができます。
私の息子も、不登校になってからまったく勉強をしなくなりました。
不登校のお子さんが、なぜ勉強に気持ちが向かないのか。
そして、5か月後に息子が再びノートを開いたきっかけは何だったのか。
我が家の体験をもとにお伝えします。

2.勉強するために必要なのは、心のエネルギー
私も最初は、息子に勉強をするよう声をかけていました。
「勉強しておかないと、授業についていけなくなっちゃうよ。」
などと声をかけると、息子は嫌々ながら少しは勉強をしていました。
しかし、不登校から1カ月ほどたったある日の夜、息子がこんなことを言いました。
「お母さんの優しさはこれが最高なの?」
私はどういう意味なのかわからず、息子とじっくり会話することにしました。
すると、私の声かけが、学校や勉強へのプレッシャーになっているという意味だったのです。
私はこの時、不登校になるまで深く傷ついている息子に、安心できる環境を整えてあげていなかったことを深く反省しました。
この時から、私は「学校」と「勉強」というワードを一切出さないと心に決めました。
不登校の子どもたちは、好きで学校に行っていないわけではありません。
本当はみんなのように行きたいのに、行けない理由があるのです。
息子の場合は、発達の特性がからんでいました。
自閉スペクトラム症(ASD)の特性により、集団活動への苦手さがありました。
また、勉強も運動も、お友達のように上手にできないことから、自信をなくしている状態でした。
それでもがんばり続けて心が限界に達し、不登校に至っていたのでした。
心のエネルギーがゼロの状態で勉強できるわけがありません。
まずは、心のエネルギーをためることが必要なのです。

3.勉強に向かう前に大切な「心のエネルギー」と元気のサイン
① 心のエネルギーをためる時間が必要
発達コミュニケーションの学びの中で、こんな大きな気づきがありました。
「脳は、楽しいと感じている時の方が発達する」ということです。
脳の研究でも、人は「楽しい」と感じている時の方が、脳が活発に働くと言われています。
その時、脳はやっていることを「得意だ」と感じ、それをやることが嫌ではなくなります。
逆に、「つまらない」「嫌だな」と感じている時は、脳はうまく使われていません。
脳が働かない状態で続けている作業は「苦手なこと」「やりたくないこと」と認識され、嫌だと思う気持ちが強くなってしまいます。
つまり、「勉強を嫌々やると、もっと嫌になってしまう可能性がある」ということなのです。
そこで私は、息子が自分で「やろうかな」と思うまで、まずは心のエネルギーをためることに専念することにしました。
息子が好きなこと、やりたいことだけをやらせる期間をつくったのです。
何カ月もの間、全く勉強しない息子を見ているのは、正直とても不安でした。
「少しくらい勉強したら?」と言ってしまったこともあります。
しかし、その度に
「脳は楽しい時に発達するんだ、
今はエネルギーをためる時期なんだ」
と思い返しました。
「つまらないと思っているものを無理やりやらせることに意味はない」
と何度も心の中で唱えました。
そして、息子の心にエネルギーがたまるのを待ちました。
② 元気が戻ってきたサイン
不登校になって5カ月が経った頃、息子に少しずつ変化が見えてきました。
それは、元気が戻ってきたサインとも言えるような小さな変化でした。
・家の中でお手伝いをするようになる
・外出をしたがる
・今まで興味がなかったものに興味を持ち始める
このような息子の様子を見た私は、勉強へのさりげない声かけをしてみることにしました。
国語・算数などという学校をストレートに連想させるものではなく、アルファベットを使ってみることにしました。
「お母さんから、アルファベット習ってみたくない?」と聞いてみたのです。
さらに 「アルファベットを4つ書けたら、お母さんが考えたオリジナルキャラクターがもらえるよ!」 という楽しいおまけつきにして試してみました。
また、声をかける時間帯にも工夫しました。
息子は「まだ寝たくない」という理由から、寝る前に勉強したがる傾向がありました。
それを踏まえ、寝る30分くらい前に声をかけてみたのです。
すると息子は「やってみたい」と言って、5カ月ぶりにノートに字を書いたのでした。

4.勉強しない不登校キッズのために親ができること
息子は声をかけると、アルファベットを何日かおきに練習するようになりました。
ここで大切なのは、毎日やらせようとしないこと。
毎日やらないからと言って、イライラしたり、がっかりするのはご法度です。
子どものタイミングを見計らって、上手に声をかけます。
また、量も回数もスモールステップで、少しずつ勉強に取り組めるよう声かけすることが大切です。
そうしているうちに、時々、アルファベット以外の勉強にも取り組めるようになってきました。
「勉強を嫌々やると、もっと嫌になってしまう」
このことを、心にとめておくことが必要です。
不登校のお子さんが勉強しない…と不安に感じている時には、まず、お子さんの今の心の状態を観察してみてください。
現在のお子さんの心に、エネルギーがたまっている状態なのかどうかを見極めることが大切です。
お母さんができることは、エネルギーがたまってきたと感じた時に、上手に声をかけてあげることです。
ぜひ、お試しくださいね。

執筆者:三谷のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




