私の娘は白黒思考という脳の思考のくせのためにどんどん自信をなくし、学校を行き渋り、大好きな習い事もやめてしまいました。思考のくせをやわらげ、生き生きした笑顔を取り戻すために私が行ったかかわりを紹介します。
1.笑顔が見られなくなったわが子…この先どうなってしまうのか不安なママへ。
不登校や登校渋りをきっかけに、大好きな習い事もやめてしまった。
「私にできることなんて何もない。」
「好きなことなんて何もない。」
「何もやりたいと思えない。」
あんなに生き生きとしていたのに…
笑顔が見られなくなり、この先この子はどうなってしまうのだろうと不安に思っているママはいませんか?
大丈夫です。
そんな状態から立ち直れた記録を紹介します。

2.自信を失って、笑顔が消えた娘
私の娘は小学3年生のときに、いわゆる9歳の壁にぶつかって自信を失い、突然教室へ行けなくなってしまいました。
学校へはなんとか行くものの、保健室と教室を行き来する学校生活が始まりました。
「おなかが痛い…。」と訴えるのでおさまってから送っていったり、「帰りたいと泣いているので、お迎えにきてもらえませんか。」と学校から電話がかかってきて迎えに行くことも度々ありました。
それでも大好きな習い事がある日には、「学校を休むと、習い事も休まなくちゃならないから!」と自分で気合いを入れて、学校へ行く姿が見られていました。
本人にとっても、私にとっても、習い事は支えであると思っていたのです。
ところが突然、「ママ、習い事やめたい…。」と言ってきたのです。
娘は習い事も大好きで、先生のことも大好きで、お友だちとも仲良くできていました。
むしろ、誰にでも優しくできて礼儀も正しいので、年上の子たちから可愛がられ、年下の子たちから慕われ、同級生たちの中でもいつも輪の中心にいました。
私だけでなく、先生も、習い事先のお友だちもみんなが困惑するほど突然、娘はやめてしまったのでした。
「私にできることなんて何もない。」
「好きなことなんて何もない。」
「何もやりたいと思えない。」
冒頭のこれらの言葉は、すべて私の娘の発言です。
こうして娘は、何にも自信を持つことができず、何もやりたいことも見つからず、ふさぎこんでしまったのでした。

3.自信を失う背景にあった「白黒思考」という考え方のくせ
発達グレーゾーン、ひといちばい繊細な気質を持つ子ども(HSC)たちは、認知のゆがみと言われる脳の特性が見られることがよくあります。
認知のゆがみとは、物事の捉え方や考え方が偏っていて、自分の考え方のくせで捉えてしまう脳の特性のことです。
認知のゆがみは10種類ほどあり、その中の1つに白黒思考があります。
白黒思考とは考え方が極端で、白か黒かのどちらかしか考えられない思考のことを言います。
例えば、
・テストは100点以外は全部ダメ
・ルールを守らない人は絶対に許せない
・少しでも失敗すると、私なんかもうダメだ
・先生に注意されると、先生は私のことなんか嫌いなんだ
・友だちが違う友だちと遊んでいると、私のことなんか嫌いなんだ
こんな風に考えてしまいます。
この思考のクセから白黒思考の子どもは完璧主義となってしまい、周りからみれば十分できているのにもかかわらず、本人の中ではできなかったことばかりが心に残ってしまうようになります。
そして、できない自分が嫌になってしまい、自己嫌悪に陥り、ますます自信を持てなくなっていってしまうのです。
娘は学校で手を挙げて発言して間違えてしまってから、算数の授業に出られなくなってしまいました。
授業に出られない自分はダメなやつなのだと思い込み、学校を休みたがるようになってしまいました。
そしてどんどん自信を失っていく中で、習い事でも「きっともう1番にはなれない。」と一人で絶望し、楽しめなくなってしまい、やめてしまったのでした。

4.白黒思考をやわらげて、自信を育てるかかわり方
そこで私は、心を安定させながら、小さなできたを積み重ねていくことで自信をつけさせ、思考のくせを和らげていくことを目指しました。
まず、家では好きなことを安心して楽しめる時間を意識して増やしました。
ゲームやYouTubeもOKにして、「これが好きなんだね」と関心を向けることを大切にしました。
子どもは自分の好きなものをそのまま認めてもらえると、安心の土台が育ちます。
さらに、
「今日は何してるの?」
「一緒にやらせて。」
「これってどういうこと?教えて~!」
「教えてくれてありがとう!」
などと関心を持ちます。
そして、普段の生活の中では、出来上がったり終わってから褒めるのではなく、やり始めややっている途中でも実況中継をして褒め、できていることに注目できるようにしました。
例えば宿題をする場面。
宿題をし始めようとしたところで
「お、宿題し始めるんだね。」
「ランドセルから出したんだね。」
「今日は何の宿題?」
などと声をかけます。
宿題の途中では、
「もう1問解いたんだね。」
「一生懸命やっていてかっこいいね。」
などと声をかけ、小さなできたを積み重ねて自信をつけさせていきました。

5.自信が育ち、再び動き出した娘
前の習い事をやめて4カ月。
今では朝腹痛を訴えることも、途中で早退をすることもなくなりました。
自分で考えて登校時間を決めて、元気よく出かけていきます。
算数の授業にも、少しずつ出られるようになってきました。
そしてやりたいことを見つけて、新しい習い事を始めるまでになりました。
娘は「まいっか!」と思える場面が増えてきて、思考のくせが和らいできたと感じています。
再び生き生きとし始め、笑顔がたくさんになった娘。
もっともっと自分の人生を楽しめるように、これからも思考のくせを和らげながら、たくさん自信をつけさせてあげたいと思っています。
もし今、お子さんが「できない」「やりたくない」と自信をなくしているときは、まずは今できている小さな行動に目を向けてみてくださいね。

執筆者: くろかわ えり
発達科学コミュニケーション トレーナー





