寝つきが悪い子どもにイライラしてしまうことはありませんか?睡眠が苦手な子どもの背景には、実はさまざまな理由が隠れていることがあります。この記事では、子どもの寝つきが悪い理由とママができる対応法をご紹介します。
1.寝つきが悪い子どもにイライラしてしまうママはいませんか?
「寝つきが悪い」
「すぐに起きてしまう…」
毎晩、寝る時間になると憂鬱になってしまうママはいませんか?
布団に入っても、なかなか寝てくれず、時間だけが過ぎていく…。
「子どもが早く寝てくれれば、自分の時間を取ることができるのに」
私はそんなふうに考えてイライラしていたママの一人でした。
「昼間に運動させなかったから?」
「もしかして睡眠障害なのでは?」
このように理由を探しては自分を責めてしまうママも多いのではないでしょうか。
子どもの睡眠は、ママ自身の心身の健康にも大きく影響します。
だからこそ「何とか改善したい」と思いますよね。
寝つきの悪い子どもの背景には、実は発達の特性が隠れていることもあります。
この記事では、寝つきの悪い子の背景にあるかもしれない理由について考えていきます。

2.小学生になっても寝つきが悪い息子
私の息子は小さい頃から寝つきの悪い子でした。
・抱っこをしないと寝ない
・布団に寝せると起きてしまう
このような状態で、寝かしつけに1時間以上かかることは当たり前。
私はほとんどまとまった睡眠が取れませんでした。
幼少期の寝つきの悪さは、小学生になって少し様子を変えた形で残りました。
・ママが隣にいないと眠れない
・少しの音でも気にする
・ドアの隙間から入ってくる光を嫌がる
・寝る前に不安なことを思い出す
今振り返ると、息子はとても感覚が敏感で、不安を感じやすい子だったのだと思います。
しかし私は、このような息子の様子を見て「なんて神経質な子どもなんだろう」と思っていました。
「いい加減に寝て!」と、寝ない息子を前にイライラする毎日。
そんな自分に自己嫌悪を感じることもありました。
「小学生になったんだから、そろそろ一人で寝てほしい」
そう思いながらも、結局は息子と一緒に寝る日々が続きました。
当時の私は、この寝つきの悪さに「別の理由」があるとはまだ気づいていなかったのです。

3.寝つきの悪さの背景にあったのは、発達の特性だった
Nicotto講座で自閉スペクトラム症(ASD)について学んでいくうちに「寝つきの悪さ」の捉え方が私の中で大きく変わりました。
それは「ASDの特性をもつ多くの人が睡眠に何らかの悩みを抱えている」ということを知ったからです。
ASDの特性をもつ子どもが睡眠に苦手さをもつことは、決して珍しいことではないということを知りました。
睡眠に悩みを抱えやすい理由には、次の2つがあります。
① 感覚の敏感さ
ASDの人の特性をもつ子の中には、視覚・聴覚・触覚などの感覚に敏感さをもつ子がいます。
このような感覚の敏感さがあると、身の回りの少しの音・光・動きが、私たちが感じるよりもずっと大きな刺激となってしまうことがあります。
例えば、
・隣の部屋の人の動き
・一緒に寝ている人のいびきや寝返り
・ドアの隙間から入ってくるほんの少しの光
・寝相が悪くて壁や物にぶつかった時の衝撃
そのため、寝つきが悪くなったり途中で起きてしまうのです。
特性をもっている子どもは、寝ている時でもさまざまな刺激を感じ取ってしまいます。
これは「わがまま」や「気にしすぎ」ではなく、本人も困っていること。
まずは「感じ方の違いにより寝つきが悪いのかもしれない」という可能性を考えることが大切です。
② 嫌な記憶が残りやすい
ASDの特性をもつ子の中には、嫌な記憶が残りやすくフラッシュバックしやすいという特性がある子がいます。
そのため、寝つきが悪くなったり悪い夢を見てしまい、夜中に起きてしまうこともあります。
日中にストレスを感じる出来事があったり、翌日に嫌な予定が入っていたりすることも睡眠に影響を与える場合があります。
また、過ごしている環境がその子に合っていない場合も、寝つきに影響する可能性があるということを知りました。
例えば、
・発達の特性があるのに、無理に周囲に合わせて生活している
・発達の特性を理解してもらえず、叱られてばかりいる
・発達の特性により苦手なことやできないことが多く、自信をなくしている
このような生活を送っている子どもは、嫌な記憶を抱えやすく結果的に寝つきが悪くなってしまうことがあります。
子どもに発達の特性があることを知らずに周囲の人が接することで、子ども自身ががんばりすぎてしまい、心に負担がたまってしまうこともあります。
ですから「なかなか寝ない」という行動だけを見るのではなく、その背景にある子どもの感じ方や記憶にも目を向けていくことが大切なのです。

4.息子の睡眠のために行った2つの対応
そこで私は息子の睡眠を良いものにするために、次の2つの対応を行いました。
① 環境調整
まずは「安心して眠れる環境」を整えることから始めました。
息子が気にしていた光と音に対しては、
・部屋に光が入り込まないよう隣の部屋の電気も消す
・息子が寝る時間に他の家族が活動しないよう配慮する
この2点を意識しました。
また息子自身は自覚していませんでしたが、触覚の過敏さが睡眠に影響している可能性も考え、次の対応をしました。
・息子と私の布団を別にする
・寝るスペースを広く取り、寝返りをしても体がぶつからないよう周囲に物を置かない
それまで私と息子は同じ布団で寝ていましたが、私の寝返りが息子の睡眠を妨げてしまったり、反対に息子の動きで私が目を覚ますこともありました。
また寝相の悪い息子は、夜中に壁やテーブルに足をぶつけることも多く、それが無意識のストレスになっていた可能性もあります。
そこで、広く安全な寝るスペースを確保することを大切にしました。
② 安心と「楽しい記憶」を授ける
次に意識したのは、寝る前の心の状態です。
・寝る前に「今日楽しかったこと」を発表する
もし楽しかったことが思い浮かばない日は「明日楽しみなこと」を発表するようにしました。
寝る前にできるだけ前向きな気持ちで、一日を終えることを意識しました。
・布団の中で楽しい時間を過ごす
大好きな絵本を読む、しりとりをする、クイズ大会をするなど「楽しい気持ちのまま眠りにつく」ことを大切にしました。
・日中のストレス要因を減らす
ASDの特性をもつ子の中には、叱られた記憶や失敗した記憶が強く残りやすい子がいます。
そのため、苦手なことに無理に挑戦させる場面を減らし、楽しい活動や「できた!」と感じられる経験を意識的に増やしました。
ネガティブな記憶よりもポジティブな記憶を多く積み重ねることで、安心して眠れる土台を作ろうと考えました。

5.息子の睡眠の変化
こうして、さまざまな対応を重ねていく中で、息子に少しずつ変化が見られるようになってきました。
寝る前に不安を口にすることが減り、寝つくまでの時間が少しずつ短くなってきました。
また、寝ている最中に私や物にぶつかることもなくなり、朝まで比較的ぐっすりと眠れる日が増えてきました。
私自身も息子とは別の布団で寝るようになったことで、朝まで眠れることが増え、気持ちも体調も少しずつ整ってきました。
「早く寝てほしい!」とイライラいた頃よりも、今は私も息子もずっと質の良い睡眠が取れるようになったと感じています。
お子さんの寝つきが悪く、ついイライラしてしまうママに伝えたいです。
一度「早く寝かせなくちゃ!」という気持ちを手放してみませんか?
毎晩早い時間に寝なくても、ある程度同じリズムで眠れているのであれば過度に心配しなくても大丈夫。
環境を整え、寝る前に安心できる時間を作ることで、お子さんが落ち着いて眠れるようになることもあります。
ぜひ一度、お子さんの様子をよく観察しながら、できそうなことから試してみてくださいね。

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執筆者: 三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー





