子どもが体をこする…これって大丈夫?自慰行為の理由とやさしい関わり方

微笑み合うママと女の子
子どもの自慰行為は異常なのか、頻度が多いときはどう考えればいいのかをやさしく解説します。感覚刺激を好む子どもとの関係、親がやってはいけない対応、正しい声かけ、相談の目安まで分かりやすくまとめました。
 
 

1.子どもが体をこする…これって大丈夫?

 
 
先日、
小学校に入学して間もない娘が、体をこするような行動をしている。
子どもの自慰行為って、どんな意味があるんですか
 
こんな相談をいただきました。
 
 
お子さんの発達のご相談の中で、このようなご相談は意外と多く「これって自慰行為なのかな」「まだ小さいのに大丈夫なのかな」と不安になる親御さんは少なくありません
 
 
私の経験上、特に、もともと落ち着きがなく、体を動かすことが多い子や、感覚刺激を好む傾向がある子にこのような行動は多いように感じています。
 
 
人には相談しづらく、ネットで検索しても一般論ばかりで、自分の子どもに当てはまるのか分からず、お母様たちはますます不安になっているようです。
 
 
結論から言うと
 
子どもの自慰行為は、多くの場合、性欲によるものではなく、発達の過程で見られる自然な行動です。
 
 
ただし、関わり方にはコツがあります。
 
 
叱る、恥をかかせる、無理に止めるといった対応は逆効果になることがあります。
 
 
この記事では、子どもの自慰行為がなぜ起きるのか、頻度が多いときはどう考えればよいのか、親としてどう関わればよいのかを、できるだけ分かりやすく整理してお伝えします。
 
 
不安で胸に手をあてる人
 
 

2.子どもの自慰行為は異常ではないのか

 
 
まず知っておいてほしいのは、幼児期から小学校低学年ごろの子どもが自分の性器を触ったり、股をこすりつけたりする行動は、珍しいものではないということです。
 
 
厚生労働省の調査でも、乳幼児の保護者が感じる「子どもの性に関する心配事」の中で、「自慰行為を目撃した後の対応」は最も多い悩みの一つでした。
 
 
このことからも分かるように、親が不安になるのは自然なことですが、それ自体がすぐに異常を意味するわけではありません。
 
 
多くの専門家は、乳幼児期の自慰行為について、思春期以降のような性欲によるものではなく、感覚遊びや安心行動、体への関心から起こることが多いと説明しています。
 
 
つまり、「こんな小さいのに性的なのでは」と考えすぎる必要はありません。
 
 
まずは、子どもの体と心の発達の中で起きている行動として受け止めることが大切です。
 
 
寝起きの女の子
 
 

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3.なぜ子どもは自慰行為をするのか

 
 
子どもが自慰行為をする理由は一つではありませんが、大きく分けると三つの視点で理解しやすくなります。
 
 

①体の感覚に興味を持つ発達の一部である

 
子どもは成長の中で、自分の体のさまざまな部分に興味を持ちます。
 
 
手や足だけでなく、性器も「自分の体の一部」として気になり、触って感覚を確かめることがあります。
 
 

②触ることで気持ちよさや安心感を得ている

 
性器を触ったりこすったりしているうちに、偶然、気持ちが落ち着く感覚を覚え、それが繰り返されることがあります。
 
 
特に、不安や緊張が強いとき、退屈なとき、暇を感じるときなどに起こりやすいと言われています。
 
 

③感覚刺激を求めやすい子どもの特性

 
今回、ご相談があったお子様は、じっと座っていることが苦手で、常に体を動かしていたり、刺激を求める傾向がありました。
 
 
このようなタイプの子は、体の感覚から得られる心地よさを強く求めやすいことがあります。
 
 
そうした子どもにとって、自慰行為のような行動は、単なる癖ではなく、自分を落ち着かせるための手段の一つになっている場合があります。
 
 
このように考えると、「やめないのはおかしい」と決めつけるのではなく、「この子は今、どういう状態なのだろう」と背景を見ることが大切だと分かります。
 
 
ポイントと人差し指でさしてる手
 
 

4.頻度が多い、やめないときに考えたいこと

 
 
多くのお母様たちが特に悩むのが、「頻度が多い」「注意してもやめない」という点です。
 
 
一般論として「よくあること」と言われても、実際に自分の子が毎日のように繰り返していたら、不安になるのは当然です。
 
 
ここで大切なのは、「頻度が多い=異常」と短絡的に考えないことです。
 
 
頻度が高くなる背景には、いくつかの理由があります。
 
  • 新しい環境に入って緊張している
  • 学校生活で疲れや不安がたまっている
  • 暇な時間が多い
  • 感覚刺激を求めやすい特性がある
  • 行動を自分で切り替える力がまだ弱い
 
 
特に、入学や進級は、子どもにとって大きな環境変化の時期です。
 
 
新しい教室、新しい先生、新しい友だち、今までより長い時間座って過ごす生活など、心も体もかなり緊張しています
 
 
表面的には元気に見えても、そのぶん家で安心行動が増えることは珍しくありません。
 
 
また、感覚刺激を好む子の場合、自慰行為は「やりたいからやる」というより 「落ち着くからやる」「やめたくても切り替えにくいから繰り返す」という面があります。
 
 
ここを理解せずに叱ると、本人もつらく、親子関係も苦しくなりやすいです。
 
 
一方で、次のような場合は、単なる様子見ではなく、少し丁寧に見ていく必要があります。
 
 
  • 性器をこすって傷になっている
  • 痛みやかゆみがありそう
  • 集団生活の中で繰り返し、切り替えが極端に難しい
  • 他の子の体やプライベートゾーンに触れる
  • 目線が合いにくい、強いこだわりがある、癇癪が非常に強いなど、他にも気になる特性がある
 
こうした場合は、自慰行為そのものだけでなく、感覚の問題や発達特性、ストレスの強さなどを含めて考えていくことが必要です。
 
 
虫眼鏡をもっている女性
 
 

5.親ができる正しい対応とやってはいけない対応

 
 
子どもの自慰行為に対して、まず避けたいのは、強く叱ること、恥をかかせること、性を汚いもののように扱うことです。
 
 
「いやらしい」「そんなことしちゃダメ」「恥ずかしいからやめなさい」といった言葉は、その場では止まっても、子どもの中に「自分の体は悪いもの」「性のことは相談してはいけない」という気持ちを残してしまう可能性があります。
 
 
では、どう関わるのがよいのでしょうか。
 
 
基本は、否定ではなく、ルールを伝えることです。
 
 
伝えたいポイントは次の三つです。
 
 
  1. そこは大切な場所であること
  2. 触るなら清潔な手で触ること
  3. 一人のときにすること
 
 
たとえば、「そこはあなたの大事な場所だよ」「触るならきれいな手にしようね」「したいときは、一人のときにしようね」といった、短くて穏やかな言葉が向いています。
 
 
また、行動を無理に押さえつけるのではなく、自然に別の行動へ切り替えられるようにすることも有効です。
 
 
体を動かす遊びに誘う、好きな遊びに気持ちを向ける、手を使う活動を増やすなど、その子に合った方法を探していきます。
 
 
ここで、私が実際に経験した事例を一つ紹介します。
 
 
小学校低学年の女の子で、入学後しばらくしてから、家でソファやクッションに股をこすりつけることが増えたケースがありました。
 
 
お母様は最初、「やめさせないと癖になるのでは」と心配していましたが、叱るのではなく、「大事な場所だから、一人のときにしようね」と繰り返し伝えつつ、放課後に体をしっかり動かす遊びを増やしました。
 
 
すると、学校生活に慣れるにつれて回数が少しずつ減り、数か月後には気にならない程度に落ち着いていきました。
 
 
もちろん、すべての子が同じ経過をたどるわけではありませんが、「今すぐ完全になくす」ことを目標にするよりも、「子どもが安心しながら、少しずつ場所やタイミングのルールを学んでいく」ことを目指す方が、現実的で子どもにも優しい対応になります。
 
 
ランドセルを背負う女の子
 
 

6.どこまでが様子見でよいか、相談した方がよい目安

 
 
子どもの自慰行為は多くの場合、成長とともに落ち着いていきます。
 
 
夢中になれる遊びが増えたり、学校生活に慣れたり、自分で行動を切り替える力が育ったりすると、自然に減っていくことも少なくありません。
 
 
そのため、まずは慌てずに様子を見ながら、正しい関わりを続けることが大切です。
 
 
ただし、次のような場合は、専門家に相談することを考えてよいでしょう。
 
 
  • 性器に赤み、腫れ、かゆみ、痛みがある
  • 行動が非常に激しく、傷つけてしまう
  • 人前での繰り返しが強く、生活に大きく影響している
  • 他者への接触が見られる
  • 発達面や情緒面で他にも心配な様子がある
  • 親が一人で抱え込み、苦しさが強くなっている
 
 
相談先としては、小児科、発達相談、自治体の子育て相談窓口、スクールカウンセラー、発達の専門家へオンライン相談などがあります。
 
 
相談することは、「問題のある子」と決めつけることではありません。
 
 
親子ともに安心して過ごすために、専門家の視点を借りるということです。
 
 
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最後に大切なのは、子どもを責めないことと、親が一人で抱え込まないことです。
 
 
子どもの自慰行為は、知識がないと不安になりやすいテーマですが、正しく理解すれば、必要以上に怖がるものではありません。
 
 
まずは「異常かも」と決めつけず、その子の状態を見ながら、穏やかにルールを教えていくことが大切です。
 
 
微笑み合うママと女の子
 
 

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