ゲームばかりで自分から動かない不登校の息子。夏休みにアクションチャートで「できた」を増やし、行動できない状態から少しずつ自分で考えて動けるようになった体験談です。
1.自分から動かない子どもに悩んでいませんか?
不登校や母子登校が続いていると、まずは「家で落ち着いて過ごせる」ことが最優先になりますよね。
そして少しずつ家の中で安心が整ってくると、次に
「癇癪は減ってきた。表情も戻ってきた。」
「でも、声をかけても動けない。自分から動かない。ゲームばかりで、他の行動に移れない…」
と悩むママはいませんか?
この記事では、そんな「次の壁」にぶつかっているママへ向けて、夏休みを利用して、息子が「あと一歩、自分から動ける」ようになったわが家の体験談をお伝えします。

2.ゲームやTVばかりで動かなかった息子の不登校生活
私の息子は、小2の時から不登校が続いています。
不登校になってすぐの頃は、毎日家で癇癪や暴言がひどくて、私もその対応に必死でした。
当時の息子は、テレビやゲームばかりなのに、心が休めていない感じで表情がずっと硬かったんです。
「好きなことをしているはずなのに、まだ辛そう」な姿が、私にはすごく苦しかったです。
そして、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学びながら、まずは「困りごとを落ち着かせる」ことを優先にしていくと、少しずつ癇癪や暴言は減っていきました。
でも日常生活では、
- 着替えずに1日パジャマのまま
- お風呂に入らない
- 食事は1日2食
- 就寝時間は12時
- 歯磨きをしない
- ゲームやTVばかりで、他の行動に移れない
そんな日が続くたびに、私の中に焦りが出てきました。
「このままでいいのかな」
「いつまでこんな生活が続くんだろう」
そして、声をかけても動かない息子にイライラしていました。
そんなとき、発コミュの学びの中で出会ったのが『アクションチャート』でした。
アクションチャートとは、「今日できそうな行動」を表にして、できたを増やしていく方法です。
この『アクションチャート』を使いながら息子の状態に合わせて「少しだけ頑張ればできること」を毎日積み上げていくと、少しずつ困りごとが減っていったんです。
そこで次のステップとして、
「自分からもっと動けるようになってほしい」
「行動量をもう少し増やせる方法はないかな?」
「ゲームやTVばかりなのをどうにかしたい」
と考えるようになりました。

3.自分で考えて行動できないのは、心のエネルギーが足りなかったから
しかし、どうして息子は、自分から行動できなくなってしまったのでしょうか。
それは不登校になる前、学校でも家でも頑張りすぎていて、心のエネルギーが充電切れになっていたんだと思います。
家にいるようになり、癇癪が落ち着いて見えても、すぐに元の状態へ戻れるわけではありませんでした。
それには、親が思う以上に時間が必要でした。
日常の困りごとが減ってきても、生活を取り戻すだけでいっぱいいっぱいで、「自分から動こう」「何かしたい」と考える余裕までは、まだ足りていなかったんだと思います。
そのため、安心して過ごせるゲームやテレビに自然と時間が向きやすくなる子も少なくありません。
だから、ゲームやTVを無理にやめさせたり、いきなり動かそうとしたりするのではなく、まずは「ゲーム以外にもできた」と感じられる小さな行動を積み上げる順番が必要でした。

4.夏休みに自分から動くきっかけを作ったアクションチャート
そこで私が実践したのが、毎日息子と一緒にやっていた『アクションチャート』です。
夏休みのタイミングを利用して、私はこれを「パワーアップ」させることにしました。
パワーアップしたのは、項目を増やしただけじゃなく、「選びやすさ」と「達成感」が出るように段階を作り直しました。
目的は、ゲームやTVを禁止することではありません。
「ゲーム以外にもできることがある」と息子が自分で気づけるようにすることでした。
たとえば、項目はこんなふうに分けました。
◆簡単にできそうなこと
- 朝ごはんを食べた
- 歯磨きができた
- 着替えができた
◆ちょっと頑張ったらできそうなこと
- 22時までに寝られた
- お手伝いできた(テーブルをふく、バスマットをベランダに干すなど)
- お風呂に入れた
◆少し頑張ってほしいこと
- 外に出られた
- 勉強1ページやれた
ポイントは、「全部やらせる」ではなく、その日の息子に合わせて選べるようにしたことです。
その日に全部できなくていいんです。
7割できたら十分です。
できた分を見える化して、週ごとに「これだけ頑張れた」「これだけやれた」と実感しやすい形にしました。
また、できた分についてはゲーム感覚で点数をつけて「ご褒美」も用意しました。
ご褒美をつけることに抵抗があるママも多いと思います。
私も最初はそうでした。
でも、やってみて分かったのは、ご褒美は子どもを「コントロールして動かすため」ではなく、「できた!」という成功体験を増やすきっかけということです。
だからこそ、ご褒美をあげるときは必ず、
「よく頑張ったね」
「やってくれてママ助かったよ」
「自分でお手伝い選べたのすごかったね」
など行動への言葉の褒めをセットで伝えました。

5.自分から動かない子が、自分で選んで行動できるようになった変化
夏休みを利用して、このパワーアップさせたアクションチャートを実践しました。
すると息子は、
「ご褒美で何買ってもらおうかな」
「このお手伝いならできそうだな」
「あとこれやれたら◯点になるな」
と、ちょっとしたゲーム感覚で考えて動くようになりました。
「やらされる」ではなく、自分でその日にやれることを見つけて行動できるようになったんです。
さらに、不登校になってから外に出るのが怖くなり、日中外に出られなくなってしまっていた息子が、この期間に一緒に買い物に行けるようになりました。
夏休みが終わったあともご褒美がなくても、「布団たたんでこようかな」「そろそろ着替えよー」 と、自分から行動できる日が増えていきました。
もし今、夏休みを前に「何かさせたいけどどうしよう」「ゲームばかりの生活から変えたい」と悩んでいるママがいたら、安心が整ってきた次のステップとして、アクションチャートで「できた」を増やしてみてください。
子どもは、少しずつ「自分で選んで動ける力」を取り戻していきます。

執筆者:えはら みさ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




