いつまでも泣いたり、怒ったりする子どもについイライラしてしまったり、わかってあげられなくてつらい…そんなママはいませんか?感情の切り替えが苦手な子どもへの関わり方のヒントを体験談をもとにお伝えします。
1.いつまでも怒ったり泣いたりする子どもに悩んでいませんか?
嫌なことがあると、いつまでも怒ったり泣いたりする子ども。
解決してあげようとするけどうまくいかず、つい怒ってしまう。
ママだって本当はイライラせずに子どものことをわかってあげたいのに、いつまでも切り替えができない子どもにどう関わればいいのか悩むこともあるのではないでしょうか?
この記事では、自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの子どものいつまでも感情の切り替えができない特性を理解して、ママがうまく付き合えるようになる関わり方をお話しします。

2.嫌なことをずっとひきずってしまう息子
小学5年生の息子は、小さなころから嫌なことがあったあと、切り替えがうまくできないことがよくあります。
例えば、学童のお迎えに行った後、車に乗った瞬間、安心したのか涙があふれ出て泣きじゃくる息子。
そのため車の中で、子どもが落ち着くまでしばらく動けない事がよくありました。
何があったのか尋ねても「言いたくない」と話したがらず、ぶすっとした表情でだまりこんでしまいます。
私も聞いてあげようと必死になって、どんどん責めるような口調になってしまうこともありました。
帰ってきてからもずっと不機嫌なまま過ごし、そのイライラを他の兄弟にぶつけ、けんかになることもよくありました。
「うるさい!」
「〇ねばいいのに!」
など不機嫌な行動や言葉を家族にぶつける息子に我慢できず、そのよくない言動をしかることもあり、余計にイライラさせ、叱った事を後悔することもありました。
学童では、トラブルも少なく過ごしているようで、先生方も気づいていないようでした。
大げさなくらい泣いて、ずっと引きずる息子を見てこの先、大丈夫なのかなと心配になることもありました。
感情を引きずる息子ですが、その理由は「それくらいのことで?」と思ってしまうこともありました。
けれど、息子にとってはすごく嫌だったようで
「その場で、我慢せず言えたらいいのに」
「どうして泣いてる理由を話せないの?」
「もう切り替えてよ」
と手を焼いていました。

3.ネガティブな感情をひきずってしまいやすいASDグレーゾーンの子どもへの関わり方
では、なぜいつまでも嫌な出来事をひきずってしまうのでしょうか?
ASDグレーゾーンの子どもには、気持ちの切り替えが苦手だったり、周りに合わせようと頑張りすぎたりする傾向が見られることがあります。
学校や学童では平気そうに見えても、実はたくさんの我慢や緊張を抱えて過ごしている子も少なくありません。
いつまでも不機嫌を引きずってしまうのは、決してわがままでも、性格が悪いからでもありません。
実は、嫌な出来事があると、不安や悔しさ、悲しさなどの感情が大きく動き、子どもの脳はその気持ちを処理することで精いっぱいになってしまうことがあります。
特に子どもの脳はまだ発達の途中です。
大人のように気持ちを整理したり、「もう大丈夫」と切り替えたりする力は、まだ十分に育っていません。
しかも、感情が大きく揺れているときは、冷静に考えたり、自分の気持ちを言葉にしたりする働きも一時的に弱くなっています。
このような状況ではママに「何があったの?」「どうして泣いているの?」と聞かれても、うまく答えられないことがあるのです。
また、気持ちを整理できないままでいると、嫌だった出来事を何度も思い出し、いつまでも不機嫌な様子が続いてしまうことがあります。
そんな時、ママも「問題を解決してあげよう」と思って子どもに何があったのかしつこく聞き出そうとしてしまいますよね。
いつまでもぐずぐずしている子どもに、
「いつまで泣いてるの?」
「泣き止みなさい」
「怒ってもわからないでしょ!」
と言ってしまうこともあるかもしれません。
けれど、子どもの脳がまだ気持ちを整理できていない状況で無理に切り替えさせようとしても、子どもは嫌な出来事をまた思い出してしまい混乱したり、さらに興奮したりしてしまうことがあります。
だからこそ、問題を解決しようとするよりもいったんママの考えは保留して、ありのままを受け止め子どもの感情を確かめたり代弁したりして理解してあげることが大切になります。
「わかってもらえた」という安心感が生まれることで、子どもの脳は少しずつ落ち着きを取り戻し、自分で気持ちを整理しやすくなっていきます。
いつまでも感情の切り替えができない子どもに付き合うことはかなり根気が必要です。
ママも家事や他のきょうだいのお世話で余裕がないときもあるでしょう。
しかし、いつまでも続く子どものネガティブな感情に巻き込まれすぎず「今は脳が気持ちを整理している途中なんだ」と少し距離を置いて見守ることも大切な関わり方の一つです。

4.子どもの感情を見守るようにしたら、関わり方が楽になった
子どもの特性を知ってからは、子どもがいつまでもネガティブな感情を引きずっているときは優しく声をかけながら、子どもの感情に合わせた関わり方をしました。
◆まずは無理に聞き出さない
無理に聞き出そうとすると、いつも「言いたくない」という息子。
今思えば、言葉にすることで嫌な感情を思い出してしてしまうのが自分でも嫌だったんだと思います。
つい親としては、子どもに起こったトラブルや泣いたり怒ったりしている状況を早くどうにかしなくてはと思ってしまいます。
けれど、まだ子どもの中で嫌な感情がうまく言葉にならない事を理解し、子どもが話したくない時は、無理に話しをするのをやめて見守ることにしました。
◆気持ちが落ち着くのを待つ
自分の気持ちはひとまず横に置いて子どもの感情が自然と落ち着いてくるのを待ち、落ち着いてきたら
「泣きやんだね」
「落ち着けたね」
とできたことに注目して、声をかけるようにしました。
子どものネガティブな感情に私が反応してしまいそうなときは、その場を少し離れて気持ちを落ち着かせたりしながら対応しました。
◆落ち着いてから声をかける
泣く、怒るなどネガティブな感情がいったん落ち着いてから「おやつ食べようか?」など雰囲気をかえるような声かけをすると切り替えることができるようになりました。
話ができそうなら、子どもの感情を確かめたり代弁したりしながら声をかけていきました。
気をつけたいところは、子どもは本心とは違う言葉を口にすることがあります。
とくにASDグレーゾーンの子どもは気持ちを言葉にするのが苦手です。
ママは
- 「何をわかってほしいのかな?」と考えて本心に対して声をかけてあげること
- 子どもがありのままに感じている事を否定せずわかってあげること
- よくない言動に反応せず、受け止めてあげること
そうすることで、わかってもらえたという安心感につながるのです。
子どもの表情が落ち着いて、違う行動をし始めたあと、子どもの話を聞くと、今までなかなか話してくれなかった出来事も、ぽつぽつと話してくれることが増えました。
そして、話した後はすっきりした表情で過ごせるようになりました。
子どもに寄り添うことで、息子は以前より早く落ち着けるようになり私自身も楽になりました。

執筆者:もりやまおりえ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




