分離不安のあるお子さんが居るお母さんは、自分のことは後回しにして子ども優先の時間を作ることが大事だと思っていませんか?でもそれは後々に子どもに間違った認識を与えてしまうことになり兼ねません。ぜひ自分の時間を持てるように考えてみませんか?
1.息子に言われてショックだった言葉
私には当時小学4年生の息子がいました。息子は母子分離不安障害になり学校の授業にひとりで出られなくなってしまったのです。
なので私は仕事も辞め、家事も自分のこともすべて後回しにして、1日中、授業に付き添うための時間に費やしていました。
自分の時間なんて1分もなく「子どものために…子どものために…」と自分のことは後回しにして何もかも我慢をしていました。
そうすることで息子は落ち着くと信じていたからです。
しかし後日、息子から「あの時、1番辛かったことはお母さんが笑わなかったことなんだ。」と衝撃発言がありました。
あの時の私はいつもどんよりして、人生に楽しみなんて見つけられず、つまらない毎日を過ごしていたのは事実。
欲しいものも買えない。
行きたいところも行けない。
やりたいこともできない。
気づけばため息ばかりで、笑顔のひとつもありませんでした。
息子はそんな私の姿を見て「僕のせいだ…」「僕なんて…」「生まれてこなきゃよかったのに」と自分を責めてしまっていたんです。
子どもは親が思う以上に、親の背中をしっかりと見て感じ取っているんだと分かりました。
この経験を経て改めて思うことは、子どもに寄り添いすぎるのは半分正解で、半分不正解なんではないか、ということです。
2.子どもと長く居れば良いことばかりというワケではない
分離不安のお子さんを持つお母さんによく聞かれることは、「もっと子どもに寄り添ってあげたほうがいいんでしょうか?」という内容です。
「子どもに寄り添いましょう」というのは、半分正解で、半分不正解だとお伝えしましたが、それは分離不安を解消するには、寄り添っている時間はあまり重要ではないからです。
なぜかというと、子どもとお母さんが一緒にいることでプラスになることもあればマイナスになることもあるからです。
だから単純に子どもと過ごす時間が長ければ良いということではありません。
良かれと思って子どもと一緒に過ごしていても、それが裏目に出てしまうこともあるんです。
子どもと一緒にいることでお母さんがストレスを抱えたり、そのことで親子バトルが増えてしまうと、かえって子どもの成長に悪影響を与えてしまうかもしれません。
なので一緒に過ごす時間の長さよりどんな時間を過ごすのか?時間の質が大事だと思います!
では、どんな過ごし方なら子どもに良い影響をあたられるのでしょうか?
3.お母さんの没頭する姿はプラスの効果が表れる
それは、お母さん自身が活き活きと自分の人生を楽しんでいる姿を魅せることが何よりも大切だと思っています。
子どもと一緒にいることが子どもにとって幸せだと思われるかもしれませんが決してそうではないのです。
お母さんがやりたいことや楽しいことに没頭する姿を子どもに見せることがとても大事です!そうすると、何より子どもに好影響を及ぼします。
子どもは親が思っている以上に親の背中から学びを得ています。
親が自分のことで我慢している姿を見せていると(親はそのつもりはないですが子どもには分かります)、子ども自身が将来やりたいことなどを後回しにして我慢しようとしてしまいます。
しかしお母さんが我慢せず楽しく没頭している姿を子どもに見せると、子どももやってみようかな?という気持ちがムクムクとわいてくるんです。
それは一番身近な親から自然と学ぶことなので躊躇なくやれるようになるんです。
わが家の息子も、私がやりたいことに没頭していると、母親と離れるようになり、宿題を自分でするようになり、ひとりで寝られるようになり、嬉しい変化がありました。
子どもには何事にも果敢にチャレンジして欲しいと願うお母さんばかりだと思いますが、そのお手本になるのは実は一番近くにいるお母さんなんですね。
是非、没頭する姿を子どもに見せてあげて欲しいと思います。
では、どうやってやりたいこと、没頭することを見つけていくかということになります。
それについては次で説明していきますね。
4.スモールステップで楽しみを見つけていこう!
きっと今この記事を読んでいるお母さんは、自分のことは後回しにしてしまう癖がついている人が多いと思うので、
やりたいことをやるなんて無理!
一体どうやってそんなことをやるの?!
と思っている人もいると思います。
今まで子どものことばかりに目が向いていた時間を、少し自分の時間にあてるような仕組み作りをしていきましょう。
例えばですが、ヨガをやってみようかな、と思ったとします。
ヨガ教室に行くという選択肢も一つ。家でYouTubeを見ながらヨガをするというのも一つ。
自分が無理なくやれるにはどうしたらいいかな?と考えてみて下さいね。
ヨガを丸々1時間しなければいけない、というワケではありません。
10分でも15分でも無理のない少しの時間からスタートしてみて良いんです。
朝に少しだけ早起きしてみたり、子どもが遊びに夢中になっている少しの時間を使ったり、やりやすい時間帯と方法を考えてみましょう。
そして、ヨガといっても色んな種類のヨガがあります。
ハードなヨガもあればゆるいヨガもあります。
教えている人も様々います。
今はYouTubeなどを使って自分好みの先生やレッスンを選ぶことができます。
最初はゆるいヨガで精一杯だったのが、レベルをあげてやってみようかな?と少しずつステップアップしたくなるかもしれません。
「A先生のヨガは、やっていてもあまりやる気が出ないし、楽しくないなぁ…。やっぱりヨガは向いていないのかな…。」
と思うのではなく、「他の先生はじゃあどうかな?」と別の先生のヨガをやってみるなど、直ぐに止めずにいくつかトライしてみましょう。
「B先生のヨガは何だか楽しい!この語り口調に癒される。」
など好きなポイントが見つかるかもしれません。
最初からバリバリやろうとすると続かないかもしれないので、無理なくスモールステップで簡単に楽しく続けられるような仕組みを試行錯誤して作っていってみて下さいね。
楽しくなければそれは義務感へと変わっていきますので、やらなければいけないという思考ではなく「楽しい」、「ワクワク」という気持ちが大事になります。
何か一つ楽しいことを取り入れられる仕組みができると、それを家事などにも置き換えることができるようになるので、先ずは何か1つでいいのでチャレンジしてみましょう!
お母さんからなかなか離れられない分離不安っ子だからこそあえて離れる勇気を持って大きなチャレンジをしてみてくださいね。
お母さんが何かやりたいことを見つけて没頭したり、勉強したりする姿こそが子どもに生き方を見せるチャンスになりますよ!
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執筆者
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー
いたがきひまり