国語の音読の宿題を発達障害グレーゾーンの子どもが楽しめるようになる2つのポイント

発達障害グレーゾーンの子どもは特性も関係して「音読が苦手…」という子が多いです。しかし音読から得られる効果は絶大で、やらないなんてもったいない!音読の当り前を捨て、ママと楽しく習慣にできるポイントをお伝えします。早速、試してみてくださいね!
 
 

1.発達グレーっ子が音読を苦手と感じる理由とは?

 
 
小学校に入ると、毎日いろいろな宿題が出されますよね。
 
 
その中でも、苦手な子が多いのが国語の宿題として出される音読です。
 
 
「音読きらい」というお子さんに頭を悩ませているママも多いのではないでしょうか。
 
 
文章を読むことが苦手だと、国語だけではなく他の教科の学習でもつまづいてしまうのでは?と心配になりますよね。
 
 
では、どうして苦手な子どもが多いのでしょうか?
 
 
特に発達障害・グレーゾーンの子どもが音読を苦手に感じてしまうのには、脳の特性からいくつかの原因が考えられます。
 
 
◆目をうまく使えない
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは目から入る情報をうまく処理できないため、文字をどこで区切ったらいいのか、また文章をまとまりとして捉えられないことがあり、途切れ途切れで読んでしまいます。
 
 
そのせいで文字のまとまりを目で追えずにおかしなところで区切って読んでしまい、読み飛ばしや読み間違いをしてしまいます。
 
 
 
 
◆ワーキングメモリが弱い
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは、一時的な記憶の保持と処理(ワーキングメモリ)が苦手な子がいます。
 
 
そのため脳に記憶が定着しにくく聞いたことある言葉でも、記憶に残っておらず覚えていないということがあります。そのため、初めて見たかのようなたどたどしい読み方になってしまうことがあります。
 
 
また、文章を読む際には、読んだ情報を一時的に記憶に留めておく必要がありますが、その処理がうまくできないことで、文章全体の意味が理解できないということになります。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもが音読につまづいてしまうのには、このような原因が考えられます。
 
 
幼稚園や保育園時代には、絵本を読んだりママに読み聞かせをしてもらったりしていた子どもが、小学校に入学した途端に、突然ひとりで教科書の難しい文章を音読しなければいけないのです。
 
 
そこにギャップを感じてもおかしくありませんよね。
 
 

2.音読から得られる効果とは?

 
 
そんな音読ですが、日本中の小学校でほぼ毎日のように宿題として出されています。
 
 
音読が宿題に取り入れられている理由は何なのでしょうか。
 
 
実は音読には、私たちが思っている以上に様々な効果があります。
 
 
その効果を5つご紹介します。
 
 

◆①語彙力や文章力が向上する

 
 
声に出して文章を読むことで、漢字の読み方や意味、文章の流れを考えながら読めるようになります。
 
 
すると自然に知識も増え、語彙力や文章力の向上文章の構造の理解などが期待できます。
 
 

◆②読解力が向上する

 
 
読解力とは、相手が伝えようとしている言葉の意味を正しく理解する力のことです。
 
 
音読するためには、目で文章を追いながら、同時に自分の声を耳で聞く必要があります。
 
 
これが読解力の向上につながり、一文一文をしっかりと把握して書かれている文脈を理解することができる力になります。
 
 
 
 

◆③集中力が高まる

 
 
音読では、声に出して読む行為に集中することができます。
 
 
音読をしているときは、言語中枢をフル回転させているので、別のことを考える余裕はありません。
 
 
音読を継続することで、少しずつ集中力が養われ、徐々に周囲の誘惑をシャットアウトする力が身につくのです。
 
 

◆④会話が上手になる

 
 
音読を毎日の習慣にし、繰り返し行うことで、舌の筋肉が鍛えられて滑舌が良くなり、大きな声が出せるようになります。
 
 
そうすることで自然な発音にも慣れて、人と話すことへの苦手意識が薄まり、コミュニケーション能力が向上します。
 
 
 
 

◆⑤ストレス軽減・落ち着きが生まれる

 
 
音読することで、脳の前頭前野が刺激されてセロトニンという物質が分泌されます。この物質は、イライラや気分の落ち込みを抑える働きがあります。
 
 
このセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分が落ち着きリラックス効果があります。
 
 
また、声に出して読む音読では、長文になればなるほど長く息を吐くことになります。これは腹式呼吸とも似ているため、心を落ち着かせることにつながります。
 
 
このように、一言に音読と言ってもたくさんの効果があります。
 
 
これらは発達障害・グレーゾーンの子どもにも同じように効果を期待できます。
 
 
この効果が期待できるのあれば、ぜひ子どもには音読を好きになってもらって、積極的に取り組んでもらいたいですよね。
 
 
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3.新しい音読のやり方をマスターしよう!

 
 
では、発達障害・グレーゾーンの子どもが音読への苦手意識を取り除くには、ママがどのようなかかわり方をすれば良いのでしょうか。
 
 
私の子どもが小学校に上がった際、実際に我が家でやって、子どもが「音読だいすき!」になった、とっておきの方法を2つお伝えします。
 
 

◆①ママが読んでもOK

 

「音読=子どもが読む」という当たり前の意識を捨てましょう。

 
 
慣れないうちは、子どもの代わりにママが読むのも一つです。その際は、教科書の文章を指で追ってなぞりながら、子どもと一緒に教科書を見るようにしてください。
 
 
子どもはママの声を耳で聞きながら、目で教科書の文章を追えるようになります。
 
 
ママは、セリフや表現などに工夫して、子どもが聞き取りやすいペースで読んであげましょう。
 
 
 
 
こうすることで、初めて出てきた漢字をママの音読を聞きながら覚えたり、文章のまとまりを考えながら聞いたりすることが、徐々にできるようになります。
 
 
少し慣れてきたら、子どものペースに合わせ、一文ずつ交互に読む、1ページずつ交互に読むなど、子どもの読む割合を増やしていきます。
 
 
この際も、ママが読んでいるときは一緒に教科書の文章を目で追わせてください。
 
 
これを毎日繰り返していくと、いつの間にか子どもはスラスラと自分一人で読めるようになります。
 
 
子どもの気分が乗らない日は、全部ママが読んでもいいんです。
 
 
「音読の宿題=子供が読む」という思考を手放しましょう。
 
 

◆②楽しいエッセンスを入れる

 
 
毎日同じ文章を読むのは退屈です。
 
 
子どもが音読に慣れてくればくるほど、なおさらつまらなく感じてしまうかもしれません。
 
 
そんな時は、楽しいエッセンスをプラスしてしまいましょう。
 
 
我が家でよくやるのが、「誰かの声になりきって読むこと」です。
 
 
例えば、赤ちゃんのような可愛い声、アナウンサーのようなキリッとした声、ヨボヨボのおじいさんの声、など。
 
 
音読に慣れているからこそ取り組める上級テクニックですが、何かになりきって読むことで脳が刺激されて、いつもの音読が数倍楽しいものになります。
 
 
うちの子は色々なバリエーションを持っていて、私はいつもゲラゲラ笑いながら子どもの音読を聞いています。
 
 
 
 
「音読の時間=親子のコミュニケーションの時間」なのです。
 
 
その甲斐もあってか、入学当初は音読が苦手だった息子が、その後どんどん音読が得意になって好きになり、ついにはクラスで「音読名人」と呼ばれるまでに成長しました。
 
 
先生からも音読を褒められることが多く、それが大きな自信となり、友達の前でも堂々と発表できるようになりました。
 
 
たかが音読、されど音読。
 
 
せっかく毎日宿題として出るのなら、その時間を親子のコミュニケーションの時間に変えて、発達凸凹っ子の成長につなげてあげたいですよね。
 
 
ポイントは、音読=子どもが読むもの」ではない!ということ。
 
 
その思考を手放し、音読=親子で楽しむもの、という視点で取り組んでみてください。
 
 
ママとの時間が、きっと子どもの「音読だいすき!」へとつながるはずです。
 
 
 
 
執筆者:長谷川 まこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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