本記事でご紹介するのは『目と手の協応遊び』です!目を使うことが苦手な障害グレーゾーンの子どもにピッタリの遊びです。子どもの脳の成長はおうち遊びで叶います!遊びながら脳を刺激して、子どもの集中力を伸ばしてあげましょう。
1.すぐ気が散る発達障害グレーゾーンの小学生が楽しく成長できる『目と手の協応遊び』
発達障害グレーゾーンの子どもの中には、目で見ながら手を同時に動かすことが苦手な子がいます。
これは「目と手の協応」といい、目の動きに手の動きを合わせる力です。
目から入ってきた情報は、体を動かすことと連動しています。
例えば、ボール遊びをしていて、自分の方に来たボールを取ったり蹴ったりするとき、この力が使われています。
また文字を書くときも、目で見ながら、線を書きたい方向に手を動かすため、目と手の協応が必要です。
このように、目と手の動きを連動させることは、運動面でも学習面でもとても重要な力なのです。
発達凸凹っ子はこの力が弱い子が多く、それにより様々な困りごとが出てきます。
困りごととしては、以下のようなことが挙げられます。
・学校での板書が苦手
・音読の際に文字や行を読み飛ばしてしまう
・定規の目盛りがうまく読めない
・漢字がなかなか覚えられない
・計算の筆算で間違うことが多い
このように、学校生活においても苦労することが数多くあります。
しかし、この力の苦手さは周りから気付かれにくく
「頑張りが足りない」
「不器用な子」
などと個人の意志や努力不足と勘違いされてしまうことが少なくありません。
それが積み重なると、学習意欲や自己肯定感も低下してしまいます。
その結果、「自分はだめだ」「もうやらない」という思考につながってしまうのです。
これが登校しぶりの原因になってしまうことも珍しくありません。
2.板書が苦手で学校に行くのが嫌になった小学生の息子の話
実は、私の息子も発達障害グレーゾーンの子どもです。
息子は勉強が苦手な方ではないのですが、小学校2年生の頃から、登校をしぶるようになりました。
初めは、息子がどうして学校が嫌なのか、なぜ授業に出たくないのか、その理由が分からず途方に暮れました。
しかし、色々と話をする中で、息子が「国語の時間の板書が早くて追いつけない」という困りごとを抱えていることが分かったのです。
1年生の頃は、黒板の字も大きく、授業の進むペースもゆっくりだったため気が付かなかった本人の“苦手”が、2年生になって見えてきたのでした。
そう言われて考えてみると、確かに息子はそれまでも「漢字練習に時間がかかる」「計算式を書き写すのが好きではない」など、目で見て書き写すことに抵抗感を持っていたことに、気が付きました。
息子は「見る力」が弱いという困りごとを抱えていたのです。
この見る力とは、単に視力のことのみを指しているのではなく、私たちが「ものを見る仕組み」全体のことを示しています。
見る力は、トレーニングによって高めることができます。
そのトレーニングが、おうちの中で遊びを通してできたら嬉しいですよね。
そんな目を使うことが苦手な発達障害グレーゾーンの子どもにぴったり!目と手の協応を促すおうち遊びをご紹介します!
3.おうちでできる!『目と手の協応遊び』
今回おすすめしたい遊びは「ジェンガ」です。
ジェンガは、運動や感情の分野の発達に有効だと言われています。
目で見ながら手を動かして積み木を抜くという作業が、目と手の協調運動に役立ちます。
積み木を抜く前にしっかり目で確かめているか、複数の角度から見ているか、そのような点を意識しながら、親子で楽しく取り組んでみましょう。
また、ゲーム中に話しながら進められるかということも、とても大切です。
マルチタスクに対応する力になります。
ママは、リアクションを取ったり応援したりしながら、子どもの様子をよく見てあげてください。
そして、上手に抜いて積めたときや、崩れてしまったけど気落ちを切り替えられたときなど、良いところはゲームの中でどんどん褒めてあげてください。
ママとの楽しい時間が、発達凸凹っ子の自信を育て、成長を加速させます。
子どもは楽しくないことには付き合ってくれません。
「脳の発達のためにトレーニングをしよう!」などと言っても、聞いてくれないですよね。
私たち大人も楽しくありません。
楽しい時こそ、脳はよく働き活性化します。
遊びの中でたくさん子どもを肯定して、楽しく成長につなげてあげましょう。
また、親子で取り組むことで、ママの脳も活性化し、アンチエイジングのトレーニングにもなりますよ!
少しの工夫で、おうち遊びを、親子で楽しみながら成長する時間に変えていきましょうね。
執筆者
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ