分離不安キッズの行き渋りがストップする、見通しを立てる3つの工夫

「幼稚園嫌だ。ママがいい」と大声で泣いてしがみつくひどい行き渋りが、いつまで続くのか分からず不安でいっぱいになっていませんか?この記事では、そんな分離不安による行き渋りの原因の1つ「見通しを立てる」ことについてお伝えします。
 
 

1.いつまで続くかわからない行き渋りをどうにかしたい

 
 
大泣きして「幼稚園嫌だ。ママがいい」と幼稚園に行き渋り、先生に引きはがしてもらう日々。
 
 
どうしてこの子だけ、こんなに泣いているんだろう。
 
 
いったいいつまで続くんだろう。
 
 
明日は行けるかな
 
 
このままでは小学校に行けない。
 
 
不登校になってしまうんじゃないか。
 
 
と、不安でいっぱいになっていませんか?
 
 
本やネットを読みあさり、いろいろ試していても、行き渋りがなかなか解消しない。
 
 
私もそんな一人でした。
 
 
 
 

2.「ママがいい」の意味がわかっていなかった私

 
 
私の息子は、年少の頃から時々行き渋りがありましたが、時々なので、さほど気にしていませんでした。
 
 
そんな息子が、門の前で大泣きしてしがみつき 「ママがいい。ママと離れたくない」と、 ひどい行き渋りが本格的に始まったのは、年長に上がった頃でした。
 
 
それに対して私は
 
「大丈夫だよ。行ったら楽しいよ。4時にお迎えだよ」
 
「お迎えに来なかったことないよね?」と諭したり
 
「もう年長さんだよね?」
 
「泣いたら笑われるよ」
 
プライドを傷つけるような言葉を畳みかけるように浴びせ、何とかその日その日を行かせようとしていました。
 
 
息子はちゃんと「ママがいい」と言っていたのに、私はただ幼稚園に行かせることに必死だったのです。
 
 
逆にこれが、「ママ、ママ」と分離不安を加速させることだとも知らずに…。
 
 
そして、年少、年中、年長と体は大きく成長していくのに、行き渋りは一進一退を繰り返し、息子は「ママ、ママ」とまるで影のように家の中でも私にべったり付いて回るようになりました。
 
 
成長とともに私に対する暴言、暴力もひどくなり、その場しのぎで幼稚園に行かせるということがだんだん効かなくなっていきました。
 
 
そんな中、幼稚園の先生との面談の中で、息子にまだ時間の感覚がついていないことが幼稚園を行き渋る原因ではないかと教えていただきました。
 
 
4時にお迎えだと言われても、今のことしか想像できなくて、4時にママがお迎えにくるという見通しが立たないことが不安なのではないかと。
 
 
幼稚園の先生からご助言をいただいた後、改めて息子が時計の数字を読むことが出来るか確かめてみると、ほぼ数字は読めているようでした。
 
 
しかし、息子との会話から園生活の中で、お預かりの時間に不安を感じていることがわかりました。
 
 
というのも、息子の幼稚園は認定こども園ということもあり、14時以降になるとお預かりの時間となり、担当の先生もその日によって違い、ほぼ自由遊びの時間です。
 
 
息子は、今日はどの先生なのか、この自由遊びの時間に何をするのかわからないことで、例えば「給食の時間が12時」というように、何をしているときが何時なのかという「見通し」が立てられず、不安だったのです。
 
 
 
 

3.母子分離不安による行き渋りの原因の1つは「見通し」を立てられないこと

 
 
母子分離不安の子どもが幼稚園に行くのを渋る原因は様々ですが、原因の一つとして「見通し」を立てることが苦手で、ママと離れてもまたすぐ会えるという見通しが立てられていないということが考えられます。
 
 
「ママと離れたくない」この言葉の裏側にあるのは「ママとここで離れたら、次いつ会えるかわからない。 もう二度と会えないような気がする」という、 大人からは想像もできないほどの大きな不安です。
 
 
子どもは心底本気でそう思っているので、まるで今生の別れのように大泣きしてしがみつくのです。
 
 
その様子に、育て方が悪かったのだろうか、愛情不足なのだろうかと 心配してしまいますが…
 
 
分離不安のある子どもは、もともと不安傾向が強い特性を持っています。
 
 
お子さんはママと離れてもまた会えるという「見通しがうまく立てられない」ことが行き渋りの原因かもしれません。
 
 
 
 
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4.見通しの立て方は点ではなく、線で立ててあげるとうまくいく

 
 
見通しを立てるためには、時間感覚を身に着けることが大切になります。
 
 
そこで私は、「見通し」ということに着目し、息子が幼稚園で少しでも見通しを持って生活ができるように少し工夫をしてみました。
 
 

◆①先生に一日の流れを説明してもらう

 
 
担任の先生に「息子が登園したら、1日の流れの見通しを立てられるように伝えてほしい」とお願いしました。
 
 
園で1日の流れを先生から教えてもらうことで、息子はママが迎えに来る時間の見通しを立てることができるようになったようで、安心して園生活を送れるようになりました。
 
 

◆②事前に予定を親子で確認をする

 
 
親子で幼稚園の予定表をみて1週間の大まかな予定を伝え、前日には「明日は〇〇があるね」と伝えるようにしました。
 
 
当日朝は、再度、今日の予定を伝えるようにしました。
 
 
幼稚園の予定表を見て、1週間の流れを確認していくと、特定の日に行き渋りがあることに気づくことができました。
 
 

◆③時計のお守り

 
 
メモ紙に、お迎えの時間をアナログ時計で書いて「ママ何時にお迎えだっけ?と不安になったらこれを見てね。わからなくなったら、先生に言ってあるから聞いてね」とお守りのように渡しました。
 
 
このように、「見通し」に着目し、親子の関わりを深めていくことで、どんどん息子の様子が落ち着いてきました
 
 
また「見通し」に着目し、時計やカレンダー、予定表を利用したことで、自然と時間や日にちに関する概念を理解できるようになってきました。
 
 
この工夫をするようになってから、2週間もしないうちに時計のお守りもいらなくなり、自分から「今日のお迎えは4時でしょ。行ってきまーす」と元気に登園できるようになりました。
 
 
「〇時にお迎え」という点だけの説明では、うまく見通しを立てられません。
 
 
「〇時にこうして、〇時になったらああして・・・」と具体的に線で伝えると、見通しが立てられるようになってきます。
 
 
見通しを立てる3つの工夫で、行き渋りがストップするといいですね!
 
 
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション  トレーナー
増満咲奈
 
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