自分の思いどおりにならないと癇癪を起こす。嫌なことがあると、その場から逃げ出す。そんな我慢ができないお子さんの対応に苦労されていませんか?我慢ができない子どもがお母さんの対応で感情をコントロールできるようになる!おうち支援の方法をご紹介します
1.我慢を強いられる状況は必ず起こる
お子さんは小学生になると、教室で長時間勉強をしたり、先生の指示に従って行動したりと、たくさんのルールの中で集団生活を送ることになります。
とくに発達凸凹のあるお子さんは、自分のキャパシティ以上の要求や我慢を強いられる機会が多いはず。
発達凸凹キッズは『自分ではどうすることもできない状況』に感情が追いつかず、その状況を打開する方法も思いつかないために、癇癪を起こしたり、登校しぶりをすることで自分を守る行動をするのです。
2.我慢ができない子どもが大人になる前に
『自分ではどうすることもできない状況』に対する「怒り」や「悲しみ」「辛さ」をそのままにしておくと、その状況が変わらない限り、癇癪を起こすか逃げるかの選択をし続けることになってしまいます。
ですが、『自分ではどうすることもできない状況』は、お子さんが大きくなればなるほど、大人になればなるほど増えていきます。
だからこそ、子どものうちに『自分ではどうすることもできない状況』に対処する力を身につけておくのです。
3. 息子の我慢の限界を超えた!登校しぶりから付き添い登校へ
わが家には付き添い登校をしている小3の息子がいます。
息子は小1の頃はいわゆる優等生タイプ。
学校での個人面談でも
「授業中もずっと姿勢よく座っています」
「お友達にも優しく、何も問題はありません」
と先生から言われていました。
ところが、小2の春、激しい腹痛が続き
「学校に行きたくない」
と打ち明けてくれた日から、登校しぶりがはじまりました。
登校しぶりがひどくなると、1人で学校に行くことができなくなってしまい、付き添い登校をスタートしました。
後になって息子が教えてくれたこと、それは「我慢をし続けていた」ということ。
「1年生の頃も本当はずっと我慢してた」
「友達とトラブルもあったけど、俺が我慢しておさまってたから先生は知らないだけ」
など、我慢の限界を超えたんだな、というような話を聞かせてくれました。
4. 共感の声かけと代替案の提案で次に進む力を身につける
我慢ができない子どもが、感情をコントロールできるようになるために、お母さんができるおうち支援の方法を2つご紹介します。
◆①共感の声かけで子どもの感情を受け止める
まずお子さんが身につける必要があるのは、『行き場のない感情』を自分でコントロールする力です。
感情的になっていたり、悲しみ苦しんでいる子どもに
「我慢するしかないの!」
「どうしようもないこともあるの!」
と言っても、子どもは何も変わりません。
まずは
「そんなに嫌だったんだね。」
「辛かったね。悲しいよね。」
とお子さんの気持ちを受け止めましょう。
気持ちを受け止めてもらえることで、子どもの心は落ち着きます。
お子さんが自分で感情をコントロール出来るようにするためには、まずはお子さんの気持ちを受け止め、気持ちを落ち着かせる習慣が必要です。
お母さんのおうち支援で、気持ちを落ち着かせる習慣ができてはじめて、自分で感情のコントロールができるようになるのです。
◆②代替案の提案で次に進む力を身につける
お子さんの気持ちが落ち着いたら、次のステップ。
お子さんが我慢したことに対する「代替案」を提案しましょう。
たとえば、息子の場合。
教室の騒がしい雰囲気が苦手で、母子分離不安もあるため、今は廊下で私が付き添いながら授業を受けています。
「国語の授業は教室に入れなかったら、廊下で一緒に受けてみようか」
「体育の授業は1人で校庭に行って受けてみる?」
など、息子の出来る範囲でステップアップにつながるような提案をしています。
他にも、本当は遠足で食べるお弁当を楽しみにしていたのに、遠足が延期になってしまったことで癇癪を起こしてしまうお子さんがいたとしたら。
家のお庭やベランダにレジャーシートを敷いて、お弁当を食べるなど、楽しみにしていたことや、本当はお子さんがやりたかったことと、同じような内容をすることで、お子さんの脳は納得します。
脳が納得することで、何か一つ出来ないことがあっても、「代わりに他のことをすればいいんだ」と思えるようになっていきます。
そして、自分の思いどおりにいかないことが『すべてではない』と思えるようになることで、理不尽なことが起こっても自分で代替案を考え、次に進む力が身についていくのです。
お子さんが大人になる前に、お母さんのおうち支援でぜひ、その力を身につけさせてあげてくださいね。
執筆者
発達科学コミュニケーション
永瀬 未歩