お子さんの登校しぶりがはじまり、小学校から「付き添い登校をしてください」と言われた!「いきなり言われても、何をどうしたらいいかわからない…」そんなお悩みにお応えすべく、付き添い登校のリアルと、付き添いするメリット・デメリット、付き添う際の注意点をご紹介します。
1.登校しぶりからはじまったわが家の付き添い登校
わが家の息子は、小2の春に登校しぶりがはじまりました。
腹痛を訴え「学校に行きたくない・・・」と言う息子。
はじめは学校の手前まで。
それでも足が止まるようになり、次の日はその先の校門まで。
付き添う距離はどんどん長くなり、ついには校舎の中まで付き添うことになりました。
息子は「ママが一緒なら学校に行く」と言う。
学校へ相談した結果、「お母さんが付き添って登校できるなら、ぜひ付き添ってください。学校側は問題ありません。」という回答。
こうして、わが家の『付き添い登校』はスタートしました。
2.これが付き添い登校のリアル!
一言で『付き添い登校』と言っても、登校時だけ付き添うケース、朝の会まで付き添うケース、終日下校時間まで付き添うケースと、付き添う時間はさまざま。
付き添う保護者の待機場所も、離れた別室で待機すればよいケースや、廊下で付き添うケース、教室の中まで一緒に入り、お子さんの席の隣に座って付き添うケースなど、それぞれのお子さんによって異なります。
息子の場合、教室に入ること自体に苦手意識が出てしまい、息子自身が教室に入れなくなってしまったことから、親子で廊下で過ごすスタイルをとっています。
息子の机と椅子を廊下に出してもらい、私も学校の机と椅子をお借りし、息子の近くに座る。
教室のすぐ隣の廊下にいるため、授業中の先生の声はもちろん、クラスメイトの発言内容もしっかり聞こえます。
配布されるプリントなども先生とお友達のフォローで廊下まで持ってきてもらえます。
そのため、教室に入れなくても、廊下まで登校できれば授業が受けられています。
給食の時間も教室に入ることが難しい日は、お友達が廊下まで運んでくれることも。
そのまま廊下で給食を食べる日もあれば、息子の体調次第では、給食を避けて遅刻・早退をするなどの時間差登校も取り入れています。
息子は授業の内容や先生によっては、教室に入れることもありますが、基本的には廊下にいる私が見える場所でステップアップを目指しています。
3.付き添い登校のメリット・デメリット
付き添い登校のメリットは、お子さんの得意な科目や好きな授業には参加することもできることです。
お母さんなど保護者の付き添いがあることで、不登校にならずに、五月雨であっても授業を受けたり、学校生活を送ることができます。
付き添い登校のデメリットは、何と言っても、付き添う保護者に負担がかかることです。
最近は共働きのご家庭も多いため、仕事の前に学校まで送る朝の付き添い登校だけでも大変な負担。
ましてや、授業の付き添いも必要であれば、仕事を休む必要があったり、引き継ぎなどの調整をする必要がありますし、日中は家のことも何も出来なくなります。
そして、きょうだいがいる場合には、それぞれのお子さんの対応も並行して行わなければならず、精神的・肉体的に過大な負担がかかります。
4.付き添う際に注意すべき点とは?
付き添い登校をするお母さんは
「自分が付き添えば、子どもは学校に通える」
「付き添いをやめてしまったら、子どもは不登校になってしまう」
「自分が頑張らないと」
と自己犠牲のうえで付き添い登校をしていることがとても多いです。
ですが、お母さんだって人間、そしてお子さんの1人登校を目指すためにも、サポートする側のお母さんが体調を崩してしまうことがあっては、お子さんを良い方向へ導くことができません。
ですから、心身ともに『限界』を感じる前に、付き添い登校をやめる決断をされてもいいのです。
わが家の場合は付き添い登校が長期化し、私がワーママとして働いていることもあるため、仕事の都合で付き添いができない日もあります。
そんな日は「明日は終日、研修があるから付き添えないよ」と息子に伝えると「だったら明日は学校、お休みする」と学校をお休みする決断をすることもあります。
逆に付き添いができるときは「今日は朝から付き添いができるよ。どうする?」と提案することで「だったら1時間目から行く。体育は1人で校庭に行けるから、それ以外は廊下に一緒にいてほしい。」など、息子から具体的な提案をしてくれるように。
1人登校に向けたステップアップの目的や、学校との関わりを継続するためにも、付き添い登校にはメリットもあります。
ですが、付き添う保護者が心身ともに崩れてしまっては、お子さんを1人立ちさせるために必要なサポートができなくなってしまいます。
学校の先生やスクールカウンセラー、行政の相談機関などの協力を得ながら、お子さんの1人立ちを目指しましょう。
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
永瀬 未歩