体幹が弱く、すぐにダランとしてしまう発達凸凹っ子の姿勢を改善する3つのアプローチ

「うちの子、何度注意しても姿勢が悪い…」とお悩みのママ。子どもの姿勢の悪さは、体幹の弱さが原因であることが多いです。日常で取り入れられるアプローチから、発達凸凹っ子の姿勢を改善させていきましょう。
 
 

1.発達凸凹っ子の姿勢が悪いのはなぜ?

 
 
椅子に座ったときに、体がぐにゃんと曲がってしまったり、立っていてもすぐにふらふらと動いてしまう子はいませんか?
 
 
そんな子を見ると、
 
 
「あの子はいつも姿勢が悪い!」
 
「だらしない子だな」
 
 
と思って、注意したくなる大人は多いでしょう。
 
 
しかし、発達凸凹っ子の中には、体幹が弱いことが原因で姿勢が悪くなってしまう子がよく見られます。
 
 
体幹の筋肉の発達が十分でないため、姿勢を維持するのが難しいのです。
 
 
一見「だらしなく」見える姿勢ですが、支点を多く作って体を支えているわけです。
 
 
子どもの普段の様子から、次のような場面が見られる場合は、「体幹の弱さ」が考えられます。
 
 
・椅子に座ったとき、机に頬杖をつく、肘をつく、背もたれに寄りかかる
 
・まっすぐ立っていられず、体が動いてしまう、どちらかの足に重心をおいて斜めの姿勢になってしまう
 
・よく物にぶつかる
 
 
いかがでしょうか。
 
 
自分のお子さんに当てはまる様子はありますか?
 
 
子どもたちは、本当はふらふらせずに、良い姿勢を維持したいのです。
 
 
だけど意識して姿勢を保とうとしても、気がつくと楽な姿勢=崩れた姿勢になってしまうのです。
 
 
では、凸凹っ子が姿勢を良くするために体幹を強くするには何が必要なのでしょうか。
 
 
 
 

2.良い姿勢を保つために必要な2つの感覚

 
 
姿勢を維持するためには、「姿勢を感知する能力」「背中の筋肉を程よい緊張状態にする能力」の2つが必要となります。
 
 
ここで重要となる感覚が、「固有受容覚」と「バランス感覚」です。
 
 
◆固有受容覚
 
 
固有受容覚とは、筋肉や関節の動きを感知する感覚です。
 
 
「自分の体をどのように動かせば机の上のものを取ることができるのか」など、体の動かし方に関する感覚だと思っていただければ良いです。
 
 
この固有受容覚があるから、座っているときも自分の体を安定させることができます。
 
 
ですから、「じっと座っていられない」「ふらついてしまう」「よく物にぶつかる」などの困りごとの裏には
 
 
・自分の姿勢を安定させることが難しく、楽な姿勢(崩れた姿勢)になってしまう
 
・適切に手足を動かすことが難しく、ふらふらしてしまう
 
・空間を捉えることが難しく、物にぶつかってしまう
 
 
など、固有受容覚の困難さがあると考えられます。
 
 
◆バランス感覚(=平衡感覚)
 
 
自分の姿勢を感知したり、目の動きなどをコントロールするのに関わっている感覚です。
 
 
体勢が崩れたり、転んだりしないように、バランスをとるのが主な働きで、目が覚めているときは常にこの感覚が使われています。
 
 
この感覚がうまく働かないと、本来ならば無意識にできるはずの姿勢や視線の調節ができなくなるので、姿勢が崩れていても自分では分かりません。
 
 
このように、普段私たちが無意識に使っている感覚がうまく働かないことが、姿勢が崩れる原因となっている可能性があるのです。
 
 
他の子と同じようにできないことは、発達凸凹の子にとって大きなストレスとなります。
 
 
自分では気をつけているつもりでも、どうしても姿勢が悪くなったり、じっとしていることが難しかったりする中で、何度も「姿勢が悪い!」と注意されることは、子どもの自己肯定感を下げることにつながってしまいます
 
 
そんなふうに、子どもが自分を責めたりしないためにも、日常の中でのアプローチで凸凹っ子の姿勢を改善していきましょう。
 
 
楽しみながら取り入れられる基本的なアプローチをご紹介します。
 
 
 
 

\不安が強い子の育て方/
詳しくはこちらをダウンロード!
 ↓↓↓

 
 

3.凸凹っ子の体幹を鍛えて姿勢を改善する3つのアプローチ

 
 

◆①ビーズクッションを使う

 
 
腰を立ててまっすぐ座り続けることが難しい子には、「ビーズクッション」を椅子の上に乗せて使用することをおすすめします。
 
 
中身がビーズなので、座るとお尻や太ももの形に合わせてクッションが変形します。
 
 
すると、両太ももと腰回りがしっかりと支えられた状態になるので、姿勢を保ちやすくなります。
 
 
クッションの大きさは、子どもの体格や好みに合わせて選びましょう。
 
 
勉強中や食事の時間など、一定時間椅子に座っている必要があるときに継続して使うことで、徐々に自分の力で姿勢を保持することができるようになっていきます。
 
 
また、ビーズクッションの代わりに「バランスディスク」を使うことも有効です。
 
 

◆②体幹を鍛える遊びをする

 
 
「体幹を鍛える」と聞くと、腹筋や背筋などの筋力トレーニングを想像されるかもしれませんが、子どもが普段からよくする遊びの中にも、体幹を鍛えられる遊びは数多くあります。
 
 
体幹の直立性は、棒にぶら下がったり、何かに登ったり降りたりするときに鍛えられるため、鉄棒やジャングルジム、木登り、アスレチックなどの運動は、とても効果的です。
 
 
「鉄棒に何秒ぶら下がっていられるか、ママと競争しよう!」
 
 
などと、楽しく運動することで、より効果が高まります。
 
 
公園にある遊具で手軽に体幹トレーニングができるので、親子でチャレンジしてみてください。
 
 

◆③バランス感覚(=平衡感覚)を鍛える遊びをする

 
 
平均台や最近流行りのスラックライン、ブランコなどは、不安定な足場の上で遊ぶので、バランス感覚がよく鍛えられます。
 
 
特にブランコは、体全体を使ってバランスをとるので、平衡感覚の発達促進にはぴったりです。
 
 
その他、ダイエットに用いられることが多いバランスボールなどを使った運動も、バランス感覚を鍛えることにつながります。
 
 
ママはダイエット、子どもはバランストレーニング、と楽しく取り組むことで、親子のコミュニケーションにもなりますね。
 
 
このような運動を日常的に取り入れることによって、徐々に姿勢を保つ体の土台が発達していきます。
 
 
姿勢が悪い子は、一見「だらしない」「やる気がない」と思われがちですが、その裏には発達凸凹っ子の抱える特性が関係しているのです。
 
 
そんな子どもたちの困りごとにしっかりと目を向けて、気持ちに寄り添い、適切なサポートをしていきたいですね。
 
 
「うちの子、体幹が弱いかも!」と思ったママは、今回ご紹介したアプローチをぜひ実践してみてくださいね。
 
 
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ
 
タイトルとURLをコピーしました