母子分離不安で付き添い登校が続く中、不安が強い子への声かけに悩んだ私。少しずつ離れる改善方法として短期目標を設計し「できた」を積み重ねたことで、親子の安心が育っていきました。
1.不安が強い子への声かけに迷い、立ち止まっていた私
少し勇気を出してほしい。
ほんの一歩でいいから踏み出してほしい。
そう願っているのに、どんな関わりをすればいいのか分からない。
背中を押したほうがいいのでしょうか。
それとも待つべきでしょうか。
励ます?それとも、何も言わない方がいいのでしょうか。
間違えたら、また不安を強めてしまうかもしれない。
そう思うと、言葉を選ぶ手が止まってしまいます。
一歩踏み出してほしいと願いながら、自分がどうしたらよいのか分からず立ち止まっているママに伝えたいです。

2.母子分離不安で付き添い登校が続き、出口が見えなかった日々
母子分離不安で付き添い登校をしている息子は、私と一緒なら一日学校で過ごすことが出来ていました。
でも、そこからの一歩がどうしても踏み出せませんでした。
- パパと行けたらいいな
- 1時間でも離れられたらいいな
- 登校班で歩けたら
- 友達と下校できたら
小さな願いを、毎日積み重ねていました。
けれど現実は変わりません。
クラスの体育はできても、全体体育は見学。
給食も食べられない。
運動会の季節も、「少しでいいから」と願うばかりでした。
この状態は、いつ終わるのだろう。
出口がどこにあるのか分からない。
そして気づけば、
「私の関わり方が悪いのではないか」
「もっと違う声かけがあるのではないか」
そんな思いが頭から離れなくなっていました。
前に進めないのは、子どもではなく、私のせいなのではないかと自分を責めるようにもなっていました。

3.母子分離不安は甘えではなく、防衛反応だったと気づいた瞬間
我が子が踏み出せなかったのは、勇気が足りないからではありませんでした。
ママの存在が安全基地になっていて、離れた瞬間に、自分の安全が保障されなくなると感じていたのです。
息子にとって学校は「行く場所」ではなく、「怖い場所」になっていました。
- 離れたら、二度と会えないかもしれない
- みんなに見られている
- 失敗したらどうしよう
そんな不安が一気に押し寄せると、頭で考えるより先に、体が止まってしまうことがあります。
それは、わがままでも甘えでもなく、 動かないことで自分を守ろうとする反応の一つと考えられています 。
不安が強くなると、脳は『挑戦する』より『安全を確保する』ことを優先します。
だから「がんばって」は届きません。
「大丈夫だよ」も、心までは届かないことがあります。
それは、わがままでも甘えでもなく、自分を守るための防衛反応でした。
そう理解したとき、足りなかったのは勇気ではなく、安心の土台だったのだと気づきました。
だから私は、子どもを変えようとするのではなく、自分の関わり方を見直すことにしました。

4.付き添い登校で少しずつ離れるための改善方法は“短期目標の設計”だった
私が発達科学コミュニケーションで学んだのは、子どもの発達段階に合った短期目標を見極める視点です。
これまで私は、「できるようになった姿」を目標にしていました。
でもそれでは遠すぎたのです。
大切なのは、「少しだけがんばればできること」を見つける目を持つことでした。
そこで私は、毎日取り組む行動を見える化して「できた」を積み重ねる『アクションチャート』というものを使いました。
目標は6つ決めます。
- 簡単にできることを3つ
- 少し頑張ればできることを2つ
- 勇気を出してほしいことを1つ
すると、毎日必ず3つは「できた」が残ります。
できなかった1つではなく、できた3つに目を向ける。
評価するのは結果ではなく、挑戦。
「学校に行けた」ではなく、「不安なのに教室の前まで行けたね」。
この視点に変えただけで、子どもの表情は少しずつ変わっていきました。
ときにはアイスやお菓子など小さなご褒美も使います。
うまくいかなかったことは深追いしません。
見るのは、やれたことだけ。
否定が入らない設計だから、子どもは成功体験を積みやすくなります。
その積み重ねが、やがて他の行動にも広がっていきました。

5.「今日もできたね」と言えるようになった親子の変化
アクションチャートを使うようになってから、毎日、最低でも3つは「できた」に丸がつきました。
最初は簡単な項目ばかりです。
それでも、子どもは自分でチェックをつけながら「やった~!アイスゲットだ」と嬉しそうに笑いました。
少し難しそうな目標ができた日は、私はいつも以上に具体的に褒めました。
「怖かったのに挑戦できたね」
「ママも嬉しいよ」
一緒に喜ぶ時間が増えていきました。
すると少しずつ、私と離れられる時間が伸びていきました。
パパと学校へ行ける日も増えていきました。
大きな変化ではありません。
でも、一番変わったのは私でした。
これまでは「今日は何ができなかったか」を数えていたのに、今は「今日もできたね」と心から言えるようになりました。
できない毎日だと思っていた時間は、できていることに気づけていなかった毎日だったのです。
子どもの成長は、大きな一歩だけではありません。
今日の「できた」が、明日の「やってみよう」につながります。
その小さな一歩を、ぜひ一緒に見つけてあげてください。

\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:夏井 さや
発達科学コミュニケーション トレーナー




