我が子にごほうびを使うことに抵抗があるママはいませんか?ごほうびは上手に使うことで、登校しぶりがある分離不安っ子のやる気と行動力のアップにつながります。甘やかしという考えを捨てて、親子の笑顔のためにも日常にごほうびを取り入れてみましょう。
1.登校しぶりの息子のモチベーションを上げる秘策
うちの息子は母子分離不安があり、小2の冬から登校をしぶるようになりました。
「学校に行きたくない」と言い始めた頃は、本当に辛そうで、無理して登校させることができませんでした。
そこから私が息子の対応を学び、声かけを変えたことで、息子は少しずつ自信を取り戻し、学校にも足が向くようになってきました。
「学校なんて絶対に行きたくない!」という状態から、「行っても良いけど、やっぱり嫌だな〜不安だな〜」というようなところまで、心のエネルギーが回復してきたのです。
そこで私は、息子の登校へのモチベーションを上げるきっかけのひとつとして、『登校ポイントを貯めてごほうびをゲットしよう!』というチャレンジを実践することにしました。
心のパワーが足りないときは、ごほうびをチラつかせた登校でポイントをゲットするどころではないですが、少し心のエネルギーが溜まってきた状態であれば、ごほうびはやる気につながると考えたのです。
2.ごほうび=甘やかしではありません
ごほうびを取り入れることに抵抗があるママもいると思います。
「ごほうびがないと頑張れない子になってしまうのではないか」
「ごほうびで釣るなんて邪道だ」
「当たり前のことをしているだけなのに、ごほうびっておかしくない?」
色々な意見がありますよね。
私も以前は、ごほうびを使うことに抵抗がありました。
ごほうび=甘やかしと思っていて、「ごほうびは本当に特別なときだけ!」という感覚だったんです。
でも、そんな考えは古いと気が付きました。
なぜなら、ごほうびは永遠には続かないから。
その時そのタイミングでの分離不安っ子の背中を押すアイテム、やる気を上げるアイテム、心を動かすきっかけとして取り入れたら良いのです。
最初はごほうびが目当てだったとしても、日常の中でしっかり子どもを肯定し続けてあげることで、いつの間にかごほうびがなくても動けるようになります。
ごほうびは、不安が強い子が動き出すきっかけのひとつに過ぎないのです。
3.分離不安っ子が動き出すごほうび活用術
では、実際に我が家でどのような形で登校に対してポイントをつけ、ごほうびにつなげたのかお伝えしますね。
当時の息子は学校には行けるようになったものの、その日の気持ちや時間割によっては遅刻や早退も多く、まだまだ不安もある状態でした。
また、教室で過ごせる日もあれば、少人数の別室で過ごす日もあり、日によってまちまちでした。
そこで私は息子と話し合い、それぞれにポイントをつけることにしました。
まず、何時でも登校したら1ポイント。
教室で授業を受けたコマ数×1ポイント。
給食を食べたら1ポイント。
掃除に参加したら1ポイント。
歩いて下校したら1ポイント。
このように、できたことがひとつひとつポイントになるように設定しました。
そして、合計50ポイント貯まったら○円以内のおもちゃを買ってあげる、というように、日々の頑張りの積み重ねでごほうびに手が届くように決めました。
すると息子は、ポイントゲットに向けて自分でチャレンジするようになってきました。
「今週中にごほうびが欲しいから、今日は午後まで教室で授業を受けてみる」や
「今日給食を食べれば50ポイント貯まるから、今日は食べてから帰る」
など、前向きに取り組めるようになったのです。
嫌々登校させられるのではなく、自分の意思で、調整しながら学校生活を楽しめるように変わっていきました。
そんなふうに学校での滞在時間が長くなると、クラスの子との交流も増え、徐々に登校への抵抗感も薄れていきました。
そして、気が付いたらごほうびなしでも自分から登校できるようになっていました。
「ごほうび、ごほうび」と言っていたのは最初の頃だけだったように思います。
このように、ごほうびを上手に取り入れられれば、分離不安っ子の背中を押すきっかけになります。
ごほうびとして用意するのは、物でなくても良いですね。
“ママと一緒にお出かけする”や、“夕飯に好きなメニューをリクエストできる”など、子どもが嬉しいことなら何でもOKです。
子どもと一緒に、どんなごほうびが嬉しいか、やる気が出るか話してみるのが良いと思います。
また、この『ごほうび大作戦』は登校時だけでなく、宿題への取り組みや朝の準備など、分離不安の子が日常で「ちょっとやる気が出ないな〜不安だな〜」と思うことに何でも使えます。
ごほうびがあることでモチベーションが上がり、子どもが自分から気持ちよく取り組めるのであれば、ごほうび万歳ですよね。
普段の生活の中から、必要であれば躊躇せずごほうびを取り入れて、ママも子どもも笑顔になれる時間を増やしていきましょう。
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ