褒めるのが大切なのは分かるけど、褒め方が分からない。褒めるところが見つからない。そんなママたちに、日常の中でたくさんの「できた!」を見つけて発達凸凹っ子をどんどん褒められるようになるポイントと、褒めることの重要性をお伝えします。
1.子どもへの褒め方が分からないママたち
「子どもに対して褒めたら良いのは分かるけど、どのように褒めたら良いのかが分からない。」
「そもそも、我が子にそんなに褒めるところが見つからない。」
『褒める子育て』をしたいと思っているけれど、こんなふうに子どもへの褒め方に悩んでいるママはいませんか?
特に発達凸凹っ子の場合、普段から発達の状態や行動などで気になる場面も出てくるため、褒めの言葉よりも注意や指示の方が多くなってしまうかもしれません。
うちの場合も、息子は母子分離不安があり繊細、小さなことでも気にしてしまうタイプなので、日常生活においては、褒め言葉よりも命令口調の指示出しや子どもを急かすような声かけが多くなってしまっていました。
しかし、このような言葉は子どものやる気を奪ったり、自己肯定感を下げることにもつながります。
ただでさえ発達凸凹っ子は、周りの子と同じようにやりたくてもできない場面も多く、本人の中で自信を失いがちです。
そんな中、安らげるはずの家庭でも注意ばかりされたり、命令口調で指示されたりすることが続いたら、気持ちが折れてしましますよね。
一番リラックスできる家の中で、一番近くにいるママが、しっかりと褒めて認めてあげることで、発達凸凹っ子の自信が育ち、脳と心を成長させるのです。
2.発達凸凹っ子を褒めることの重要性
では、実際に褒めることがどれくらい発達凸凹っ子の成長に良い影響をもたらすのか、少しご説明します。
褒めることの利点として、
・自主性が育ち、自分で決められるようになる。
・自己肯定感が高まる。
・自信を持ち、積極的に行動できるようになる。挑戦できるようになる。
・親子の信頼関係が深まる。
などが挙げられます。
子どもは褒められることで、「自分は認められた!」という気持ちになり、やる気が生まれます。
また、失敗したり上手くいかなかったことがあっても、挑戦した気持ちや頑張った過程を褒めて認めてもらえたら、もう一度チャレンジしてみよう、また頑張ってみようという気持ちになるでしょう。
このように、褒めることは『認める』ことです。
子どもは、褒めて認められることで自信がつき、苦手なことにもチャレンジできたり、自分自身で考えて前向きに行動できたりするようになります。
特に、ママからの褒め言葉は偉大です。
一番近くにいる大好きなママが褒めることで、子どもの毎日が明るくなります。
ママが自分を見てくれている、認めてくれている、愛してくれている。
そう感じることは、子どもにとって大きな力となり、全てのことへの原動力となります。
「そうは言っても、褒めるところってなかなか見つからない」というママ、大丈夫です!
子どもを褒める場面は、日常の中に溢れています。
次に紹介する肯定のテクニックを参考にしてみてください。
3.すぐに実践できる肯定のテクニック
『褒める』というと、「すごいね!」「えらいね!」などの言葉が浮かぶかもしれませんが、“子どもを肯定する”という目線で見ると、普段の生活の中にたくさんの肯定の場面が見つかります。
ママたちはそれを見落とさず、声をかけてあげれば良いのです。
いくつか例をご紹介します。
◆①感謝する
「ゴミを拾ってくれたんだね、ありがとう」
「食器を運んでくれてありがとう」
など、小さなことで良いので、子どもがした行動に対して感謝の気持ちを伝えます。
子どもは「役に立てて嬉しい」という気持ちになり、貢献欲求が満たされます。
これは自己効力感にもつながり、自分の行動に自信が持てるようになります。
◆②ジェスチャー
『褒め』は声かけだけではありません。
大きくうなずく、拍手、投げキッス、OKやグッジョブのサインなど、ジェスチャーで子どもに伝える方法もあるのです。
これらは、目からの情報として届くので、音で聞くよりも視覚が優位な子どもにとっては、伝わりやすい褒めのアクションになります。
また、このジェスチャーは、ママが疲れているときにも大活躍します。
ママだって人間です。
疲れていたり気分が乗らなかったり、「今日は子どもを褒める元気が出ない…」という日もあるでしょう。
そんな日は、ママが使うエネルギーを最小限に留めて、届けられるジェスチャーで子どもに褒めを伝えれば良いのです。
ジェスチャーも有効、ぜひ覚えておいてください。
◆③同意する
「そうだよね〜」
「ママもそう思うよ!」
このような同意も、子どもにとっては心強い声かけとなります。
ママが自分の気持ちを分かってくれた。
自分の意思を尊重してくれた。
そう思うことは、子どもの大きな自信につながるでしょう。
同意は、肯定の基本となります。
まずは子どもの声にしっかりと耳を傾けて、その内容に理解を示してあげることで、親子の信頼関係も高まり、子どもが安心して行動できるようになります。
同意は誰でもすぐに取り入れられる声かけなので、褒め言葉がうまく見つからないママは、ぜひ同意から始めてみてください。
このように、一言で「子どもを褒める」と言っても、たくさんの要素があります。
「何かすごいことをしたとき、特別なことをしたときに褒めるもの」と思っていると、褒めるタイミングはなかなか訪れません。
日常の中の小さなこと、当たり前のことでもどんどん褒めて良いのです。
ママに褒められた、認められた、感謝された、そのことで発達凸凹っ子はぐんぐん成長します。
ぜひ、小さな「できた!」をたくさん見つけてあげましょう。
親子の毎日が、たくさんのプラスの言葉と笑顔で溢れますように。
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
長谷川まこ