朝の支度が遅い小学生にイライラしていませんか?『着替えるのがめんどくさい!』と言う心理と原因を解説。親子で穏やかに朝を乗り切る声かけのコツも紹介します。
1.毎朝「嫌!めんどくさい!」ばかりでイライラするママへ
新学期を目前に、またあの憂鬱な朝が始まる…。
「着替えたくない!」「めんどくさい〜!」「行きたくなくなってきた〜!」
朝からゴロゴロして着替えも進まず、気づけば時間ギリギリ…。
「早く支度して!」と何度言っても動かない。
そんな小学生の姿に毎朝うんざりしていませんか?
ついイライラして怒ってしまい、親子で嫌な気持ちのまま学校へ送り出す…なんてこともあるのではないでしょうか。
「ちゃちゃっと着替えてしまえば、後はゆっくりできるのに…」
「どうしてうちの子は朝の準備が遅いの?」
「本当はもっと穏やかに見送りたいのに…」
そんな風に悩むママは少なくありません。
実は、子どもが「着替えるのがめんどくさい!」と感じるのには、心理的な理由があるんです。
この記事では、その背景とスムーズに朝の準備ができる声かけのコツをご紹介します。

2.子どもが「着替えるのがめんどくさい!」と言う心理と原因
子どもが毎朝のように「嫌!」「めんどくさい!」と言うのは、ただのワガママではなく、心理的な背景があります。
ここでは3つの視点から整理してみましょう。
◆1.言葉の「便利な逃げ場」
小学生はまだ語彙が十分ではなく、自分の気持ちを細かく表現するのが難しい時期です。
そのため「嫌」「めんどくさい」という短い言葉に、いろんな感情を詰め込んでしまいます。
・学校に行きたくない
・授業が不安
・給食がいや
・本当に着替えるのが面倒
など、本当はたくさんの気持ちがあるのに、それを全部まとめて一言で済ませてしまうのです。
◆2.脳の仕組みで「一歩目」が重くなる
人間の脳は「嫌なことを始めるときに一番エネルギーが必要」です。
特に学校が苦手な子にとっては、「学校に行きたくない気持ち」+「着替えなきゃいけない」が重なって脳の負荷がさらに高まり、動き出すのが余計に難しくなるのです。
大人でも「部屋の片づけをやらなきゃ…」と思いながら、なかなか取り掛かれないことがありますよね。
それと同じで、心のエネルギーが足りずギアが入らない状態なのです。
◆3.安心感がないとますます動けない
朝は「時間に追われる」というプレッシャーが強い場面です。
心理学では、このように強いプレッシャーがかかると、人は「回避行動」をとりやすいとされています。
つまり、ママが「早く!」「まだなの!?」と焦れば焦るほど、子どもは安心感を失って余計に「着替えるのがめんどくさい!」と感じてしまい、エンジンがかからなくなってしまうのです。
つまり「着替えるのがめんどくさい!」の裏には、気持ちをうまく言えないこと+脳のブレーキ+安心感の不足 が重なっているのです。

3.わが家の場合…「着替えるのがめんどくさい」を繰り返す娘
わが家の娘(小6)も、まさにこのパターンでした。
起きるのもギリギリ、やっと起きてもダラダラして着替えようとしない…。
元々学校が苦手なこともあり、ますますやる気が出ません。
学校じゃない日はサッと着替えるので、できないわけではないのですが、気持ちを動かすのに毎日苦労していました。
時間が迫るなか、声をかけても動かず、焦る様子もない娘に、私の声かけもどんどん強くなってしまいます。
親子のやり取り(当時)
私:「着替えるよ〜」
娘:「嫌〜、めんどくさい〜」
私:「あと○分で着替えてね」
娘:「えーーー無理ーー」
最初は穏やかに言っていても、動かない娘にイライラして、結局ガミガミ怒る毎日…。
朝からクタクタで、正直うんざりでした。

4.実践!「着替えるのがめんどくさい」を解消する声かけ術
朝からイライラしたくない!穏やかなママでいたい!
子どもが「着替えるのがめんどくさい!」と言って動けないのは、やる気がないからではなく、脳のブレーキが強くかかっているからです。
親の声かけひとつで、そのブレーキをゆるめてあげることができます。
◆1. 気持ちを言葉にさせてブレーキを外す
まずは子どもの「めんどくさい」という気持ちを否定せず、受け止めてあげることが大切です。
心理学では「カタルシス効果」と言い、ネガティブな感情を口に出すことで心が軽くなる現象を指します。
ポイントは『共感+質問』です。
ママ:「めんどくさいよね〜、嫌だよね〜」
子ども:「うん…(だるそうに)」
ママ:「それでそれで?今日何か嫌なことあるの?」
このように優しく尋ねると、「今日は算数が嫌なんだ…」と、隠されていた本当の気持ちを話してくれることがあります。
気持ちを吐き出させてあげるだけで、心の重さが軽くなり、次の行動に移りやすくなるのです。
◆2. タスクを細かく分けて指示する
「早く着替えて!」と声をかけていませんか?
子どもにとって「着替える」という行動は、たくさんの工程が必要で、面倒に感じてしまうことがあります。
「服を選ぶ」「パジャマの上を脱ぐ」「ズボンを履く」…
このようにひとつひとつの行動を分解してあげると、子どもは「これならできそう!」と感じて動きやすくなります。
ママ:「じゃあ、まずはパジャマを脱いでみようか」
子ども:「…(パジャマの上を脱ぐ)」
ママ:「もう脱いだんだね!じゃあ次は、この服を着てみよう!」
このように、簡単な指示から伝えてみましょう。
最初のギアさえ入れば、その後はスムーズに進めることが多いのです。
◆3. 小さな一歩でも「できた!」をすぐに認める
「頑張って着替えたら褒められる」という経験は、子どものやる気を引き出す一番の原動力になります。
褒められると、子どもは「嬉しい!また頑張ろう!」と感じ、自ら行動するようになります。
たとえ一部分だけでも動けたら、すぐに褒めるのがポイントです。
行動と褒めがセットになると、子どもは「やればできる」と感じ、次の行動もスムーズに進められるようになります。
「めんどくさかったけど、パジャマを脱いだだけで褒められた」
↓
「着替えをしたら褒められる」
↓
「自分から動くとママが喜ぶ」
この好循環が回り始めると、ママがガミガミ言わなくても、朝の準備をスッと進めてくれるようになります。
子どもにとって「動き出しやすい環境」をつくってあげることが、朝のバタバタ解消につながりますよ。

5.まとめ:穏やかな朝を取り戻すために
子どもが「着替えるのがめんどくさい!」と言って朝の支度が遅いのは、ただの怠けではなく子どもの「心のサイン」かもしれません。
無理に急がせるのではなく、少しだけ視点を変え、
「嫌!めんどくさい!」を受け止める → 小さなステップに分ける → 成功体験を積む
この流れを意識すると、少しずつ自分から準備ができるようになっていきます。
ママもガミガミから卒業して、穏やかに「いってらっしゃい」と送り出せる朝になりますように。

【よくある質問】
Q. 「学校に行きたくない!」朝の準備が進まない子どもへの対応は?
Q. 自分で着替えずに「ママやって~」ばかり…自分でできるようになるための関わり方は?